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レオナルド・ディカプリオがライブに来た話

アメリカ南部、ルイジアナ州ニューオリンズ在住(この冬で10年目突入!)
トロンボーンの菊池ハルカです。

今まで、Jugemさんというところで、長年(大学在学中より)日本語のブログを書いていたのですが、日本の携帯電話でないためにアプリが更新できず、結果的にブログも更新できなくなってしまったので、今まで読む専門でしたnoteさんに引っ越しました。

お久しぶりの方も、初めましての方も、よろしくお願いします。
こちらは、日本人の方向けに記事を書いていきたいと思っていますので、人名はほとんどカタカナ表記にしました。読みにくい、などのご意見ありましたら、お知らせください。

さて、記念すべき?第一号の記事は、もうこれと決めていました!

「ディカプリオがライブに来た話」

2022年4月8日金曜日の話。

パンデミックが落ち着いてライブが戻ってきたあたりから、金曜日はほぼ毎週、ニューオリンズの老舗ライブハウス
プリザベーション・ホールという場所で、演奏に参加しています。
リーダーは、トランペットのマーク・ブロード。
(プリザベーションホールでの活躍はもちろん、ハリー・コニック・ジュニアのバンドにも参加していた、素晴らしいミュージシャンです!)

この日のライブ開始直前に、別のバンドで一緒の友達のジュリーちゃんから、テキストメッセージ!

「今日、ハルカのライブにレオナルド・ディカプリオが行くって噂だよ!」

OMG!(オーマイガー!)

「さっき、スタッフのレベッカに聞いたんだけど、
 ラストセット(この頃、3セット入れ替え制でした)に行くって!」

プリザベーションホールは、
セレブの方や有名人の方もよく来ます。
でも、私がアメリカの有名人をよくわかっていないので、どなただったのかわからないことも多々あります。
(3月11日には、俳優のアンディ・ガルシアが来ていました。
 私は、挨拶もお話もさせてもらったのですが、
 彼が帰った後に、ようやく何者だったのか判明しました。。。)

だから今回も、ジュリーちゃんからのメッセージがなければ、ディカプリオだと気が付かなかったかも?

できれば、出かける前に知りたかった。。。おしゃれしたのに!←

すぐさま、メンバーに報告!
だがしかし、みんなは私ほどは驚かない。

「前にもきたことあるよね?写真撮ったことあるよ」

WHAT!?(なんだって!?)

少なくとも、私の世代(1986年生まれ)では、
最も有名なアメリカ人の一人だと思います、レオナルド・ディカプリオ!
特別なファンじゃなくても、顔と名前が一致しますよね?

ソワソワしながら、最終セットを迎えると。。。

なんと、その日メンバーじゃなかったミュージシャンも、噂を聞きつけて3人ほどやってきた。笑
(音楽監督のベン・ジャフェ、
 いつの間にか人気インスタグラマーになっているギタリスト、ジョシュア・スタックマン、
 それに、現役最高齢90歳になったサックス奏者、チャーリー・ガブリエル)

大所帯の、まるでビッグバンド状態で最終セットのスタート。

通常、有名人が、何人かのグループで来た場合、
彼らのために貸切公演にすることも多いのですが、
この時はディカプリオ、キャップとマスクをして、
(この時期はまだ、プリザベーションホール室内ではマスク着用が一般的でした。)数列目の席に、普通に一般のお客さんに混じっておりました。
この日はほぼ満席(立見含む)でしたが、周りのお客さん、誰一人としてこのセレブの存在に気がついていませんでした。

さすが名俳優!!

(私は、気づいてしまった瞬間から、めちゃくちゃ緊張していました。)

無事にライブも終わり、
ディカプリオ御一行(11人くらいのグループ)は、
楽屋にもなっている裏庭の特設バーでご歓談。

私は、メンバーで唯一のアジア人であることが多いので、
「どこ出身なの?」
と、声をかけてもらうことも多いのですが、
この日も、楽屋に戻る途中、彼のガールフレンドらしき女性に声かけてもらいました。

「えー?日本出身なの?私日本大スキー!」

初対面の方との会話の90%くらいは、大抵決まってこういう会話なので、質問されそうなことは事前に答える癖のついている私。

「高校生の時に、最初に出会ったジャズの先生が古いジャズをやっていたので、
 その時にニューオリンズの存在を知りました。
   大学を卒業後、念願叶って引っ越して、
 今こうして演奏させてもらってます!」

隣で聞いていたディカプリオ、

「じゃぁ夢が叶ったってことだね、よかったね!おめでとう!」

!!!
なぜだろう、素直に嬉しい!!!涙 

ありがとうございます。一生忘れません。

しかし、その後、さらに衝撃的な一言がレオ様の口から飛び出す。
後から戻ってきた、リーダーのマークに対して

「久しぶり!いやぁ、Sugar Bluesよかったよ、あの曲好きなんだよねぇ」

!!!!!!
なに!?!?!?

古いニューオリンズジャズに詳しいのか、
好きなのか、単なる博識なのか、
とにかく、間違いなく、

2022年最も驚いたこと=「レオナルド・ディカプリオはSugar Bluesがお好き!」

に決定しました!

Sugar Blues 1919年 クラレンス・ウィリアムス作曲

レオ様(トラッドジャズファンということも含めて、すっかりファンになりました!)は、コロナ禍以前も、よくルシアン・バーバリンのライブに来ていたそうです。(ルシアンは、ニューオリンズ出身のトロンボーン奏者。2020年初めに、癌で亡くなっています。)

私が今やらせてもらっている仕事、実はほとんどがルシアンが生前やっていた仕事です。
大変ありがたいことで、彼の「トラ」を勤めさせてもらっている、という意識は常にあり、そして、ことあるごとに、彼の素晴らしさを噛み締めています。


余談:
2019年、ロックバンドのQUEENがニューオリンズに来た際、ブライアン・メイは、お忍びで夜のライブハウスをハングアウトしていました。
その時立ち寄ったライブハウスの一つが、フレンチメン通りにある「スポテッド・キャット」というお店で、ちょうどその時は、スモーキング・タイム・
ジャズ・クラブという友達のバンドが演奏していました。

トランペットのジャックに、ブライアン・メイが来たらしいけど、どうだった?と聞いたところ、

「彼は2曲リクエストがあって、
 一つはBasin Street Blues、そしてもうひとつは初期デューク・エリントンのThe Moocheだったよ。」

!!!

「まぁ、60年代とか70年代のロックミュージシャンって、いろんなジャンルの曲知ってるからねぇ」

!!!!!!
その話聞いて、驚いているのが私だけ、というのもさらに驚きでした…!

一応音楽ブログということで、
話題に出た曲のおすすめYoutube、貼っておきますね。

Basin Street Blues 1928年 スペンサー・ウィリアムス作曲

The Mooche 1928年 デューク・エリントン、アーヴィング・ミルズ共作

それでは、また次回!ニューオリンズのリアルな裏話、お楽しみに!
ジャズ発祥の地ニューオリンズより、トロンボーンの菊池ハルカの初noteでした :)

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