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【結婚しました。】コロナ禍の国際結婚は色々難しかった。

2021年 4月28日

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  事前に何度も確認し、必要な書類を揃え、僕らは結婚の手続きを行うため役所に行くと窓口の職員は
「これは受理できない。」
とものの5分で僕らを門前払いに帰しました。


なぜ結婚が認められなかったか?

 ジョージアは日本人であれば、もともとビザ無しで一年滞在できる国です。
しかし僕がアムステルダムからジョージア入りしたのが、2020年2月。そして今現在は2021年4月。確かに一年以上が経過しています。
役所の窓口職員が言うに、「あなたが合法的にこの国に滞在していることを証明できる書類」が無い限り受け付けることは出来ません。とのこと。

では僕は実際のところ不法滞在扱いになるのかというと、そうではありません。
時は遡ること2020年12月、ジョージア政府はコロナで帰国困難な人もいる現状を鑑みて、2021年7月1日まで、ビザ無しで入国している人を含めた全ての日本人に対し滞在期限を延長しました。
しかし窓口でその旨を説明し、ジョージア政府から発行されたジョージア語の証明書を提出するも、取り合ってくれることはありませんでした。とにかく合法的に滞在できているという証明を出せとの一点張り。
あなたが滞在一年未満なら問題無かったのにね。残念でした。と言うような感じで門前払いを食らってしまいました。

おいおい話が違うじゃないか。
なぜ事前に電話で確認した時に教えてくれなかったんだ?そして合法的に滞在している証明書(ジョージア語)なんてどうやったら取れるの?そしてこの後の家族、親戚の集まるパーティーにどんな顔して出席すれば良いの?
グツグツに煮詰めたシュクメルリを窓口職員の背中にぶっかけてやりたい衝動を抑えつつ、モヤモヤを抱えたまま、僕らは仕方無く、苦労して揃えた書類を手に市役所を去りました。

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↑ジョージアの伝統料理シュクメルリ。最近は日本でも有名

「外国人」としての自分

 しかし不安に感じたり、苛立っている彼女を横目に僕は何とも冷静な気分でした。思い返せばこの10年、拠点のほとんどを海外に移し、このような「理不尽な経験」を僕自身海外生活でたくさんしてきました。
クルーズ船で働きはじめ、そしてジョージアに住み始めて外国人になったこと。クルーズ船で日本人乗務員はだいたい僕一人でしたし、ジョージアではジョージア語をうまく話せないので、今回のような結婚、そして会社を設立するといった難しいペーパーワークは常に誰かにおんぶに抱っこです。

英語を話せなかったり、現地の言葉を話せないまま、その土地に住んで生活を始めるということは、よほどの経済力やスキルなどが無ければ社会的に弱者となってしまうことはある程度仕方の無いことで
「自分が外国人である。」
というような、このような感覚は実際海外で色んな国の人と働いたり、現地の人相手に仕事をしないと腑に落ちることが無い経験かと思います。

ですので苛立つ彼女や彼女の家族を横目に、「うん、またか。」といったそんな気持ちで僕は次どうするべきかを考えていました。

話を『ジョージア移住』という大きいテーマに少し振ると、良くも悪くもジョージアは滞在している日本人も良い人が多く、日本人コミュニティの居心地も良いため、もともとそんなに人と関わることが無く仕事が出来るノマドワーカーの人からすれば、海外に暮らす上での
「理不尽な経験」
は良くも悪くも、あまり感じることなく生活できるように思います。
僕自身、クルーズ船より、ここジョージアはよっぽど快適に生活することが出来ています。
僕がクルーズ船で働き始めたころは、英語がうまく使えず、今まで自分が人生で培ってきたことが全く通用せず、辛いなぁ、辞めたいなぁなんて思うことが多々ありました。
そんな時にもし日本人コミュニティがクルーズ船にもあったとしたら、おそらく当時の僕もすがって、すごく助かったと思います。
余裕が無い時はしんどいことから逃げたかったり、誰かに相談したいというのは当然のことだと思います。
しかし逆に、元気のある時やモチベーションがある時は、
「自分が外国人である。」
という色々な理不尽や悔しさとちゃんと向き合っていく。現地の人と一緒に何かを作っていったりして、難しさや違いを感じる。
そういったことも視野が広がるという意味で、一つの海外移住のメリットだと僕は感じています。ジョージアに関しては
ビザ無し一年滞在。物価が安い。美人が多い。
移住する入り口は何でも良いのですが、それだけで移住を完結させてしまうのは、少しもったいないかなと思います。
幾度となく侵略されたにも関わらず独自の文字、言葉を守っています。

