富士箱根伊豆国立公園へ 森へ行く日
今回、さまざまなちょっとした出来事から自分の中にあった思い込みとか制限、固定観念のようなものが外れていきました。
東京の豊洲でチームラボプラネッツで光のデジタルアートを体験した次の日27日は娘の好きな彫刻家・船越桂氏の展覧会へ行こうってことで、神奈川県まで車を走らせました。
少し前に、この展覧会行きたいと娘から言われていたのですが、我が家からバスや電車乗り継いで片道3時間ぐらいだったので、ちょっと遠いから一緒には行けないかもと思っていました。 しかし、予定していた名古屋と大阪へ行けなくなったので、代わりにどこか行きたいねということになり、ちょっと遠いけど、早起きして行けば、日帰りでなんとかなるかも、じゃぁ、行ってみようかと急遽車で行くことになりました。最初地図アプリのナビが最も早いルートと示した道は住宅街の中をなぜか行くルートで分かりにくくて、本当にたどり着くのかぁ〜って感じで到着するまでドキドキでした。
展覧会は彫刻の森美術館で開催されていました。名古屋に住んでいる時、彫刻の森美術館は学校の旅行で訪れたことがあり、おそらく小学生だったような気がしています。 バスでの旅行だったので、酔ってしまい辛くて全然楽しめなかったような、それでも、自然の中に大きなオブジェのような芸術品があったのは朧げながら覚えていました。今のような遊べるゾーンがあったのか覚えていないのですが、思い出すとつまらなかったなぁという印象しか浮かばなくて。。。多分、その時はつまらなかったのだと思います。いつも学校の団体旅行は苦手で、全く眠れないし、楽しかった〜という記憶があまりなくて、それが、今回行ってみたらすごく楽しくて、こんなに楽しめるところだったんだぁと楽しい記憶に書き換えられました。
もちろん私が行った頃よりも屋外での展示作品も増えていて、きっとその頃とはまた違う感じだとは思うのですが、思った以上に楽しく感じられて、自分でもびっくり〜いつもと違う非日常感も良かったです。
最初箱根にあるという認識がなぜか自分の中から抜け落ちていて、ナビに「彫刻の森美術館」と入れて、住所を見てなくて神奈川県にあるいうことだけは頭の中にあって、夫の運転で、しかも英語のナビだったので、どこまで行くのかな〜なんて思いながら乗ってて、途中で近づいてきてからあれ、もしかして美術館って箱根にある?ということに気づきました。 何もない森のような山の中にある美術館なのかなという認識だけで向かっていたんです(すごいおとぼけぶりに自分でも苦笑) 箱根湯本駅の前を通り過ぎた時、この周辺に泊まるという選択肢もあったなぁと思いました。他にも行ってみたい美術館がありましたし、温泉に入ってもよかったなぁと。旅行の計画をしていた時は猛暑が続いていたので、どこかへ旅行したいという気持ちが全然自分の中で湧いてこなくて名古屋や大阪行きも乗り気ではありませんでしたが、今回こういう流れになって、何事も楽しんだ方がいいなって感じました。
車での道中は毎回、不安でドキドキなのですが、車中から見える景色とか、ここの街はこんな雰囲気なんだと知ることができたりして、以前よりもだいぶ気楽にドライブを楽しめるようになってきました。乗り物全般に弱く苦手なため、車で出かけることに対しても消極的でしたが、今回のことで払拭できたというか、自然がたくさんあるところを走れるのも嬉しくて、片道約3時間近く、車に酔わないでしかも目を開けて起きて乗ってること、私にとっては人生で初めてのことだということに気づき、これってすごいことかもって改めて感じました。
乗り物に関しては毎回目を瞑っていないとしんどくなってしまうことが多く、それは地下鉄や電車を乗る時もそうで短時間だったら大丈夫ですが、長時間は酔ってしまったり疲れてしまうので、目を瞑っていないとダメだったりします。 車やバスも同じく。美術館までのくねくねした道もこれがバスだったらいつもだったら絶対酔ってしまいそうなルートなのですが、今回は大丈夫で、景色を見るのも楽しくてちょっとした旅気分を味わえました。車でこんなに楽しめたのは初めてで、自分でもすごいなぁ自分、よく頑張ったね〜と思いました。以前の自分だったら無理でしたから。今回ちょっと自信につながりました。世界が広がったというか、これで、車の旅もさらに楽しめるようになるかもしれないと。
