前半戦の二の舞なのか。変わった姿を見せられるのか。【鹿児島戦プレビュー】
個人的に夏休みに入ったので、自分の力をつけるという意味でもプレビューを書いていきたいなと思います。今回はその初回となります。夏休みの期間に関してはプレビューとレビューを書いていきたいと思いますので、ぜひ読んでいただいて、拡散や感想等書いていただければなと思います(フィードバックお待ちしてます)
それではプレビュー本編に入りたいと思います。
POINT1:両チームのトランジション
鹿児島は現在20位とかなり落ち込んでおり、失点が多い状況となっている。その中でもこのチームのキーワードとなるのが「トランジション」である。J2の戦術ブロガーの方でも鹿児島のトランジションに触れる方もいたり、筆者が見た試合でもそのようなシーンが散見された。
基本的に鹿児島の攻撃陣形は2-4-4である。攻撃の特徴としては、かなり縦に早いのが特徴。そのためにはある程度CFやインサイドにはいるSHが下りてくるのも許容する形。またときどきSBが相手最終ラインまで上がることもあり、かなり積極的である。しかしこの攻撃が諸刃の剣なのはシチュエーションによってはCHも攻撃参加する中でネガティブトランジションで2CBしか確実に残っている選手がいないということである。実際25節の徳島戦でも多くその傾向が見られた。なのでヴェルディはまずそこを狙うのは第一だろう。またそのためにも容易にセットディフェンスに移行せず、前からしっかりプレスすること。また中盤ラインでしっかりボール奪取を実行できるように守備は整理されているのが理想だろう。
しかしこの鹿児島の守備、さきほどは「諸刃の剣」だと紹介したが、有効な場面もある。鹿児島の攻撃スタイル上、ボールに寄ってプレーすることが多い。なので即時奪回や、蹴らせることができればカウンター返しのような場面も有りうるのである。それが徳島戦での先制点に繋がっており、正確にカウンターを狙い、ボールを大切にすることが肝になる。
次はヴェルディのネガティブトランジションについてである。
一応、現在のヴェルディで採用されているフォーメーション2つに関して画像を用意した。
まず4-4-2に関してだが、まず鹿児島の守備の特徴として中央圧縮からサイド誘導と圧縮がある。またヴェルディのストロングはサイドにあるので、苦戦する時間も出てくるかなと感じる。そこでサイドでのサポートに選手が関わったり、ライン間に入っていったりすると2CBが晒されてしまい、ハンヨンテや五領、牛之濱らにカウンターを実行される可能性が十二分にある。実際京都戦でもサイドでのボールロストから逆サイドに展開されカウンターを食らう場面もあったので要注意だろう。
また3-4-2-1でもほぼ同じ事象が起こる可能性がある。攻撃時、3-2-5となりアウトサイドレーンで持つWBの選手にサポートにパターンや押し込んだ時に3バックが晒されるのである。先ほどの4バックの際とはDFが1枚多いものの、いい状態ではないことは確実なので鹿児島のカウンターパワー次第では十分ネガティブトランジションを攻略されることも考えられる。
このように両チームともに「トランジション」は重要なファクトである。
永井ヴェルディになって以来、守備の未整備がかなり目立ち、京都戦ではそれを大幅に露呈。4失点を喫した。この1週間である程度ネガティブトランジションを整備していれば、今節は有利に試合を進められるかもしれない。
POINT2:鹿児島の守備の特徴をどう利用するか
鹿児島の守備の特徴は3点あると考えた。
1.中央圧縮からサイド誘導&サイド圧縮をすること
2.守備の基準が”スペース<人”であること
3.2よりスペースを空けることに躊躇がないこと
まず1つ目に関してだが、前半戦に対戦した際に書いた筆者のレビュー記事でも触れていたが、今シーズン通して一貫しているところでもある。そのレビューが下のリンクである。
永井ヴェルディの最初の狙いでもあるCFへの楔を打たせないことや、サイド圧縮でヴェルディのストロングのサイド攻撃をある程度抑えこまれた前回対戦があるだけに、かなり重要な守備の特徴だと考える。
