[比較]豪華客船で必要とされる英語力[ゲストとクルー]
どうも豪華客船鍼灸師のリョウタです。
今船はクロアチアのドブロブニクに寄港しています。
最近豪華客船の旅が、日本でも注目を集めてきています。
日本に寄港する豪華客船の数は年々増加し、国土交通省の発表によると2020年までに
「訪日クルーズ旅客を500 万人」
という目標を掲げており、今後も増え続けることが予想されます。
しかしながら乗船を考えている日本人のお客さん(以下ゲスト)からしたら
「英語話せないと色々不便なのでは?」
働く従業員(以下クルー)としては
「どれくらい英語力が必要?」
と英語に不安を持っている方が多い印象です。
実際豪華客船で5年働いてみて、豪華客船の仕事説明会等で色々お話しさせていただく中、英語に関する質問は必ずといってよいほど受けます。
この回答はズバリ船と航路、職種によります。
豪華客船を楽しむために必要な英語力は、もちろんゲストとして乗るかクルーとして乗るか、または乗る船、職種によって変わって来ます。
先日こういったツイートをしました。
乗船21日目
初めて船で仕事した時ほとんど英語は話せなかった。
それでも今日までやってこれたのは筑波で2年半臨床研修した基礎があったのと、そんな僕をフィリピン人の男の子が凄い気にかけて面倒みてくれたからだと振り返る。
ゲイは身を助けるとは正にこの事。
これがうまいこと言えているかどうかは別問題として、僕は鍼灸師といういわば東洋の文化を紹介するようなポジションとして乗船しました。
その為、乗船当初、英語に関してはわりとゆるい目で見られていました笑
他のゲスト、クルーの場合は一体どうなんでしょうか
[比較]豪華客船で必要とされる英語力[ゲストとクルー]
ゲストとしては
「せっかく船旅を楽しもうと思って乗ったのに、思っていたサービスが受けれなくて残念だった。」
クルーとしては
「乗船したは良いけど英語が話せなくて苦労した。」
こういった事態が起こる原因は、事前に情報を知らないからそうなる可能性が高いです。
誰もニューヨークのブロードウェイを見に言って
「何で日本語じゃないんだ!」
何て怒る人はいないと思います。
そこで今回4つのクルーズラインを渡り歩き、日本発着クルーズも経験した僕からそれぞれゲスト、クルーとして乗船する際、どれくらいの英語力が必要なのかレベル分けしてみました。
LEVEL1 ゲストとして日本籍の豪華客船に乗船する
まず始めに、一番英語力を必要としないのは、ゲストとして日本籍の豪華客船に乗船することです。
具体的な船名でいうと飛鳥II、にっぽん丸、ぱしふぃっくびいなすといったところです。
(にっぽん丸)
こういった船でクルーに日本人がいないことはまずありえません。
元々日本人向けにサービスを提供してきた船なので、もし英語に全然自信が無かったり、長い経験により培われた厚いおもてなしを受けたい場合はこれらの船をオススメします。
LEVEL2 ゲストとして日本発着の外国船に乗船する
日本発着の外国船にゲストとして乗ることも、ほとんど英語の心配はする必要がないと言っても良いでしょう。
具体的なクルーズ名だとコスタ、キュナード、MSC、プリンセスクルーズ辺りです。
(MSCクルーズ)
(プリンセスクルーズ)
特に僕が働いていたプリンセスクルーズのダイヤモンドプリンセスの場合ですと、日本シーズンだと1,000人程のクルーメンバーがいて、約100人近くが日本人でした。
100人の日本人クルーメンバーが働いているということは、大体どこの部署にも日本人がいます。
何か船の生活で困ったことがあれば、日本人を見つけて尋ねることができます。
ただし船内のエンタメ、特にメインシアターで行われるショー、歌やミュージカルはほとんど英語です。
LEVEL3 ゲストとして海外発着のクルーズに乗船する
次に海外発着のクルーズにゲストとして乗船する場合。
この辺りから船の生活を楽しむために英語力が必要となってきます。
ただし大前提としてこれらの船に乗船する際、日本の旅行代理店を通しているかどうかで、難易度は大きく変わって来ます。
日本の旅行代理店を通して乗船する場合は、大体日本人の添乗員さんが付いているので、船内の生活でわからないことがあればその方に聞いてみましょう。
その為それほど英語に関して心配する必要は無いかなと思います。
代理店を通さず個人で乗船する場合は、英語力がある程度必要になってきます。船内の避難訓練等も全て英語なので、わからないと少し不安になるかもしれません。
運が良ければゲストサービス、いわゆるホテルでいうところの受付のような場所や、どこかの部署に日本人がいることもありますので、乗船したらダイニングの給仕係の人に
「Is there any Japanese crew on this ship?」(この船に日本人のクルーはいますか?)
