これがホワイトヴェルディだ!

J2リーグ第2節 vs愛媛FC @ニンジニアスタジアム
前半0-1/後半0-0 ⚫️
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今年の方向性

町田戦は対策に尽くした試合となり本来のサッカーではないとコメントした選手・監督達。今節は"今年の方向性"を見せてくれる最初の試合でもありとても期待が高まっていた。ポゼッションかつアグレッシブなサッカーであると情報はあったが、決まり事などを確認する上で大切な試合となった。しかし結果は惜敗。チャンスはあり、大敗ではない為に余計に悔しい敗戦となった。それでは局面ごとに試合を振り返りたい。ちなみに相手の愛媛は4-4-2で前節とは違う並びだった。

1.攻撃

攻撃時の基本フォーメーションは4-2-3-1と上記の写真と同じ並び。攻撃の基本となったのはポゼッション。特に前向きにベクトルを向けている事が多い初先発小池純輝のところで多くのチャンスが生まれた。とても周囲との連携も良く、1v1での仕掛けも成功率がとても良く感じた。しかし一方右サイド。寛也はかなりインサイド気味にプレーする事が多く、タムさんもそこまで高いポジションを取らず停滞気味だった。寛也からのロングフィードからはチャンスがあったものの、数は多くなかった。

またアグレッシブなサッカーなのに、足元で受ける選手が伝統的に多いせいか、なかなか後ろから抜け出せないシーンも散見された。ボールを受ける為に下がってしまうだとか、そもそもパスが弱いとか。もはや選手の癖という部分でちょっとばかり人選を変えてもいいんじゃない?という疑問も浮かんだ。人選という部分では守備も共通してくる(後述)。

奈良輪と小池の並ぶ左サイドは推進力もあり、裏への動きだしが多く攻撃が活性化していた様に思う。この時、ポジションを守るというルールはあまり感じられなかった。かなりボールサイドに寄り近い距離で人数をかけて攻略しようという感じだった。ただこれ、少しピーキーな面がある。それは一時期低迷していた時のヴェルディのように即興で狭い局面でのパス回しにより中央に人数がかからず点が取れなくなるかもしれないということだ。実はこうなりかけたのが端戸と河野投入後。この2人はレアンドロや優平とは違いかなり裏や前向きにベクトルを持ってプレーする事が多くかなり停滞気味の攻撃にアクセントを加えていた。しかし何度か左サイドに人が集まりすぎ、裏に抜けてもゴールから遠ざかっていったりともう少しゴールに向かって欲しい感じもあった。

とはいえ、コンビネーション重視なだけに時間と結果はもう少し必要だと思った。あとは動き回れるタイプと足元で受ける選手のバランス。今日は足元で受けたい選手が多く、裏抜けのアクションが少なすぎてスペースが無くなってしまう現象もあったので、その辺は今後変わっていくのかなと考えている。内田やヨンジなどもバイタルエリアに積極的に上がってくるのでスペースメイクは欠かせないだろう。今後に期待したい。

2.守備

守備時には以下4つの陣形が見られた(自分の観測でしか無いので本当はもう少し少ないかもしれません)。これを時系列で並べてみようと思う。
・1つ目(試合開始時)→4-4-1-1

・2つ目(前半中盤から)→4-5-1

・3つ目(後半序盤から)→4-4-2

・4つ目(後半中盤から)→4-3-2-1

まず1つ目。4-4-1-1だが、役割としては優平がボールサイドの相手ボランチをマンマークしレアンドロはCBにはプレスをせずSBに入ったらCBに寄りコースを切る。しかしこの時、ヴェルディ右サイドで愛媛にボールを保持される時が顕著だったのだが、純輝と内田の間にスペースができてしまうことが多く、失点してしまう。

その後そこの穴を埋める為に優平はボールサイドのボランチのマークの役割を放棄し、2つ目の4-5-1へと形を変える。しかしそれだと相手のバックラインの選手に制限をかけるプレスが出来ずこれはこれで前野などにボールを運ばれ、またヴェルディの3列目と2列目の間延びで間を使われるシーンは無くならなかった。

