【敬意を込めて。】

スタジオ近くのパーキングに車を停めてレッスンに行って、帰りにふと見たら、パーキングの小さな日陰から体がはみ出した老猫が1匹

あら?死んでる?
いや、寝てるか
でもなんか息してる感じがないかも

別に霊感あるとかオーラ見えるとかじゃないけど、生きてる動物のそれがない感じがする

あっまばたきした

あっ日陰にちょっとずれた

炎天下の駐車場で昼寝もなかろうに、もっと大きな日陰に移動しないと死んじゃうじゃん、危ないよマジで、あなた間違いなく弱ってるよね

大きなお世話かもしれないけれど、自販機でポカリを買って、ペットボトルの蓋にポカリ入れて、猫におすすめしてみた

水分が無いよりはある方がいい気がしたから

『良かったらどうぞ』

つつつ、と地面を這わせてその周りに少しだけポカリをポトポト垂らして、水分だよ、のアピールもしてみた

猫はちらっと片目でポカリを見て、長い瞬きをして、今度は私を見て

『シャーーーーーーーーーーー』

すません、お邪魔しました

しんどいやろうに、リアクションさせてしまった

見られたくなかったんでしょう、多分

もう全部多分、でしかないのだけれど

犬を長く飼っていたから、犬の良さはなんとなくわかる
人と暮らしていく動物だなっていうのがありありと分かる犬だったのもあって、ご主人様への愛嬌が素晴らしいというかかわいがってもらうすべを知ってる

きっと猫でもいるんだろな、個体差あって然りだからとは思う

でも犬みたいな【ご主人様とぼく】みたいな感じじゃなくて【あなたとわたし】みたいな感じがする

その気高さが素敵

今にも死んでしまいそうで、どうしたものかとオタオタする私に『来んなバカ』って言えるその気高さがカッコよかった

上手くは言えないけど、出過ぎた真似をした自分が恥ずかしかった

最後まで、貫くんだなぁ

わたしに足りないものを持っているあなたが羨ましい

どうか、ご無事で

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