と聞いて、日本人を探してみても良いでしょう。
基本こういう船には日本人クルーはいない。いても1人です。
僕もそうでしたが、日本人のクルーを発見し、お互い日本人と分かれば船のことについて色々教えてくれたり、良くしてもらえると思います。
LEVEL4 クルーとして日本発着の船で働く
クルーとして日本発着の船で働く場合、前に言ったダイヤモンドプリンセスのように、自分以外の日本人クルーメンバーがいることが多いです。
当たり前ですが外国籍の船だと、クルーに向けたトレーニング等全て英語なので標準的な英語は必要です。ただわからないことがあれば、同僚に聞けるという面では心強いと思います。
またゲストも半分くらいは日本人のゲストが乗られているので、英語を話す機会はクルー同士の会話がメインといった話もよく聞きます。
レベルとしては英語圏の国に行きレストランでオーダー、ホテルのチェックイン、現地の人と軽い世間話ができるくらいなら問題無いと思います。
LEVEL5 クルーとして外国発着の船で働く
ここからはゲストも外国人がほとんどなので、かなり英語力が必要となっってきます。
何の職種かにもよりますがゲストと接する機会の少ない、技術系、ランドリー、ハウスキーピング、シェフ等は求められる英語力は少し低めでも大丈夫です。
それに反し、ゲストサービス、ツアー販売のデスク、ダイニングのホールスタッフ、ホテルスチュワード(ゲストの部屋を掃除する人)は結構英語が堪能でないと、いざトラブルになった時対処できませんし、大変です。
リスニングの7、8割は相手の言ってることが理解できて、スピーキングも自分の思ったことが瞬時に言えるくらいのレベルでないと厳しいと思います。
番外編(スパの事情)
では自分が実際働いていたスパはどうなのか?
スパはある意味、特殊な環境です。
スパはゲストと接する仕事でありながら、大前提としてスキルがあるかということが必要になってきます。
美容師、マッサージセラピスト、ビューティーセラピスト、そして僕ら鍼灸師。
スパで働いている人はみんな手に職がある人なので、英語力がいくらか低くても、それにあまりあるスキルがあれば、補うことが可能です。
乗船当初の僕の英語力
自分は上のツイートにも書いた通り、初任でいきなりカリブ海に飛ばされ、だれも日本人がいなかった中、ほとんど英語は話せなかったです。
よって英語という荒波にズタズタにされました笑
スパでゲストに怒られ、クルーには何言ってんだ?みたいに呆れられ、茫然自失としていた時に船に英語教室があることを知り、助けられました。
その英語教室は主にスペイン語圏のクルーに対して英語を教えてるのですが、彼らから学んだことがたくさんあります。
彼らは間違うということに全く怯えがないのです。
平気でShe don’t と言ったり、9月のことをマーチ!と言い出して時空を歪めてくることもあります。シャズナもびっくりです。
英語で水曜日は何というでしょう?という講師からの質問に
マンデー!フライデー!とか飛び交う中、僕が小さい声で
「ウエンズデー」
と、ぼそっとつぶやくと
おおー!リョウタすげー!!みたになるのです。僕はここで自信を回復できました。
おわりに
日本発着のダイヤモンドプリンセスで働いていた時、全然英語話せないゲストの1人が
「もうこの船に乗船した瞬間から外国だと思ってる。船の中は異国情緒に溢れてるし、少し不便だけどそれが良いんだよねー。」
仰っていました。
おそらく飛鳥Ⅱやにっぽん丸に比べたら、日本発着をやってる外国籍の船は正直まだまだ至らない点がたくさんあると思います。
日本人はサービスの面で、ある意味舌が肥えているのでそれに慣れてしまっている分、不便に思う所もあると思います。
ただ逆に考えて飛行機にも乗らず、神戸や横浜から乗船し、その乗船した瞬間から異国情緒を味わえるなら、それはそれでお得な気もしませんか?
なんといっても外国船クルーズの魅力は安さと、カジュアルさです。
これを参考に今後みなさんの生活に、もっとクルーズが身近になっていけばと思っています。
リアルタイムな豪華客船の裏側についてはTwitterで発信していますので、よかったらそちらもご覧ください。
では今日はこの辺でVon Voyage!
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