しかしその守備の利用方法としては、前節京都戦の後半で見せた左サイドで密集を作り出してから、右サイドに展開しチャンスメイクするパターンである。徳島も鹿児島に対して同様の攻撃を仕掛けていた。この攻撃を再現性持って行うことができれば上手くチャンスを作れるかもしれない。
またシンプルな攻撃としては前から来た相手の選手の背中のスペースを突いての疑似カウンターやサイドチェンジでの幅を有効利用する攻撃などが考えられる。この辺りは前節もできていたので期待したいところある。詳しくは前節のレビューを読んでいただきたい。
2つ目の「守備の基準が”スペース<人”であること」と3つ目の「2よりスペースを空けることに躊躇がないこと」がこの鹿児島というチームの最大の特徴であると考える。サイド圧縮で選手のスペースを奪う意味では人に守備の基準があるのは良いものの、鹿児島はどのエリアでも人に行く傾向があるため、スペースを使われるシーンが多い。それが第25節の徳島ヴォルティスvs鹿児島ユナイテッドFCでの徳島の3得点目で顕著に表れた。下の動画と図でお分かりいただけると思う。
おわかりいただけただろうか。このように人についていくことでディフェンスライン周辺にスペースを意図的に作られやすくなり、失点につながっている。鹿児島の選手が空けたスペースに走りこむことで、そこから連鎖的にスペースを得られるのでしっかりと味方の動きとスペースを認知することで得点のチャンスも増えていくだろう。そこでの選手達にはラインを押しさげたりする動きがかなり重要になると考えられる。なのでこの特徴に関してはとても注目していただきたいなと思う。そこで前線の選手含めてメンバー選考へとつながっていく。
他の攻撃パターンで考えられるのはチャンネル攻略の部分である。それが下図だ。
このような形も狙っていけると考える。鹿児島はまず内から切るため、SBがアウトサイドレーンの選手に行くことになる。そこでチャンネルが空くためそこを狙うものだ。
シンプルではあるが相手の守備の特徴を上手く捉えてしっかりと突けるのか、前半戦のように停滞感を持った感じになってしまうのかはこの1週間準備してきたことにかかっている。また鹿児島は運動量が落ちてくるとブロックを形成したりしてくるので、しっかり先制点をしっかり取って試合の主導権を握りたいところである。
POINT3:最適な選手起用は?
個人的にここまでの流れを踏まえてベストかつ考えられるメンバーは下図の通りである。(予想よりも少し筆者の希望強めです)
最大のポイントとしてはCFに端戸を抜擢した点である。なぜここで端戸かというと、前線の京都戦ではやはり前線からの守備の部分でディスアドバンテージを背負ってしまい、後手に回るシーンが多かった。レアンドロの守備タスクが整えば話は別だが、それはないと思うので前線からの守備が大事だと書いた点や、相手選手を引き連れての動き出しに関して京都戦でもかなりできていた端戸を抜擢した。それ以外のポイントとしては、4-4-2でのスタートに関してだ。やはり純輝を前線にほぼ準備時間なく置いておけることがかなり大きいだろう。また前節良かった攻撃パターンのほとんどが4-4-2での攻撃だったので、4-4-2ではないかと考えている。また鹿児島はサイドチェンジを多用はせずに縦に来るチームなので、今までネックだった逆サイドを捨てられない問題は解消すると思うのでしっかりとボールサイドで奪う守備を見たいと思う。
まとめ
今節のプレビューはいかがだっただろうか。個人的にはこの鹿児島戦は監督の手腕が問われるんじゃないかと勝手に思っている。相手のスタイルがかなりハッキリしているところにどこまで自分たちのスタイルでやれるか、少し相手に合わせたこともやるのか気になるところである。また守備のオーガナイズに関しても少しは見えてきてもいいかなと思う時期なので、多少は見えればいいかなと思っている。もちろんこのプレビューは参考程度にしかならないが、相手の特徴だけでも頭に入れて見てもらえたら少し違う見方になるのかなと思う。
今までのレビュー、プレビューとは違いポイントを絞って、そこに焦点を置いた方式で考えていった。いつもとは違うため何か思うところあれば是非Twitterなりで教えていただければと思う。
最後までお読みいただきありがとうございます😊
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