そして前線からの制限をかける為に優平をバックラインのプレッシャー要員として前に上げ3つ目の4-4-2に変更。しかしやはり内田と純輝の間を位置取る近藤が居るので上手く制限できないと結局は優平がケアに戻り4-5-1になったりと2つの陣形を繰り返していた。

そして追い込まれ始め時間のなくなってきたヴェルディは4つ目の4-3-2-1とし前から追う守備を本格的にスタートする。前の3-2-1はかなりボールサイドにコンパクトになる為サイドチェンジされた際にスライドで各選手のトライアングルの中にスペースができたことと、逆サイドのスペースをSBに使われたり愛媛の中盤の選手に仕事をさせるスペースを与えていた。(トライアングルのスペースについては下図参照)


ここまでフォーメーションについて読んでもらってなんなのだが、実はヴェルディの守備的な課題はどのフォーメーションでもあまり変わってはいない。結局は中盤が出て行く守備がメインなのに出て行った時のスペース管理ができないこと、ハイプレスの際にディフェンスラインと中盤のラインが間延びする事、自陣からの守備でCBのパス供給源として脅威である前野に制限をかけれなかった事だ。そこに前野からのパスが供給され、近藤や藤本などが絡んできてチャンスを演出していた。もちろんサイドに流れスペース創出に貢献していた吉田もさすがの一言である。
相手CBに制限がかからないと後ろの選手は予測しづらく特に目の前のミッドフィルダーは中途半端な動きをすると相手にバイタルエリアを晒しピンチを演出してしまう。その中途半端な動きによりバイタルエリアが晒されると次はディフェンダーは守備の選択肢が多くまた中途半端なプレーが起きやすくなる。だいたいサッカーは繋がってるのだ。まずは前のディフェンスから直す必要があるように思う。

ただ全く機能していないわけでは無い。もちろん1失点なのでそこそこには守れている。(ただ相手チームの選手の質がさらに高くなった時、どうなるかは分からないが)今日も中盤から高い位置でのプレッシングで引っ掛けてショートカウンターか、ポゼッションに持ち込んだシーンもあり、この先は成功回数とスペース管理が上手くなればまた違ってくると思う。

あと、攻撃で人選という部分に触れたが、レアンドロが運動量で勝負するタイプでは無い為CBの前野に制限かける戦術が取れなかったとも言えるだろう。これからもレアンドロが先発の場合CBからの組み立ては狙われる可能性が高いので、自分としては端戸、林、コイッチあたりの起用を今日はして欲しかったかなと守備的な面では思った。

3.トランジション

自分が最も課題だと思うところはここである。攻撃は内田やヨンジまでもがバイタルエリアに侵入する設計のため、仮にもフィニッシュ出来ず奪われた場合にディフェンスラインまでが誰もいないという事態を何度も引き起こしていた。これは仲良くJ2で一緒に過ごしてしまっているエスナイデル千葉にも起こっている現象だ。これはネガトラまで設計されておらず、とりあえず人数をかけてしまったりバランサーを設定していない為に引き起こされる。もっとこのネガティブトランジションにはこだわりを持ってやる必要があるのではないか?と思う。せめて、中盤の選手を1人置いておくだけでも絶対に違うのだ。後ろと前が分断された状態は避けてリンクマン的な存在が必要なのである。攻撃面の部分でも話したが、ボールに選手が集まってしまう欠点はここにもあると考える。
ポジティブトランジションの部分では高い位置でのプレッシングでボール奪取がこれから増えるのならもっと裏に抜ける選手が必要ではないかなと感じた。

4.まとめ

今回は攻撃・守備・トランジションと3局面に分けてみたが、基本的にはサッカーは繋がっている。分けて見ても結局はプレーは途切れるわけではない。1つの修正が入ればその後に続いていた現象まで一気に改善したりも考えられる。なのでまだホワイトヴェルディには期待しておきたい。ただそこまで悠長に待っていられないので10試合すぎるくらいまでなら待てるのではないだろうか。その後は知らない。笑
思っていたより厳しい現実が待っていたわけだが、ロティーナとは逆志向のサッカーをしているので頭と心をホワイトに切り替え過去の成功体験を消し去りリスタートしていくことがファンにも必要なのかなと思う。まだ発展途上だ、楽しめるとこまで楽しみたい。これからのホワイトヴェルディに期待だ。

最後までお読みいただきありがとうございました😊

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