売れてる雑誌って何?
内容?固定ファン?それとも...??
出版社で働いていると、自分が関わっている雑誌がどれぐらい売れたとか、●●っていう雑誌が売れてるらしいよとかって話はよく聞くんですが、色々ある雑誌の中で今どの雑誌が売れているかっていうランキングみたいなものって実はあまり情報がないし、働いている側もそこまで気にしてないんです。
別にどの雑誌が売れているからこの雑誌が売れないってこともないんで、他は他、自分は自分って感じで考えてます。
でもふと気になったんで、amazonと楽天で調べてみました。(11/19現在)
結果、驚き半分、まぁそんなもんだよねぇって気持ち半分でした。
amazonランキング
画面をキャプチャできたのが6位までなんですが、見てお分かりの通り2位~6位まで、すべてジャニーズ。6位は画像がありませんが、Snow Manが表紙です。
前、『「鬼滅の刃」が雑誌に与える影響』という記事でもサクッっと触れたんですが、ジャニーズが表紙だととにかく本が売れるんです。
楽天ランキング
楽天のランキングも1位~6位のうち4冊がジャニーズの表紙。2位の雑誌も画像がないけどKing&Princeが表紙。こちらもamazon同様ジャニーズ表紙の独壇場。ジャニーズの影響力、やっぱ半端ない。
ちなみに6位の「JJ」は以前『赤文字系雑誌「JJ」の休刊を分析』という記事で書いた通り、この号で休刊に入る最終号ということで過去「JJ」を通ってきた人たちの餞別と思われます。
それじゃぁ結局売れる雑誌って表紙が誰かってことなんですか?って話なんですが、ちょっと注目すべきはamazon1位の雑誌なんです。
「YOUNG GUITAR 12月号」 重版出来(じゅうはんしゅったい)
「YOUNG GUITAR」という雑誌がamazonの売れ筋雑誌ランキング1位。僕はギターを趣味としていないので、この雑誌を詳しく知っている訳ではないんですが数ある雑誌を押しのけ、さらには数あるジャニーズが表紙の雑誌を押しのけて1位って相当すごいです。しかも専門誌で重版がかかるって相当異例のことです。
今回の「YOUNG GUITAR」の特集が、洋楽に詳しくない僕でも知っている、10月6日に亡くなった世界的ロックバンド、「ヴァン・ヘイレン」の伝説的ギタリスト「エドワード・ヴァン・ヘイレン」の追悼特集とのこと。ギターの専門誌って多分そんなに部数刷って無いと思うんで、確かに売れたら重版はかかりやすいかもしれないですが、それにしても凄すぎる。
この本が売れたのは、決してジャニーズが表紙の本が売れるのとは違い、エドワード・ヴァン・ヘイレンが表紙だからではなく、彼の軌跡をたどった特集内容に、80年代から今までヴァン・ヘイレンに魅了された多くの人が彼の死を悼んで購入につながった。つまり「内容」で売れた雑誌と言っていいと思います。
もし、ジャニーズの表紙の雑誌とか、以前書いた記事のように「鬼滅の刃」みたいなヒットマンガのキャラが表紙とかじゃないと雑誌が完全に売れないという時代になってしまっていたら、正直自分を含めた雑誌の制作に関わっている多くの人たちはモチベーションを失って、早々に撤退してしまっていたかもしれません。でも、このギター専門誌「YOUNG GUITAR」が売れたというニュースが、世の中に数多くある専門誌の制作に関わる皆さんの希望になってるんだと思います。
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