わくわくで生きる道➀~屋久島とわたし~
屋久島とわたしの出会い
わたしの人生の分岐点にはいつも屋久島がいる。
はじめは2018年3月。
大学三年生の春、周囲が就職活動にいそしむ中、その流れに違和感を感じている自分がいた。
自分には何もないのに、社会に出ていいの?
やりたいこと、ってそんなに簡単に見つかるものなの?
これから一生かけてやるかもしれないことを、そんな簡単に決められないよ…
「自分にはなにもない。才能も、やりたいことも。」
そんな重い塊を胸に、うずくまっていた。
かといって、なにをすればいいのかもわからず、ボーっと過ごす日々。
そんな時、サークルのLineにこんなメッセージが入った。
「屋久島で、環境系の仕事をして、わくわくしている大人の話を聞いてみない?」
・・・・・
これだぁぁぁぁぁ!!!!と思った。
心の底から湧き上がる、その感覚に従い、
メッセージを見た2時間後には飛行機を取っていた。
はじめての一人旅。
はじめての屋久島。
知っているひとがだれもいない合宿。
今思うと、不安要素はたくさんある。
でも、あの時の、沸き上がる高揚感は、
当時のわたしにとって、一筋の光となっていた。
忘れていた自分との再会
いざ、旅の始まり。
わたしは再び、不安の渦の中にいた。
わたしの選択は本当にあっていたの?
ただの感覚で、こんなことしてていいのかな…
まわりは公務員試験とか説明会に行っているのに…
孤独な旅の中、そんな問いが浮かんでくる。
それでも、あの時の高揚感は確かにあった。
わたしの選択は間違ってない…はず。
はじめての土地に一人。
屋久島に来れた喜びよりも、これからどうなってしまうのだろうという不安のほうが勝っていた。
「こんにちは。いしぐろあかりさんですか?」
背の高いゆるい空気感の男性に声をかけられた。
彼が、のちに私の人生に衝撃を与える張本人。
屋久島のやっくんだ。
参加者が集まり、バスに乗り込む。
私以外の参加者は九州から来ており、どうも顔見知りらしい。
(ほんとにひとりじゃん…)
ちなみに、わたしは人見知りだ。
会場につくなり、やっくんがひとこと。
「この未来塾では、対話を大切にしています。人の話を聞くことも大切。でも、あなたの話も聞かせてください」と。
胃がキリキリ。
自分にはなにもないから来たのに。
話せることなんて、何もないよ…
ただでさえ、人見知りなのに…
でも
”対話”の時間が始まった瞬間、自分の中から言葉があふれて止まらなかった。
決して否定されない、遮られない、あなたのそのまんまの声を聴かせて。
そんな空間で自分の話をしたことは初めてだった。
”なにもない”と思っていたはずなのに。
こんなに言葉があふれるなんて。知らなかった。
わたしね、こんな風に考えててね
今までこんなことが好きだったんだ
ほんとはこんなことしてみたくて…
あとねあとね…‼
”なにもない”という鎧が一枚一枚はがれて
わたしの真ん中が姿を現す。
自分のそのまんまを表現したのって、いつぶりだろう。
自分のそのまんまの声を聴いたのって…
『あぁ、もうすでに私の中にあるじゃん。』
初日にして、”自分にはになにもない”わたしはいなくなっていた。
「わくわくで生きる道」
屋久島と出会ってから、自分の声に耳を傾けるようになってから、
不思議なくらいすてきなご縁が舞い込んでくるようになった。
自分の大切にしたいことを、どうやったら大切にできるだろう。
そんな問いに時には苦しみ、時には喜びながら向き合ってみた歴史。
その軌跡が誰かにとって一筋の光となるかもしれない。
そして、なにより私にとって、”まんなか”を思い出すきっかけになるかも。
徒然なるままに、わたしのまわりに起こった出来事と等身大の20代のわたしの声を綴るシリーズ。
●環境系学生未来塾に関心を持った方はこちらからご覧ください。