本嫌いの私が受けた衝撃
私は小さい頃から本を読むのが苦手だった。
漫画は好きだけど活字が苦手。
読むのに、理解するのにとても時間がかかり
一冊の本を読み終えるのに、何日も、何ヶ月も、かかっていた。
反対に、5歳上の姉は活字中毒と言えるくらい本が大好きで
昔から図書館に通いまくっていた。
特にファンタジー作品が好きで、図書館員さんに
「これあなたが好きそうよ?」と本を取っておいてもらえる位だった。
そんな風景が羨ましかったし、読書している人って格好良く見えるし
自分もそう在りたいと思った。
私も姉の影響かわからないが、ファンタジー作品が好きで
ハリー・ポッターがこの世に出始めたときは頑張って読んでいた。
未だに実家に本が置いてあるが、分厚さの迫力に負けて
何回も読み直しはしていない。
母親になり、我が子には本好きになって欲しいと思いつつ
私自身に苦手意識があるのだから、強制はできないなと感じていた。
そんな折、あるきっかけで芸人の又吉直樹さんのYouTubeに辿り着いた。
彼は芸人であり、小説家であり、俳優でもある。マルチポテンシャルライトな働き方をしていて私には理想的だ。そんな彼がYouTubeで面白い企画をしていた。太宰治の「走れメロス」の解釈を説明する動画だ。
走れメロスと言えば高校生の教科書に載っていた気がするが、正直内容をあまり覚えていない。数学よりは国語のほうが幾分かマシだったが、冒頭にある通り活字に苦手意識があったので、先生が読むのを流し聞きしていた。
そんな退屈な思い出しかない教材を、又吉直樹さんが説明すると途端に面白くなって、始終笑いながら聞き入っていた。彼の頭の中ではこんな解釈するのかとか、こんな読み取り方をして良いのかとか、そうゆう事を伝えたかったのかとかが何年越しに理解できた。
他の動画もサクサクと見てしまい、私に新たな刺激を与えてくれた。
本には正解はなくて、自分の好きな解釈をして良い。
分からない部分は、分からないままの自分を楽しむ。
何回も読むとどんどん解釈が変わっていく。
私の中の読書のイメージと正反対だった。正解は一つで、分からないのは自分の責任で。そう思っていたから本を読むのが辛くなっていたけど、そうじゃなかった。もし私みたいに本に対して苦手意識がある方がいたら、これをきっかけに変わってくれれば嬉しいことこの上ない。
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