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(ジョージア語でH&M)

かっこいい音楽、踊りがあります。
ワインは世界最古の歴史を持ちます。

ちょっとしんどい思いをしてでも、現地に飛び込んでいく経験は、日本にいる外国人の気持ちの理解や、LGBTのようなマイノリティの人たちの理解に繋がっていき、それこそが視野が広がるという意味での、海外移住の良さだと僕は思うのです。
そしてそれらの経験は今の自分や、これからの自分にとって大きな財産になっていくと思います。


リベンジマッチ。今度は大使館のサポート、お姉さんと共に役所へ

 随分脱線しましたが、また話を結婚の手続きに戻します。

しょぼくれて彼女の家に帰ると、家族や親戚みんながクラッカーでもうち鳴らそうと言わんばかりの歓迎ムードで僕らを待ち構えてくれていました。
しかし事情を話すと、みんなで家族会議が始まりました。
まず彼女の姉のナノさんが怒って、すごい剣幕で市役所に電話をかけ始めました。
どういうことなんだ?なぜ事前に教えてくれなかったのか?今ジョージアに違法滞在している日本人なんて存在しないはずだ。
様々な方法で役所に問いただしますが、役所は書類が無いと受け付けることは出来ないとの一点張り。
僕は僕で在ジョージア日本大使館へアプローチを始めました。
最初に電話したときは担当の方が不在だったのですが、10分ほどして日本人の担当の方から折り返し電話をいただき、相談に乗っていただけました。
教えていただけた解決策は以下2つ


・ジョージアに滞在してるという旨の書類を出すことは出来るが日本語になるので、それがどうしても必要というなら、大使館で発行した書類をジョージア語に翻訳する必要がある。
・今現在ジョージアに滞在している日本人で違法に滞在しているという人は、形式上存在し得ないので、その旨を日本大使館のジョージア人が直接窓口の人に説明する。


上の選択肢だと時間がかかりそうだし、役所の窓口というものは担当の人のさじ加減によって割と対応が変わったりもするので、今度は“大使館へのテレフォン”というライフラインを携え、口がたつお姉さんのナノさんと一緒に再び役所へ乗り込む(向かう)こととなりました。

ちなみに彼女の家から役所まで、車で20分ほどかかるのですが隣に住んでいるおばさんが何度も送迎をしてくれて、こういうご近所同士の助け合いみたいな世界観も、僕がジョージアを気に入っている理由の一つです。
経済的にみれば日本より裕福でないのは確かですが、精神的に豊かな人がこちらには多いように感じます。

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 ここまで読んでいただきありがとうございます。
これ以降はその後どうなっていったか、そしてジョージアの結婚パーティーの様子を写真で紹介しています。
通常ご祝儀って3万円するらしいので、3千円はお買い得ですよ!w
冗談は置いておいて、スキやシェアをして頂けるだけでも、励みになりますのでよろしくお願いいたします。。
もしご祝儀をいただけましたら、コロナで家族全員が職を失ったにも関わらず、今回素敵なパーティーを開いていただいたお礼に、向こうの家族と親戚をどこかレストランに招待できればと考えています!

では続きをどうぞ

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