精油の香りクンクンしながら今回も車に乗ってました。
あいにく天気があまりよくなくて今にも雨が降りそうな天気でした。早朝7時半ごろに出発して、10時半ちょっと前に到着し館内に入りました。
船越氏の展覧会は数年前東京の美術館でも開催されていたようですが、作品の展示のされ方が解放感があって、この彫刻の森の美術館の広いスペースにすごくあっていて、とってもよかったです。
美術雑誌で船越氏の特集が組まれていて、娘から作品は少し見せてもらっていたのですが、独特の雰囲気の世界観で最初はふうんって感じで雑誌の中の作品を見ていたんですが、実際に本物の作品を見たら、大きな作品で写真よりも素敵で、そして、なんていうかその雰囲気に包まれてうまく言葉では表現できませんけど、温かみも感じられると同時にその発想にも驚かされて(スフィンクスシリーズが不思議な感じ、なんか宇宙人みたい)、面白くて引き込まれました。アトリエも再現されていて、どうやって作業をしているのかその様子を動画で見ることができたのも良かったです。モデルは違うはずなのに、どの像もみんな雰囲気が似てました。
この美術館が今年55周年でその記念に、船越氏の展覧会をすることに決めて、去年の3月に依頼し企画が始まったそうなのですが、今年3月にご本人が逝去され、最期までこの展覧会の実現を望んだご本人とご遺族の意向を尊重して開催されたというのを知って、開催されるまでにはきっと色々な想いとか経緯があって大変な部分もあったのかもしれないと思うとじーんと泣けてきそうでした。家族への愛を感じる展示もあったのです。ご遺族の想いも詰まった展覧会のように感じられました。
そういう背景がある展覧会だったのですが、一緒に行った夫は果たしてどういう反応を示すか、普段芸術的なことにはあまり興味を示さない人なので、ひょっとしたら退屈〜というかもしれないと思っていたのですが、しっかり説明文も1つ1つ読んでいて、作品を丁寧に見ていて一緒に感動していたんです。これに一番驚きました(苦笑)
以前にも何回か美術館へ一緒に行ったことがありますが、いつもさぁ〜と見て終わっちゃうんです。じっくりは見ない。だから、きっと楽しんでもらえないかもと勝手に思っていました。印象派とか宗教画っぽいのは苦手だけれど、現代アートは意外に楽しめるんだということがわかって新たな発見でした。今回はすごく楽しんでいるのが伝わってきて、それが本当に嬉しくて一緒に鑑賞していて楽しかったです。昨日豊洲で刺激されて、アートに目覚めたのか。こんなに真剣に展示作品を見ている夫の姿を見るのは初めてでした。 娘も意外だね〜、良かったね〜と喜んでました。
館内にいる間、結構雨が降っていたのですが、野外で鑑賞する頃には雨が止んでいて、最初は傘なしで鑑賞できました。 途中また降ってきて傘を差しながらの鑑賞でしたが、そこまで雨もひどくなくてラッキーでした。 気温も下がっていたので、東京より涼しく感じました。ただ蒸し暑さはあって、結構湿度は高かったです。池?川?もあって、大きな鯉がいました。前日のチームラボプラネッツでデジタルアートの鯉を水の中で見ていたので、今度は本物の鯉が見れてなんだかそれも楽しい気持ちになりました。森の中にあるので、途中吊り橋のような揺れる橋がかかってるところもありました。一瞬美術館じゃなくて、山の中を歩いているようなハイキングしてる気分になりました。
