フラッパースタイルがクールな令嬢探偵ミス・フィッシャーが小説でも日本上陸!……で、〝フラッパー〟ってなに?
ひそかに世界中の女性たちの胸を熱くしている「ミス・フィッシャー」、みなさんご存じですか?
日本でもNetflixでドラマ「ミス・フィッシャーの殺人ミステリー」が放送され人気でしたが表の顔は男爵令嬢。裏の顔は腕利き名探偵!の主人公フライニー・フィッシャーがさまざまな事件を解決していくシリーズ。今年ついに映画化もされましたが、そのシリーズ第1弾となる小説『令嬢探偵ミス・フィッシャー 華麗なる最初の事件』が、いよいよmirabooksから発売です!
フライニーの魅力はなんといっても、そのワンダー・ウーマンっぷり。「令嬢」と言っても清楚で慎ましやかな……というタイプではなく、堂々とした物言いに、世間の目を気にせず好きな服を着てオシャレをし、自由を満喫する姿はなんともかっこいい。
そんな「フラッパースタイル」が彼女の人気の理由でもあるのです。
といっても、「フラッパー」とはいったい何なのか。
そこで今日は「フラッパーとはなんぞや」の声に勝手にお答えしてみます。
フラッパー(英:Flapper)
フラッパーとは1920年代に欧米を中心に台頭した、新しいファッションやライフスタイルを好む若い女性のこと。
「フラッパー」という言葉には「おてんば」「奔放」といった意味もあり、
いわゆる従来の常識にとらわれない生き方を謳歌した女性たちです。日本でも、松たか子さん主演の音楽劇『もっと泣いてよフラッパー』などありましたね。
ジャズを好み、パイプをくゆらし、お酒を楽しみ。なかでも特徴的なのが、いままで女性たちが着ていたドレスや髪型にお化粧とは大いに異なるその装いです。
■髪型
それまで「女性の髪型」といえばロングヘアが王道だったのですがフラッパースタイルではスタイリッシュな短めのボブが人気。ストレートボブ。「イートンカレッジの少年たちの髪型」から流行したイートンクロップ。などなど。フライニーのまっすぐな黒髪ボブも、彼女のトレードマークと言えます。
■ヘアアクセサリー
シンプルな髪型にヘアアクセサリーを合わせるのもフラッパーの得意わざ。
帽子はキャスケットや、釣り鐘型のクローシェ。頭にフィットしたヘアキャップなど。
それに羽根飾りや花飾り、刺繍をほどこしたヘアバンドも人気です。
ドラマ版フライニーも黒髪ボブに映えるヘアアクセサリーで、思いきりオシャレを満喫しています。
■ドレス
フラッパーの服の特徴は胸元やウエストラインを強調しない、ストンとまっすぐなチューブラーシルエット。
これまで女性の体を締めつけていたコルセットからの脱却でもあったようです。
襟や袖のないタンクトップ/ノースリーブで腕はむき出しに、
スカート丈は膝より上が多く、脚線美を強調するこのスタイルも従来の常識とは異なるものでした。
いま見てもかわいいですよね。
ドラマ「ミス・フィッシャーの殺人ミステリー」は当時のファッションを再現したことでも人気を博し、
その映像美にうっとりする女性が多数。小説のなかでもこんな具合に、文字からその姿が目に浮かぶようです。
〝天気予報によればよく晴れて穏やかな日になるということだから、〈シャネル〉のシルクニットのベージュのトップス、それに真っ赤なコートとスカートを合わせようかと思ったけれど、けっきょくはコットンピケ生地で襟に白いパイピングの入った、すてきな紺色のセーラーワンピースに決めた。ウエストは腰より下の位置で、十五センチ丈のプリーツスカートがついている。〟(本文より)
〝完璧に黒くて完璧にストレートな髪に念入りにブラシをかけた。さらさらでつやのある短めのボブで、うなじと額の大部分がむきだしになっている。紺色のかぎ針編みの帽子をかぶり、長年の訓練によるたくみさで眉を描き、コール墨の鉛筆で灰緑色の目に細くアイライナーを引いて、薄くルージュを塗り、パウダーをはたいた。〟(本文より)
ワンダー・ウーマンぶりが爽快なミス・フィッシャー。
その装いやフラッパースタイルにも注目しながら、彼女の名推理をぜひ楽しんでみてください!
さて。彼女が挑む最初の事件は――
お茶と銃を片手に名推理――
最強のお嬢様探偵、ここに誕生。
人気ドラマ原作、シリーズ開幕!
英国の男爵令嬢フライニーは上流社会の暮らしに退屈していた。そんな折、晩餐会でちょっとした盗難騒ぎを解決してみせた彼女は、その洞察力を見込まれ大佐夫妻に頼み事をされる。異国に嫁いだ娘の体調がおかしく、夫に毒でも盛られているのではないか、真相を確かめてきてほしいと言うのだ。
二つ返事で引き受けたフライニーはメルボルン社交界に潜入するが、事情を探るうちとんでもない大事件に巻き込まれていき……。
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