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見えない愛の値段 第6話

「本当の愛を探して」

玲子は再び独りに戻った。何度も騙され、裏切られ、それでも心のどこかで愛を求めてしまう自分が哀れでならなかった。

「何をやっているのかしら、私…」

窓際のソファに腰掛け、玲子はかすかな声で自分に問いかける。南青山のマンションの一室、広々としたリビングには、玲子のほかに誰もいない。これまでたくさんの男たちがこの部屋を訪れ、彼女の孤独を一時的に癒していったが、彼らは決して彼女の「心」に触れようとはしなかった。

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