山の地形を生かしてさまざまな作品が外に展示されており、あっちこっちに点在してるので、結構歩きました。奥の方には温泉の足湯コーナーがあって、雨が降ってるので、今回難しいかなと思っていたのですが、ちょうど私たちが足湯コーナーに行く頃には小降りになっていて、空いていたので夫が入ろう入ろうとなんだかめちゃくちゃ乗り気なので、思いきって入りました。若干ぬるめの設定でしたが、自然を目の前で見ながらの足湯は開放感があって気持ちよかったです。少し足の疲れが取れて軽くなった感じがしました。(たまたまタオル持っていてよかった〜)
どんな作品があるか知らずに行ったのも良かったです。時には調べないでいくことも大切かもしれません。
今はSNSで色々事前に知ることができて便利ではありますが、既に色々知った状態でいくと新鮮味に欠けてしまったり、切り抜きの一部を見て美化したり理想と期待を持ちすぎて、あれなんか違うってことがあります。
何も知らないからこそ、新鮮さと驚きがあってすごく楽しめたのかもと思いました。なので、今回は写真はあまり載せません。
ピカソコレクションの建物もあって、色々展示されていました。晩年のピカソが65歳を過ぎてから陶芸に打ち込み、子供のような作品が作りたいと思って取り組んでいた、子供の頃は大人顔負けの作品を描き、すごくなんでも上手にできてしまって、全然子供っぽい作品じゃなかったようです。 以前私は晩年のピカソの作品を見て、失礼ながら小学生でもできるような作品だなぁ、なぜこれがすごいのだろうと不思議に思っていました。でも、今回その謎が解けました。
純粋に子供のような気持ちで、作品を表現しようとしていたんだと。
実はすごく自由で発想が豊かな人だったのだなぁ、そこはすばらしいなぁと感じました。愛人がたくさんいたので、ちょっとあまりいいイメージがなかったのですが、そういう一面もあったのだと知って興味深く感じました。
船越桂氏がインスピレーションを受けたアーティストの作品も色々展示されていて、それもすごくユニークで面白かったです。
見どころが満載で通常の美術館の鑑賞よりだいぶお得感がありました。 ゆったり色々鑑賞できて、空間も広くて外には自然が広がってるので、都会の美術館で感じるのとはまた違う感覚で作品を鑑賞でき本当に行けてよかったです。楽しかった〜 こんなに満足な気持ちになった美術鑑賞は初めてかもってくらい今回はなんだかしあわせな気持ちになりました。家族みんなが楽しめていたからかもしれません。素敵な時間でした。
今回色々見れて、芸術家たちのさまざまな視点、世界があって、芸術家って本当にすごいなぁとまた改めて感じました。 娘もフランスでアーティスト活動をしたくて、また秋にフランスへ戻ります。海外で活動をするって簡単なことではないと思いますが、何かしら道が開けてくれたらいいなぁと願っています。
帰りは雨が結構降り出して、ドキドキ。山の上の方にあるので結構カーブがたくさんあって、ちょっと怖かったのと、どこの道路だったか、まるで台風が来てるのかというくらいすごく激しい雨が降ってる区間があって、この豪雨がずっと続いていたらどうしようとちょっと乗っていて怖かったのですが、すぐにトンネルがあって、今までトンネルって苦手でしたが、雨の時は守られていてありがたいものなんだなぁとしみじみ感じて初めてトンネルの存在に心底ありがとうって思えました。 すると、その後から全く降っていないんです。道路も濡れていない。本当にさっきのところだけ雨雲が上にいたような感じだったのでしょうか。 急に雨の降っていない世界になっていて、さっきまでのはなんだったのってくらいお天気が違ってました。全体的に降っていなくて本当に良かったです。帰りはかなりスムーズに帰れて、道路もそこまで混んでいませんでした。
今度はゆっくり宿泊して箱根を楽しみたいと思いました。
もっと涼しくて気候が穏やかな時に。秋は紅葉が綺麗そう。
かなり長くなってしまいましたが、備忘録として残しておきたくてつらつらと感じてることを綴ってしまいました。
すごく色々と刺激を受け感動もあった2日間でした。
*地域によって雨がすごいことになっていますね。台風の影響のある街の皆さま、復旧作業してくださってる方の安全をお祈り申し上げます☆