アート活用事例~商品パッケージ編 6選~
こんにちは!HARTiの田邉英也です!
近年、アートを活用した企業によるマーケティング事例が増えています。
2021年4月に開催された、国内最大級のアートオークションであるSBIアートオークションでは総落札額が10億円を超えるなど、国内でもアートの盛り上がりは続いています。
そこで、本投稿から複数回にわたり、企業のアート活用事例を紹介していきます!
本記事では、商品パッケージへのアートの活用事例をご紹介します。
1.カルビー × 長場雄
大手食品メーカーのカルビー株式会社が販売している、「ポテトチップス うすしお味」と「ピザポテト」の商品パッケージを、人気アーティストである長場雄氏がデザインを行い、数量限定販売を実施。
カルビーは2019年より社内のデザイン力やデザインの知識を高め、商品の魅力向上を目指す「伝わるデザインプロジェクト」を推進しており、今回はこのプロジェクトの第一弾として生まれた商品です。
今回の狙いは、普段あまりスナック菓子を購入していない若年層の男女にデザインの力で少しでも商品に興味を持っていただこうと企画したものです。
10~20代の男女が“周りの目を気にしながらも、他の人とは違うものを持ちたい”意識があるとのデータなどを踏まえ、これまでのカルビーの商品とは一線を画すデザインを検討し、数あるクリエイターの中から、シンプルで洗練された作品を得意とし、10~20代の男女に多大な人気を誇る長場さんと協業する運びとなったそうです。
カルビーでは、今回の商品を機に今後も「伝わるデザインプロジェクト」の商品を開発していく予定だそうです。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000697.000030525.html
2.perrier × 村上隆
100年以上にわたって、アンディーウォーホルなど世界的著名アーティストとコラボレーションしてきたperrierの商品パッケージを、世界的著名アーティストである村上隆氏がデザインし、限定デザインボトルと缶の販売を実施。
出典:https://www.perrier.jp/murakami/
3.NONIO ART WAVE AWARD
ライオン株式会社が展開するオーラルケアブランド『NONIO』は、若手アーティストに活躍のきっかけを提供することを目的としたプロジェクト「NONIO ART WAVE」を2018年から行なっています。
グランプリを受賞した若手アーティスト3名の作品を商品パッケージに採用したハミガキとマウスウォッシュを数量限定で販売いています。
また、審査員には、『美術手帖』総編集長の岩渕貞哉氏、彫刻家の名和晃平氏、キュレーター/横浜美術館主任学芸員の木村絵理子氏、グラフィックデザイナーの服部一成氏、写真家の長島有里枝氏などが担当しています。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000068211.html
4.“THE ART LABEL SAKEプロジェクト”supported by sawanotsuru
日本を代表する日本酒の蔵元「沢の鶴」の商品ラベルをキャンバスに見立て、総勢13名の国内外のアーティストの作品を披露&展示販売を伊勢丹新宿店にて実施。
「沢の鶴」は創業が江戸時代中期の1717年で、創業から300年以上も経っている日本を代表する老舗酒造です。
今回のプロジェクトは、普段あまり日本酒を飲まない人に手にとってほしいという思いと、日本酒って敷居が高い印象がありますが、そんなことはないんだよということを伝えたいというところから始まったプロジェクトです。
出典:https://www.imn.jp/post/108057202125
5.プレミアムボトルウォーターブランド 「LIFEWTR」
LIFEWTRは、創造性と創造性の源泉を前進させ、紹介するために存在する新しいプレミアムボトルウォーターブランドです。
商品ラベルは四半期ごとに更新され、様々なアーティストのデザインを楽しむことができ、アーティストのキャンバスとして機能しています。
アートは人々のインスピレーションを喚起させる。またインスピレーションは「水」のように私たちにとって不可欠なものである。という考えから、創造性の源(アート)をペットボトルデザインを通して紹介するとともに、人々の創造性を高めていくことを目的に、このような取り組みを行なっています。
出典:https://www.packagingoftheworld.com/2018/06/lifewtr.html
6.高級チョコレートブランド「COCO Chocolatier」
英国スコットランドの高級チョコレートブランド「COCO Chocolatier」は、商品のパッケージをアーティストが描いています。
2004年に首都エディンバラで手作りチョコを提供するお店として創業し、2013年に代表を引き継いだCalumHaggerty氏は、ブランド強化が必要だと感じ、これまでのブランディングはどちらかといえばフェミニンな感じだったが、CalumHaggerty氏がアートにも関心を持っていたというのもあり、「美しいものが大好きでデザインが大好きなひとたち」に向けてブランディングし直すことにしたのです。
そこで考えついたのがアーティストとのコラボレーションです。アーティストに作品発表の場としてチョコレートのラッピングを提供し、Cocoとしては他にないユニークで質の高いデザインが得られるというWIN-WINの関係です。
2018年にはパッケージのラベルをミニマルデザインにリニューアル、美術館の展示作品につけられるキャプションボードのように、アーティスト名・タイトル・制作年を記載することにしたのです。現代アートの美術館のホワイトキューブ的空間にチョコレートを置くと、まさにアート作品のように見えるというわけです。
Instagram:https://www.instagram.com/cocochocolatier/
出典:https://amix-design.com/article-5-4503.html
今回は商品パッケージへのアートの活用事例を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
近年商品パッケージへのアートを活用する企業も以前よりは増えてきていますが、具体的にどのような効果があるのか、インフルエンサーを起用した場合との違いはあるのか、と悩まれる方も少なくないはずです。
アートを活用することの最大のメリットは、起用するアーティストのファン層や、デザイン性の高いパッケージデザインを好む層にアプローチすることができ、企業がアプローチ出来ていなかった層の新規顧客獲得にも繋がる可能性があることです。
パッケージデザインを工夫すればSNSで拡散もされやすくなります。また、近年のアートの盛り上がりから市場の話題性もあり、アーティスト支援なども踏まえたプロジェクトを実施すれば、自社のCSR活動としての広報活動にも繋がります。
これらのように、アートを活用することで、企業にとってさまざまな経済的・社会的効果が期待できます。
次回からも複数回に分けて様々な場面でのアートの活用事例を紹介しますのでお楽しみに!
文責:田邉英也