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ラディカル(社会変革)の視点

こんにちは。
キャリアコンサルタント佐渡治彦です。

以前、ラディカル(社会改革)【ワッツの4つのキャリアガイダンスのイデオロギー】と言うタイトルの記事を書きました。

「社会正義のキャリア支援」研究の第一人者、下村英雄氏(独立行政法人労働政策研究・研修機構【JILPT】統括研究員)の著書から引用した内容です。

現在、世界でのキャリア支援で重視されているイデオロギーは、ワッツの唱えるラディカル(社会変革)と言われています。

比較的、安定していた時代には、キャリアコンサルティングは「個の問題」にフォーカスすれば、良かったです。
いかに社会の中で自分を活かしていくか、自己実現していくかといったキャリアコンルティングです。

しかし、現代のように社会が不安定になってきた際、「社会の問題」にフォーカスしていくキャリアコンサルティングが社会に求められるようになっていました。

ラディカル(社会変革)な考え方を重視するキャリア支援とは、単に課題を個人の問題にフォーカスするだけではなく、社会、環境と言ったシステムなどにも目を向け、働きかけ、社会を良いものにすることで、問題解決しようとする考え方です。

現在、私が代表理事を務める一般社団法人カリエーレ・コムサでは、
兵庫労働局「令和6年度 川西市一体的実施事業における委託事業」を受託し、今年4月から「若者キャリアサポート川西」を運営しています。

この事業は、兵庫労働局、ハローワーク伊丹、川西市と一般社団法人カリエーレ・コムサが、一体となって就職支援をしていく事業です。

毎日、キャリアコンサルタントが、相談者に寄り添いながら伴走型支援を行っています。

実際、毎日のキャリアコンサルティングで、どれだけラディカル(社会変革)の考え方を持ちながら、支援をしているのかと問われれば、各々キャリアコンサルタントは、相談者がいかに自分の希望する企業に就職できるような支援をすることで精一杯と答えるかもしれません。

ただ、こうした毎日、相談者に向かい合い、キャリアコンサルティングしている中で、社会の問題、課題などが見い出せると思います。
そして、私たちが、労働局、ハローワーク、市などの行政機関に問題解決の提案、改善策をアドボカシー(具申)できる機会が生まれます。

下村氏は著書で以下のように述べています。

「キャリアに問題を抱えたクライアントにラディカルな社会変革という視点から支援すること、他方、そうしたキャリアガイダンス(キャリア支援)の実践そのものが、少しずつ社会を変革していくという側面もっていること」が、「社会正義のキャリア支援論」の根幹をなす理論背景になると。

*「社会正義のキャリア支援」から抜粋、一部、筆者加筆

これからも、キャリアコンサルティングを通じ、相談者の希望する働き方を実現できるよう支援するだけではなく、社会に役立つ公共政策、社会政策の問題として考える視点を持ちたいと考えます。


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