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『ファミレスで語る主婦会議は世界を救う』第一話

思いもよらぬところから新しいアイデアは生まれて来る。
会社の喫煙所や、ファミレスの主婦会議、SNSなど情報交流会は日々行われています。
誰かの悪口や自慢話ばかりではなく、その談笑から世界を変えるようなポジティブ思考回路が増えていくことを願っています。
ストレス発散場所から世界を救いましょう!

#LimitlessCreations


「エコバッグじゃ足りないの?」


日曜日の午後、柔らかい日差しがファミリーレストランの窓から差し込み、店内はどこか和やかな雰囲気に包まれていた。

席を予約することもなく、当たり前のように奥のテーブルを確保する4人の主婦たち。
いつもの場所、いつものメンバー。
だが、今日は少し違う。
主婦たちは、地球を救うための「作戦会議」を開いていた。

リーダー格の由美が深くため息をつきながら、飲みかけのアイスティーをテーブルに戻す。
「ねえ、みんな、本当にこれでいいのかしら。
エコバッグ持って、ゴミを分別して、それで地球が救えると思う?」

由美の言葉に、他の3人は一瞬顔を見合わせた。
確かに、それぞれが少しずつエコな生活を心がけていたが、効果の実感はない。

「うーん、分かるわ、その気持ち。
でもさ、私たちがやらないと、誰がやるのよ?」節子がそう言いながらも、どこか不安げだ。

「そうよね。でも、ちょっと頑張ったところで、どうせ他の人は何も変えないし。」
美佐は、肩をすくめながらコーヒーカップを回していた。

そこへ、静かに話を聞いていた環がスマホを取り出した。
「ちょっと待って。これ、見てみて。」

3人はスマホの画面に目を向ける。
そこには、主婦たちが中心となって立ち上げた小さなエコ活動が、地域全体を巻き込み、最終的には行政まで動かしたというニュースが映し出されていた。

「これ、本当に?」由美が驚きの声を上げる。

環は静かにうなずいた。
「これ、私たちと変わらない普通の主婦たちがやったのよ。
彼女たちは、ただ毎日の買い物や子育ての中で『何かできないか』って考えたの。
最初は小さなゴミ拾いから始まったけど、次第に地域全体が動いて、今では市が主導するエコプロジェクトにまで発展している。」

節子が感嘆の声を漏らした。
「すごいわ…でも、どうして彼女たちはそんなにうまくいったの?」

環は再び画面を指しながら説明する。
「鍵は一つよ。『楽しんでやること』。
彼女たちは強制感をなくして、イベント形式でゴミ拾いをしたり、地元の野菜を使った料理教室を開いたりして、みんなが参加しやすい形にしたの。それがポイントなんじゃないかしら。」

「なるほど、強制じゃなくて、自然とやりたくなる環境を作るのね。」
由美が興味深そうに呟く。

「それなら、私たちも試してみようよ!」
美佐が声を弾ませた。
「例えば、町内会の集まりで、エコイベントとかどう?」

「それいいわね。例えば、家庭で出る食品ロスを減らすために、余った食材で簡単にできるレシピをみんなでシェアするとか。」節子が提案する。

「それに、今やってるエコバッグのことだって、もっと大きく広げてみるのはどう?」と、由美が続ける。
「私たちが手作りのエコバッグを作って、それを販売して、その売り上げを地域の環境活動に寄付するの。」

「いいわね!それなら楽しそうだし、みんなにも協力してもらえそう。」環が笑顔で応じる。

「じゃあ、まずは具体的な計画を立ててみようか。
どうせ私たち、毎週ここに集まるんだから、少しずつ進めていこうよ。」
由美は再び腕を組み、少しずつ具体案が形になり始めるのを感じていた。

こうして、何気ない会話の中から始まったこの「主婦会議」。
彼女たちは、自分たちの日常の中にある「小さな力」が、実は世界を変える力に繋がることをまだ実感していない。
ただ一つ確かなのは、次の町内会の集まりで、その第一歩を踏み出すことになるだろう。

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#世界を救う

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