『虚構の光、フォロワーの影』第二話
この作品はSNSに蔓延るお金配布に興味を持ち、
そこに群がるフォロワーに紛れて体験してみたことをヒントにAIに想像させて作りました。
フォロワー集めや、別のプラットフォームへの誘導を促し、アフィリエイトで稼ぐ仕組み。
グレーだけど素晴らしいなぁと思ってネタにしました。
しかし、一つ間違えると恐いので気をつけてね。
そんなお話しです。
夜が明け、咲希(さき)は重いまぶたをゆっくりと開けた。昨夜は夜通し遊び、帰宅したのは明け方だった。頭がぼんやりとする中、スマホを手に取りメッセージを確認する。
そこには、例の「お金配布」企画に関するフォロワーたちのコメントやメッセージが山のように届いていた。
「当たった人っているんですか?」
「本当に配ってるんですか?」と、少しずつ疑念が入り混じった言葉も見受けられる。
それでも咲希は、気に留めることなく手早くそれらを無視し、適当に対応するだけだった。
だが、LINEを開いた瞬間、昨夜の遊び相手であり、ビジネスパートナーの奈々(なな)からのメッセージに目が留まる。
「見た?昨日のメッセージのことだけど、ちょっと変なことが起きてる」
奈々が言っていたのは、昨夜に届いた「偽りの幸せで人を欺く報いは近い」という不気味なメッセージのことだった。
最初はただの嫌がらせだと笑い飛ばしていた咲希も、今朝になって不安を感じ始めていた。
咲希が返信を打とうとした瞬間、新たな通知が届いた。それは奈々からのものではなく、ある匿名のアカウントからのDMだった。
「次は君の番だ。覚悟はできているか?」
一瞬で咲希の背中に冷や汗が伝わる。
メッセージはたった一言だが、その裏に隠された圧力がズシリと響いた。
咲希は心臓の鼓動が早くなるのを感じながら、スマホを強く握りしめた。
「これって、ただの悪戯だよね?」と自分に言い聞かせるが、頭から不安が離れない。
不安を抱えたまま、咲希は奈々と連絡を取り合い、急いで都内のカフェで待ち合わせをした。
カフェのテラス席で向かい合った二人は、顔には普段の余裕などなく、ただひたすら緊張が漂っていた。
「奈々、私も同じようなメッセージが来たの。
これって、一体どういうこと?」
奈々は不安げに唇を噛みしめ、テーブルに置かれたスマホを見つめる。
彼女もまた、昨夜から自宅に謎の手紙が届けられており、そこには彼女が行ってきたフィッシング手口の詳細が書かれていたのだ。
「誰かが私たちを監視している…それもかなり詳しく」
二人は一瞬顔を見合わせ、息を飲んだ。
これまで成功を収めてきた詐欺の手口が、何者かにすべて把握されているとは考えてもみなかった。
二人が感じる不安は、もはや一時的な悪戯の範疇を超えていた。
すると、突然、咲希のスマホが鳴り響いた。
画面には「非通知」の表示。
彼女は一瞬ためらったが、奈々が促すように頷いたため、思い切って通話ボタンを押した。
「こんにちは、咲希さん。お楽しみの最中、申し訳ありませんね」
電話の相手は穏やかで冷静な男性の声だったが、その口調の中には不気味な響きがあった。咲希は息を呑み、返事が出てこない。
「あなた方の行動、すべて見させてもらっています。もうすぐ、全員があなたの本当の姿を知ることになるでしょう」
その言葉に、咲希は体が凍りついた。
通話は一瞬で切れ、耳元には静寂が戻ってきたが、その静寂がかえって彼女を追い詰めているように感じられた。
奈々も動揺を隠せない。
「咲希、これ、どうするべき?
このままじゃ、私たち…」
二人は急いで方法を考えるが、誰が何を知っているのかがわからず、ただ恐怖に押しつぶされるだけだった。
咲希はしばらく黙り込み、そして決意を固めたように奈々に言った。
「もう一度お金配布の動画を出して、フォロワーをさらに増やすしかない。私たちの存在を強化するのよ。
もし私たちがただの噂に負けるような小物だと見られたら、終わりよ」
だがその決意の裏には、どこか焦りが隠れていた。次の配信では、一層派手に、そして「本物の当選者」を発表することで信頼性を高めることにした。フォロワーの疑念を払拭し、不安を押し隠すための行動だ。
しかし、その夜、二人が公開した配信動画には奇妙なコメントが次々と届いた。
「偽りの光の末路が見たい」
「この詐欺師たち、いつまでやるつもり?」
まるで誰かが意図的に彼女たちを監視し、世間に警告を発しているかのようだった。
奈々がコメントを削除しようとすると、すでに次々と同じ内容のコメントが大量に投稿され続けていた。
何者かが彼女たちを追い詰めている。
二人はその誰かの正体を知ることなく、ただ不安と恐怖の渦に巻き込まれていく。
# Limitless Creations