「ふらんす」サン=テグジュペリ特集を読んで
サン=テグジュペリについてもっと探求したいと思っていた矢先、ふらっと入ったジュンク堂書店池袋本店で見つけた。月刊「ふらんす」の7月号がなんと、サン=テグジュペリ特集。
好きと言っておきながらちゃんとチェックしていなかった自分を恥じつつ、入る予定のなかった書店の、いくか迷った奥のコーナーで見つけ、
これは引き寄せた!と思った。
特集っていっても、序盤の数ページで大きく取り上げられるだけでしょ、、と期待しないでいたが、
色んな先生がコラムや解説を上げられていて、面白かった!!
今回は渋谷豊先生のコラムについて。
サン=テグジュペリは幼い頃から亡くなるまで、
飛行への憧れと欲求を持ち続けた。
彼にとって飛行とは、地上との、人との、
愛するものとの結びつきを自分の内で明らかにする舞台だった。
地上で当たり前に受容しているものは、
空の上の孤独な状況になって取り出される。
たくさんの砂のついた石を洗っていくと、
砂の塊はどんどん小さくなり、残る石がこんなに美しかったと初めて気づくように。
空の上への愛と同じ位、サン=テグジュペリは地上を愛していた。上へ上へと引き寄せられる彼を、
心のつながりという枷が同時に下に引っ張っている。
サン=テグジュペリの思想に胸打たれる理由の一つは
絆という心の繋がりによる自由でない状態を、
「美しい枷」とするからだ。
人生の豊かさを決めるのは、
人間関係という愛おしい枷だと。
小学生の頃3回の転校を経験し、その度に友達と離れるのが寂しかった。新しく友達を作るときには、元いた学校の友達たちを思い出すことで、勇気が出た。自分に自信が持てた。そしてまた新しい環境でも、大切な友達ができた。その繰り返しをすることができた。
私にとって、今まで心の繋がりを感じた大きな出来事はこれくらいだ。
これからも、愛する枷を人生で作っていきたい。