朝は裁断作業
夜明けとともに朝家事を済ませ、ミシンを起動させるまでの時間は静かな作業をすることが多い。その大抵は、個人でお受けした縫い物仕事の、裁断工程。
工程といっても「花柄を一枚」「白をお父さんと私の分、二枚お願い…」といった小口のご依頼なので
心を落ち着けて、ちょっきん さくさくと静かに裁ち鋏を動かす楽しい時間。
「布マスク」とひと口に言っても、素材の選択で着け心地はずいぶん変わる。
「布」はみんな同じようなもの…と思っている方も多い。仕方ないよね、布を選んで服を仕立てる時代ではないから。
今回は「なんでもいいです」と仰る方に布見本的なものを先にお渡しし、生地を選んでもらった。
大急ぎの昨今なので布の説明をダッと手書きしたメモを添えた。
ただ白く見えるだけ、ではないんです。
布地の個性を伝えたい。
ただ白く見える布、ではない
撥水系…薄手/ 軽い/飛沫のしみこみ防止
シワにならない/速乾!とにかくラク!
お客様に分かりやすいよう、これは云々混紡で…等の言葉はあえて省略。「軽い」と書く。
こかげマックス
今回見本としてお渡ししたのはユニチカ製国産 熱線遮蔽性クーリング素材「こかげマックス」。この布の良さを書き連ねたい。
・遮熱素材である
・撥水加工=飛沫の染み込みを防ぐ
・シワにならない=アイロンかけ不要
・縮まない
・乾きやすい=清潔
・洗濯用漂白剤の原液をかけても色落ちしない
・しかもUVカット!
素材と価格
お客様に布地の説明を充分にお伝えすると、販売価格をスムーズに納得して頂ける。
お客さまはマスクに¥1,000円かけるんだ。「この布で良かった。用途に合っている」と使い倒してもらえるもの、相応の作りのものをお渡ししたいと、布地オタクとして思う。
「布って色々あるんですね。楽しい。」との返信メモが付いていた。自分で選んだ平らな布がカタチになって使えるものになるのは、とっても楽しいこと。
楽しい気持ちになるお手伝いができたら嬉しい。その陰に「確かな素材による守り」も縫い合わせてお届けしたい。