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2018年センター試験の『ムーミン問題』

2018年の直後掛けめぐった疑問。ムーミンの舞台はフィンランドなのかという設問が出て、物議を醸したことをまとめておきます。地理Bの問題です。

これに関して、

●日本人受験生の反応は、

「アタック25の問題か?」「分かる訳がない」などと炎上した。

●フィンランド人の反応は、

「ムーミンの舞台はムーミン谷ではないでしょうか?ムーミンには山が出てきますが、フィンランドに山という山はないので、、ナウシカの舞台が日本ですか?と聞かれて、はいと答えられますか?ナウシカの舞台は、風の谷でしょう」

●フィンランド大使館の反応は、

「ムーミン谷はきっとみんなの心の中にあるのかな」とツイート

●そこへ、スウェーデン語専門家が突っ込んで来て、

大阪大大学院のスウェーデン語研究室は15日、「原作ではムーミンの舞台はフィンランドとは断定できない」と疑問視する見解を明らかにした。古谷大輔准教授(北欧史)は「センター試験の社会的信用を維持するためにも根拠を示してほしい」と話し、舞台の国を特定した根拠の説明を求める意見書を近く同センターに提出する。

●スウェーデン大使館のフェイスブックには、

「ムーミン谷のモデルになったのは、ヤンソン一家が夏の日々を過ごしたスウェーデン群島にあるブリード島です」とある

私は冒頭のフィンランド人の指摘が心に響いて、確かにムーミンの舞台はムーミン谷であって、フィンランドとは言えないな~(谷もないし)というのが正直な感想です。ただ、問題を良く読み直してみると、

「3つの文化の共通性と言語の特性を調べた」とある。北欧の中で、フィンはウラル語族のフィンランド語だけ非常に特殊で、それ以外のノルウェー、スウェーデン、デンマークは北ゲルマン語族で似ている。

つまり、例題のスエーデン語と示されているのに近しい上部が、ノルウェー語かフィンランド語の二択であると、その言語が知らずとも、ノルウェー語であることが導き出される。

イラスト部分ですが、ビッケが明らかにヴァイキングなので、ノルウェーかフィンランドかと聞かれると、ノルウェーが導き出される。

ということから、一部から地理の問題ではない(言語の問題、文学の問題という意見もありましたが)地理の問題として相応しくないとは言いにくいと思います。

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