①毛糸を染色。色を溶いたら解けたものとは
前回は、毛糸を別糸であちこちくくったところまで書きました。
ハンドウォーマーを編む予定です。それぞれのカセを同じようにくくれば、完成したときに左右対象の模様になるのではと期待。
編み始める方向を間違えないように…ということはカセを解いて玉にするときにも気をつけないと。いやそもそも色の境い目がわからないほど滲んでしまうかも、などなど気持ちが行ったり来たりします。
染色液を作ります。
「みやこ染め」バイオレット、ティースプーン1/2ほどを約30ccの熱湯で溶きました。足りなくなったらまた作ればいいや程度の気楽さ。
酢を加えます。少しざらつきが残っているけれど気にしない。自分を解放する時間だから、とことん自由にやってみよう。
赤と青が顔を出したねなどと思いながら撹拌
筆で、毛糸に塗りこめるように色水をつけてゆきます。楽しい。口角が上がっている自分にはっと気づきました。色が目に映るだけで心が躍ること、楽しい考えがつぎつぎに湧き出てくること…ああ、わたしは色が好きだ。それも忘れていました。いつも無機質なものばかり見ているせいでしょうか。
色が目の前にあるというだけでこんなに自分を「解放」できるのですね。
数十年まえに手芸店のおじさんに言われた、「酢や塩は"色どめ"になる」との言葉を思い出したので、お塩を加えたら茶色に変化。自分が科学にあかるかったら、結果も見通せるんだろうなあ。
手前は「みやこ染め」+酢。
奥の金茶は、それに塩を加えた色。
…とここまできて、手芸友達の言葉をとつぜん思い出しました。
「毛糸を二本どりで編み、それを染めてまたほどきながら靴下を編む技法もあるんだよ」。
あっ、カセをつくる段階で二本どりにすれば同じピッチで染色できるのか。あああ、そういうことかあ。「言葉は理解できた」けれど「言葉の意味を理解していなかった」のです。
さらに広く深呼吸できた日でした。