地域と移住と多拠点生活を考える
今、地方では「移住」とか「定住」といったキーワードが流行っているようだ。空き家をリノベして、外からの若年層を誘い込もうとあの手この手を繰り出しているそれ。
では地元民という目線で、移住を少し考えてみた。
地元の人にしてみたら、人口が増えるよりもコミュニティーによそ者が入ってくることが怖い、というか邪魔なのかもしれない。その実例が
上の記事になる。ゴミが出せない。ここ大事な話で、実は僕が運営しているコミュニティースペースも地区のごみ集積所が軒先にあるにも関わらず、ゴミが出せない。理由は記事の通り「町内会に所属していないから」である。つまりは公共のサービスが受けられないのだ。これは正直困っている。で、話し合いの場も持てないでいる。
そしてこれも実例だ。正直、日本人は人口の流動性が低い民族だから、やたらと地元や地域にこだわりが強い。「お前は地元じゃないから」「お前の出身地はどこや」などなど、罵詈雑言は果てしなく続く。そしてなぜそこまで毛嫌いするかというと、つまりは怖いからなんだと思う。
地域のコミュニティーは本当に小さい。小さい故に名士と呼ばれる人が少なからず一人はいる。その名士が首を立てに振らないかぎり、よそ者はいつまで経ってもよそ者。また、そこから他所へ出ていった者は「他所へ行った子」なのだ。
この様な地域のなにがしらは高齢者に多い。僕の事務所でも住んでいる団地ですらこの傾向がある。いわゆる老害ってやつだ。で、老害と気づいてないのだから、たちが悪い。悪い人ではないのだが、毛嫌いしていると気配で感じる。事務所で夜遅くまで打ち合わせや、仲間内の飲み会なんてやってると苦情こそこないが、遠回りで文句が入るのだ。
アドレスホッパーという生き方をする若者が増えてきた中、地方移住なんてのは、結構幻想なのかもしれない。地方には魔物が住む、これは間違いない。もし老害共に影響を受けないようにビジネスを展開するのなら、大企業と組んでどこで仕事してもやっていけるだけのスキルを付け、いつ、どこで仕事しても十分な収入を確保して、やり抜くことだと、この一年痛感したのだ。