合成樹脂管とは
合成樹脂管は、主に電線の保護材として用いられる電線管です。従来の金属製電線管に比べて、軽量で耐腐食性、耐水性に優れていること、曲げ加工が容易であることなどの利点があり、近年では建築現場を中心に幅広く使用されています。
合成樹脂管には、可とう性を持たない硬質塩化ビニル電線管(VE管)と、可とう性のある合成樹脂製可とう電線管の2種類があります。可とう電線管には、さらに複層構造のPFD管と単層構造のPFS管、そして非耐燃性のCD管の3種類があります。
種類
VE管(硬質塩化ビニル電線管):
可とう性がない
腐食や酸化に強い
屋外での使用に適している
曲げ加工は、トーチランプなどで炙って行う
HIVE管:
VE管よりも高い衝撃性を持つ
PF管:
複層構造のPFD管と単層構造のPFS管がある
耐燃性(自己消火性)がある
可とう性があり、柔軟性に優れている
耐候性や耐薬品性にも優れている
屋内外の配線に使用されることが多い
CD管:
PF管同様に可とう性があり、柔軟性に優れている
非耐燃性(自己消火性なし)
オレンジ色で識別される
規格
合成樹脂管の規格は、JIS規格(日本工業規格)で定められています。代表的な規格は以下の通りです。
JIS C8411:合成樹脂製可とう電線管
JIS C8430:硬質ポリ塩化ビニル電線管
合成樹脂管工事のメリット
軽量で扱いやすい
サビや腐食に強い
電気絶縁性に優れている
施工が比較的容易
合成樹脂管工事のポイント
施工条件を遵守する
合成樹脂管同士の接続には、専用のカップリングを使用する
曲げ半径は、管内径の6倍以上にする
支持点間の距離は1.5m以下にする
自己消火性の無いCD管はコンクリート埋設が主な使用方法である
まとめ
合成樹脂管は、軽量、耐腐食性、電気絶縁性、施工性といったメリットを持つ電気工事用の配管です。施工を行う際は、上記のようなポイントに注意する必要があります。
その他
合成樹脂管は、可燃性の高い場所や機械的衝撃を受けやすい場所には使用しない
電線同士の接続は、管内で行わない
絶縁電線を使用する
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