『無知の代償』第四話
この作品は、TikTokの高額ギフトを投げられたライバー達への注意喚起として作りました。
過去にもアフィリエイトやFXでお金のあり方に無知なまま、高額なお金を手にした主婦や若者たちが納税忘れで脱税として痛い目をみています。
まぁ、気をつけましょう!ってことで。
こっそりと、この件に目をつけていた税務署の方々にはご迷惑をお掛けします。
何卒、お許しください。
#LimitlessCreations
『虚構の光』
美月(みづき)は、煌びやかなライブバトルを経てさらに注目を集め、今やTikTok内で知らぬ者はいない存在となっていた。
彼女の配信は日に日に盛り上がり、視聴者数は安定して5,000人を超えるようになっていた。
だが、その成功には代償が伴っていた。
注目を浴びる喜びは、美月の心にさらなる渇望と不安を生んでいたのだ。
ある夜、美月はベッドに横たわりながらスマホを見つめていた。
煌とのバトル以来、彼女のフォロワーは急増していたが、その分、期待も高まり続けていた。
「次はどうやって視聴者を喜ばせればいい?」
その問いが頭の中で何度も反響した。
彼女はもう、一度成功しただけでは満足できない自分に気づいていた。
美月はスマホの通知音に反応し、メッセージを開くと、そこには「もっと過激な配信が見たい」とのリクエストが複数並んでいた。
胸に不安が広がったが、同時に心の奥に潜む
「もっと注目を集めたい」という声がそれをかき消した。
彼女は唇を噛み締めながら、次の配信の内容を練り始めた。
「今日は特別なライブをするよ!」と美月は告げた。
視聴者たちは興奮し、コメント欄には「何が始まるの?」「美月ちゃんのスペシャル楽しみ!」という声が溢れた。
美月は鏡に映る自分の姿を見つめ、コスプレの衣装を整えた。
それはいつもよりも挑発的で、彼女自身も一瞬ためらいを覚えるほどだったが、視聴者の期待と自身の内なる欲望がその一瞬の躊躇を吹き飛ばした。
ライブが始まると、視聴者数は瞬く間に跳ね上がり、同時接続者数は7,000人を超えた。
「みんな、今日は特別な夜だからね。」
美月は大胆なポーズを取り、視聴者を釘付けにした。
コメント欄は熱狂の渦と化し、投げ銭の嵐がスマホの画面を照らした。
心の中で美月は勝利を確信し、自分がまるでステージの上で光を浴びているかのように感じた。
しかし、その夜、美月の元に一通のメッセージが届いた。
内容は匿名の視聴者からで、「君の配信、注目されてるよ。でも、それがいつまでも続くと思う?」とだけ書かれていた。
心臓が凍りつくような感覚に襲われたが、彼女はすぐにその不安を無視し、通知を削除した。
「私が注目されないなんて、ありえない。」自分に言い聞かせ、また次の配信へと心を向けた。
次第に、美月は自分を飾るために多額の投資をするようになった。
新しいコスプレ衣装、豪華なセット、特注の背景デザイン。
視聴者たちは彼女の見せる新しい演出に夢中になり、ますます美月を求めた。
だがその一方で、生活費も豪華な出費に圧迫され、投げ銭の収益も一度下がればすぐに不安に駆られるようになった。
ライブを重ねるごとに、美月の心は高揚と不安の間を行き来し、夜が明ける頃には身体の疲労と心の空虚さに打ちひしがれることも増えていった。それでも彼女は止まれなかった。
煌びやかな舞台で、視聴者に愛される自分こそが、本当の自分であると思い込むようになっていた。
その夜、美月は再びライブの準備をしながら、窓の外の夜空を見上げた。
「私は誰のために、ここまでやっているんだろう?」
問いは彼女の心の奥底で響き、消えていった。
#LimitlessCreations