春待ちのうた
やはり春の一歩手前という空気感がある。きょうは云うまでもなく、“春へとつづく桜のつぼみ”を待つ日である。
だが朝は冷えたようで、道端の日陰に薄氷が張っているところがあったので、嬉々として足先で粉砕しておいた。
さて、話を戻そう。きょうはだれもが原曲を聴くまでもなく脳内再生ができないひとはいないであろう、あの曲の日である。
レミオロメンの『3月9日』は、わたしが生徒だったころにちょうど卒業ソングの定番と化していた。事実、わたしも卒業式にうたった曲のひとつであった。
既にレミオ好きであったわたしは、一際宝物のように感慨深くうたったものである。
とはいえわたしも、某ドラマで有名になった後に、彼らを知って好きになり、他のアルバムを聴くようになった口なので、レミオを知るには一足遅めであったと云えよう。
そんな経緯で、中高生のころからレミオを聴いてきたので、いまでもカラオケで一番最初にうたうのはレミオであることが大多数であるし、カラオケにあるものはほぼ全曲うたうことができる。
数々の名曲を聴きながら多感な時期を過ごしていたころ、わたしにとっての大事件は起こる。活動休止の発表である。それを聞いたときは、あまりに衝撃過ぎて呆然としてしまい、果ては泣いた。レミオの何がよいのかと云えば、なにより藤巻さんの声がよい。あと季節の情景が丁寧に描写された歌詞。メロディはもちろん性癖。
あまりにもその音楽が好きなので、一番好きな曲を選ぶことのできないアーティストのひとつである。
現在ヴォーカル&ギターの藤巻亮太さんはソロ活動をされているが、どうしてもバンドとソロは別物であって(そうでなくては意味がない)、それにしたってレミオロメンというバンドはわたしにとってあまりにキラキラが詰まっていたのである。
あれから月日は流れ、その時々に幾多もの出逢いを経て、わたしの趣味嗜好も多様な変革を遂げたが、レミオはいまでもわたしを成す一部であり、その原点であったことには相違ないであろう。
さて3月9日である。この歳になって、卒業ソングとしてではなく、本来の由来の通り(なにも云わずともこれを知らないひとはいないであろう。)の情景を思い浮かべながらに聴くと、あの頃とはまた違って、心に来るものがあるなぁとなるきょうこのごろである。
ちなみにわたしがレミオの曲で、アコギで弾き語りたい曲No.1は『茜空』である。これは完全に春の曲である。
手持ちのバンドスコアをちらりと眺めてみたところ、いきなりむつかしそうなコードから始まっていたので、わたしがいつ弾けるようになるかは定かではないが、ギターの練習をしながら、春を待つこととしよう。
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