![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169052751/rectangle_large_type_2_05e6351b36c07aac281f5068bfd1c7f8.jpeg?width=1200)
「PLを見て、どのような洞察を得たら良いですか?」に回答します
PLに書いてあることは分かるけど、「だからなに?」って思うことありませんか?売上が3億で、原価が2億で、販管費が8000万で、営業利益が2000万。ふーん、で?ってなりますよね。
でも実は、PLはただ数字を見るだけでは意味がなく、「数字から会社のストーリーを読み解く」ためのツールなんです。ここからどうやって洞察を得るか、ポイントをいくつかお伝えします。
1. 売上構造を理解する:成長しているのか停滞しているのか?
まず見るべきは売上です。「3億」という数字だけを見ても、それが多いのか少ないのかは分かりません。重要なのは、前年や業界平均と比べてどうなのかという視点です。
売上増加率:前年より売上が何%増えたかを見ることで、成長トレンドが分かります。
商品・サービス別売上比率:主力商品がどれだけ売上を占めているのかを分析することで、どの商品が会社を支えているのかが見えてきます。
例えば、「主力商品Aが全体の70%を占めている」と分かれば、その商品に依存しているリスクも理解できます。
2. 原価率をチェックする:利益の出やすいビジネスか?
次に見るべきは原価です。原価が売上に占める割合、つまり原価率を計算してみましょう。
計算式:原価率 = 原価 ÷ 売上 × 100
例:2億 ÷ 3億 × 100 = 66.7%
この原価率が高すぎる場合、利益を出すのが難しいビジネスモデルである可能性があります。たとえば、原価率が80%以上だと、販管費やその他のコストを賄う余裕が少なくなるため、収益改善が必要です。
3. 販管費を見る:効率的な運営ができているか?
次に注目するのは販管費(販売費および一般管理費)です。これには人件費や広告費、オフィスの家賃などが含まれています。
売上に対する販管費の割合:販管費 ÷ 売上 × 100
例:8000万 ÷ 3億 × 100 = 26.7%
販管費の割合が高すぎる場合、無駄なコストがかかっている可能性があります。広告費が増えすぎていないか、人件費が適切かなど、細かくチェックしましょう。
4. 営業利益を深掘り:どれだけ本業で稼いでいるか?
営業利益は、本業の収益力を示す指標です。この数字が低い場合、本業に何らかの問題がある可能性があります。
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上 × 100
例:2000万 ÷ 3億 × 100 = 6.7%
一般的に、営業利益率が10%以上であれば優良と言われますが、業界によって基準が異なります。この数字が低ければ、以下の改善が考えられます:
原価を削減する
販管費を見直す
高利益率の商品を増やす
5. PLを縦と横で分析する:トレンドと構造を把握する
PLは単年度の数字だけを見るのではなく、過去数年分を並べてトレンドを確認することが重要です。
縦の視点:売上から営業利益までの流れを一つの年度内で見る。どの項目がボトルネックになっているかを特定する。
横の視点:複数年度を比較し、売上や利益のトレンド、原価率や販管費率の変化を把握する。
【まとめ】PLを洞察の宝庫にするための視点
PLは、ただの数字の羅列ではありません。その背後には会社の運営状況、戦略、課題がすべて詰まっています。以下のステップを意識してみてください:
売上のトレンドを読み取る:成長しているのか、停滞しているのか。
原価率を確認する:利益が出やすい構造になっているか。
販管費を見直す:無駄なコストがないか。
営業利益率を把握する:本業がどれだけ稼げているか。
縦横で分析する:トレンドと構造の両方を見る。
これらの視点でPLを見ることで、数字が「だからなに?」ではなく、「これを改善しよう」「ここに注力しよう」という具体的なアクションにつながります。PLは、会社の健康診断書です。正しい読み方を身につければ、経営の意思決定に大きな力を与えてくれます!
※stand.fmで音声配信しております。音声で確認したいというかたはこちらからどうぞ!
https://stand.fm/episodes/677e463abdd38c062c4264c5