【1日1問!会計クイズ⑨】どんな不正を行った?
この【会計クイズ】シリーズでは、簿記を勉強されている(特に日商簿記2級~1級)方に向けて、役立つ知識をお届けするためにクイズを出題していきます。
なるべく毎日更新していきたいと思いますので、日々の学習の参考に、または息抜きにチャレンジしてくれるとうれしいです!
それでは、本日の問題に参りましょう!
🎈問題
画像のPL・BSは実際に不正をした会社のものですが、どのような不正をしていると思いますか?以下の4つから選んでみてください。
①架空売上の計上(資産の過大計上)
②在庫の調整(資産の過大計上)
③仕入の調整(負債の過少計上)
④固定資産投資の操作(費用の固定資産化)
🎈正解
正解は・・・
「①架空売上の計上」
でした。
🎈解説
売上債権回転期間が8か月超と非常に長く、回収されていない売上債権が大量にある点に着目いただくとよかったかなと思います。
架空売り上げを計上するということは、
(売上債権)/ (売上)
という、うその仕訳を行うことになります。
この取引が本当に存在するものであれば、売上債権は現預金により回収されるのですが、架空なので、いつまでも売上債権のまま居続けることになります。
その結果、売上債権回転期間(売上債権÷月次平均売上)が異様に長くなるという現象が起こるのです。
売上債権回転期間の日本企業の平均は2~3か月程度なので、覚えておくと便利ですよ。
(参考:中小企業実態基本調査(平成30年度決算報告実績))
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&toukei=00553010&tstat=000001019842&cycle=7&metadata=1&data=1
ちなみに、もし「②在庫の調整(資産の過大計上)」を行っているとしたら、販売できない在庫が大量にあることになりますので、在庫回転期間(在庫÷月次平均売上原価)が非常に長くなります。本問では、在庫回転期間は0.12か月と短いので、「②在庫の調整(資産の過大計上)」の可能性は低いと判断できます。
(参考:在庫回転期間の日本企業の平均は1か月程度です。https://www.toishi.info/stock/kaitenkikan.html#two )
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