なろう全然知らないオタク女がなろうアニメを観る【#魔王学院】
こんにちは、オタクです。
初めて視聴したなろう系アニメ『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!(略称:超余裕!)』から、なろうへの向き合い方を学んだ前回。
最終局面で登場した核ミサイル級の魔法と、まごうことなき報復核攻撃は、私の中にかすかに残った羞恥、迷い、いいトシしてこんなもんみるなと叫ぶ正気ごと屠り去ってくれたのでした。
さあ、次は何を観ようかな?
そうだ!
「さすおに」を観よう!
正式名称は何だったかな……? ナントカ学校の不良生徒? っぽい感じだから、それっぽい単語を入れればヒットするよね。
…………。
よし、きっとこれだ!
~♪
(10分後)
ほーん、こんな感じの話なんだ。
~♪
(20分後)
妹キャラ出てこなくない?
~♪
(2話目)
ていうかこれ本当にお兄様?
………………。
このひと、誰?
『魔王学院の不適合者』を観た
全然違うアニメでした。
奇しくも1回目の記事で「タイトルの区別がつかない」と立てていたフラグを回収した形になりました。
両作品に対して、大変失礼な勘違いをしていました。ごめんなさい。
ただ、中身は「さすおにを極めに極めたやつ」ともっぱらの評判なので、初心者が取り違えてしまうのも無理からぬことかもしれません。
【あらすじ】
めちゃつよ魔王アノス様が2000年の時を経て転生して、子孫が設立した魔王学院に通うことに!
2000年前も最強だったけど、現代は魔族も人間も日和ってるからさらに無双!
でも歴史に残る魔王の名前は、なぜか別人の名前に改竄されていて……!?
ちなみになんで不適合者なのかっていうと、日和った現代では魔力が規格外すぎて測定不能のアレ。
【視聴直後の印象】
先鋭化された俺TUEEEEEと美少女即堕ち。あと、ゆるふわゼロレクイエムを魔王様の力技で大団円に持ってった案外王道なアニメ。
みんな、『コードギアス』に影響受けすぎでは?
『超余裕!』に続いて『魔王学院』にもギアスの因子を感じて驚きました。
私にとっての厨二病といえば『月姫』『Fate/stay night』なのに、もう誰もクソ長い詠唱とかしてない。「――体は剣でできている」とか言ってない。
もはや厨二病といえばギアスの時代なのですね……そしてこの情報も4~5年前なので、2023年現在は私の知らない新たな厨二病が蔓延しているのでしょう……。
『魔王学院』の良いところ
(1)振り切れた俺TUEEEEE
あっぱれ。
ここまでやられて「このノリ寒いわw」とか言うほうが無粋というものです。
誰が何をしても敵わない圧倒的なチカラ!
1ミリも崩れない眉毛の角度! 不敵な微笑み!
女の子は当然即堕ち!
ファンユニオン結成! 応援歌もあるよ!
唯一対等になりえる勇者も魔王に好意的でべた褒め!
噛ませの雑魚以外アノスを否定する者はなく、アノスを脅かす者はない、まさに完璧なユートピア!!
『魔王学院』が安心して視聴できるのは、アノスが何をしても負けないからというよりも、俺TUEEEEEを貫くというコンセプトがしっかり示されたからだと思います。
日和らずに「俺か、俺以外か」の精神で走り続けたからこそのすがすがしさ。
アノスも始終ドヤってるんですが、強い力をふるっても極力命は奪わない。(殺して蘇生させるのをノーカンとするならば)
「平和を望んで犠牲になった魔王」というキャラクター設定がブレずに描かれていてよかったです。
(2)王道の二部構成ストーリー
前半は双子のヒロイン・ミーシャとサーシャの因縁と和解劇。
後半は同じく転生した勇者の行方と、魔王を騙る謎の人物の正体に迫る二部構成になっています。
王道な内容ですが、キャラクターの心理描写は丁寧。(即堕ちは置いておいて)
キャラクターの心情の移り変わり、なぜこのキャラはこんな行動をするのか? に対するアンサーがちゃんと用意されていて、引っかかるような展開が一度もなかったのが嬉しい。
極端な俺TUEEEによるご都合展開さえ除けば、キャラに突飛さがないんですよね。
勇者の苦悩あるあるナンバー3に入る「本当の敵は魔王ではなく、弱く矮小な人間」なんて、もう何十回見たかわかんない。
でも、そのあるあるがなければ画竜点睛を欠く。
こういうのでいいんだよを地でいくストーリーのおかげで、最後までテンポよく楽しめました。
『魔王学院』の残念なところ
特に見当たらない。
『超余裕!』に引き続き、そもそもダメな人にとっては全部ダメだから。
まぁ……これを言っちゃおしまいだけど、さすがに女の子たちがチョロすぎるかな……?
特にサーシャなんて「美しい瞳だ」とか言われただけでコロッといったからね。
なんならヒロインよりも勇者のほうが、アノスと強い絆で結ばれてますアピールしてない?
勇者がもし女の子に転生していたら全ヒロインをくってたと思うから、イケメンに転生したのは正解だったのかも。別の需要が生まれてそうだけど。
まとめ
こんなにもイキり散らしているのに不思議と腹が立たず、しらけることもなく、なんかもう「アノス様ならしゃーない」で済ませられた自分に驚きました。
結局アノスが最強な時点で全部茶番にしかならないのに、こんなふうに思えたのはひとえにアノス様の突き抜けたTUEEEEEのおかげです。
どんな荒唐無稽な話でも、それを貫き通す姿勢こそが大事なのだと改めて実感しました。