桜の下の女の子
これは20年前の、後悔している私の中にある私の記憶です
季節は春
お城の公園には、たくさんの人々
青空の下のソメイヨシノは見事な満開
お弁当を食べている私の膝の上にも、花びらが舞い降りてくる
「綺麗ね」と言うと、「いい週末」と返ってきた
少し離れたところに、小学生くらいの女の子が3人でお花見に来ていた
レジャーシートを仲良くくっつけて敷いて、おしゃべりしてる
少しすると、2人がどこかへ出掛けて行った
1人の子はお留守番?
私は相方と、今年もお花見来れて良かったねとか、たわいもない会話をしていた
何分かがたって、私はまた女の子達のほうをみた
ん??
お留守番の女の子はまだ1人で座っていた
少し周りをキョロキョロ見ながら、メガネの奥は少し不安そうで…
2人の子はトイレにいったのかな?
混んでるのかな?
私の頭の中が、勝手に走り出す
少し、いや、かなりの時間が立ってたかもしれない
2人の女の子が、屋台で何か食べ物を買って食べながら帰ってきた
その食べ物は自分達のものだけだった
でも、お留守番だった女の子は、ホッとしているようだった
よかった、帰ってきて、私もとりあえず、ホッとした
桜の上には綺麗な青空
女の子達と、私達の間にも、お花見を楽しもうとレジャーシートがたくさん敷かれて行った
相方は横になり、眠っている
私は少し見えにくくなった、女の子達を目で追っていた
すると、今度は、お留守番をしていたメガネの女の子だけがいない
2人の女の子は何か食べている
あー、交代でトイレとかに行ったのかな?
と、また、勝手に頭の中が走り出す
すると、2人の女の子が動きだした
自分のレジャーシートを畳んで逃げるようにどこかに行ってしまった
んんん??
私の頭の中が追いつかない
メガネの女の子帰ってきたんだろうか…
相方が目を覚まし、そろそろ帰ろうかと…
レジャーシートを畳んで歩く桜道
遠くなりながらも、なんだか気になって女の子達の方を振り返ると
メガネの女の子が帰って来ていた
1人でキョロキョロして、自分のレジャーシートを畳んでいた
帰りの車のなかで、
やっと、私の頭の中が動きだした
これって…
女の子のいじわる…
気がつくの遅すぎる…自分自身に腹が立った
なぜ声をかけてあげれなかったんだろう
「大丈夫?」と、一言
彼女の不安を少しでも、取ってあげれたかもしれないのに…
私の中の後悔
あれからもう、20年
あの、小さな女の子も、素敵なお嬢さんになっていることだろう
どうか、幸せでいてほしいと願うばかりです