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イーサリアム詳しく解説 底値はまだ先か。

イーサリアム(ETH)とは、人の手を介さずに契約内容を自動実行できるスマートコントラクトや、契約内容の改ざんを防ぐブロックチェーン技術などが備わったプラットフォームのことです。

プラットフォーム内で利用できる独自の暗号資産もあり、イーサ(ETH)と呼ばれることもあります。イーサ(ETH)は、ビットコイン(BTC)に次ぐ時価総額第2位(2022年4月1日時点)となっており、送金をはじめ、決済や投資などにも利用されています。

オープンソースで開発が進められているイーサリアム(ETH)は、契約プロセスの自動化や取引期間の短縮化が実現することから、さまざまな業界から高い期待を寄せられています。

イーサリアム(ETH)の使い道

イーサリアム(ETH)は、主にプラットフォームでアプリケーションを開発するために利用されています。

スマートコントラクトとブロックチェーン技術を駆使して開発されたアプリを「DApps(ダップス)」と呼び、金融や不動産、ゲームなどさまざまなジャンルで実用化が進められている状態です。

また、ブロックチェーンをベースとした暗号資産も、スピーディーな送金や決済、現物取引、レバレッジ取引などで利用されています。

イーサリアム(ETH)の仕組み

イーサリアム(ETH)の仕組みを理解するために知っておくべき三大要素は、以下のとおりです。

①スマートコントラクト
②DApps(分散型アプリケーション)
③マイニング方式(PoW)
上記の中でも、ブロックチェーン上で契約を自動執行できるスマートコントラクトは、イーサリアム(ETH)に欠かせない重大な仕組みとなっています。

3つの仕組みについて、さらに詳しく解説していきます。

スマートコントラクト

スマートコントラクト
スマートコントラクトを簡単に説明すると、「ユーザーが一定の行動を取った場合、予め決められた動作を自動的に実行するプログラム」のことです。

例えば、ユーザーが1ETHを支払った時、自動的に特定のデータを取得するというプログラムを組むことができます。

支払ったETHの量に応じて適切なサービスを提供することができるため、「料金を支払ったのにサービスが提供されなかった」という心配がありません。

支払い以外にも、金融会社や不動産会社における契約手続きの自動執行などがスマートコントラクトによって実現します。

DApps(分散型アプリケーション)

DApps(分散型アプリケーション)
DApps(Decentralized Applications)は、日本語で分散型アプリケーションという意味を持ちます。

通常のアプリと大きく異なるのが、ブロックチェーン技術によって記録された取引データを、暗号化して分散管理するというものです。

また、通常のアプリでは、不具合やアップデートをする際のメンテナンスで稼働が停止しますが、DAppsなら常に稼働し続けることができます。

DAppsでは、過去の操作ログも全てブロックチェーン上に記録され、ユーザー全員が閲覧可能となっています。つまり、ユーザー全員でコードを検査できるため、不正や改ざんが極めて困難だとされています。

DApps 通常のアプリ
コードの管理 ユーザー全員で管理 開発者が管理
取引の合意 ユーザー同士の合意 中央管理者
アプリの稼働 常に稼働 稼働できない時間帯あり
マイニング方式(PoW)

マイニングとは、暗号資産(仮想通貨)の取引データの記録・承認を行った人に暗号資産の報酬が支払われる仕組みのことです。

イーサリアム(ETH)のマイニング方式には、PoW(Proof of Work)と呼ばれる方法が採用されています。

PoWは、暗号資産の取引が発生した際、コンピュータなどを使って計算処理を行い、最も早く処理を行った人に報酬が与えられる仕組みとなっています。つまり、コンピュータのスペックが高いほど、有利にマイニングを行えるということです。

ただし、一般人がマイニングで大きな収益を得ようとした場合、サーバー機器などを揃えるだけでも莫大なコストが発生します。

今後、マイニング方式が変更される可能性もあるため、無理にマイニングに参加する必要はありません。

イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)の特徴を比較

数千種類ある暗号資産の中でも、時価総額第2位がイーサリアム(ETH)、第1位がビットコイン(BTC)です。

イーサリアム(ETH)をビットコイン(BTC)と比較した場合、以下のような異なる特徴がみられます。

ETHとBTCの特徴を比較
これから初めてイーサリアム(ETH)を運用する方に、特徴をさらに詳しく解説していきます。

BTCよりも短時間で送金できる

イーサリアム(ETH)をはじめとする暗号資産は、取引時に内容の承認を得た上で送金完了となります。

最もメジャーな暗号資産であるビットコイン(BTC)の場合、約10分で承認・送金完了となりますが、イーサリアム(ETH)は約15秒で承認・送金が完了します。

通常、送金に時間を要する銀行振込などをイーサリアム(ETH)の送金に代替することで、スピーディーな送金が24時間いつでも実現するということです。

発行上限が決められていない

イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)とは違い、発行上限数が決められていません。

ビットコイン(BTC)の場合、発行上限数は2,100万BTCと決められており、希少性のある暗号資産として取り扱われています。

一方、イーサリアム(ETH)の場合、発行上限数は決められておりませんが、イーサリアム(ETH)の運営サイドが供給量を制限する「バーン」を実施することで、希少性と価格の安定が担保されているのです。

銘柄の単位が違う

イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)は、暗号資産という括りでは同じでも、銘柄の単位が異なります。

イーサリアムは、一般的に「ETH」という単位で表し、最小単位にあたるのが「wei」です。weiは、100京で1ETHとなり、10億weiを「gwei」と表す場合もあります。

一方のビットコインは、一般的に「BTC」という単位で表し、最小単位を「Satoshi(サトシ)」と呼びます。1Satoshiは、1BTCの10億分の1にあたるかなり小さい数字のため、暗号資産販売所、取引所などではあまり使われていません。

暗号資産によって、発行数も異なれば銘柄1単位に対する価格も異なるため、1ETHと1BTCとで同じ価値があると勘違いしないようにしましょう。

これまでの価格推移の違い

過去から現在に至るまで、イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)の価格推移は全く異なります。

仮想通貨が一般層にも普及し始めた、2016年〜2021年までの価格推移の特徴を簡単に解説していきます。

イーサリアム(ETH)の価格推移

イーサリアム(ETH)は、2016年に仮想通貨の知名度が上がり始めた頃から、購入する投資家が増え始めました。

2016年1月時点で100円台前半でしたが、2017年に起こった暗号資産ブームとEEA(イーサリアム企業連合)が発足したこともあり、4万3,000円を超えるまで価格が大きく上昇。

しかし、2018年に16万円を超えるも、暗号資産のハッキング被害や詐欺などの問題が浮き彫りになったことで、同年12月には1万円を切るまで下落しました。

再び大きな上昇を見せたのが、イーサリアム(ETH)の将来性や信頼性が評価され始めた2020年です。2020年末には7万円を超えるほど価格が回復し、2021年後半から大きな価格上昇を見せ、11月には48万円に達し、これまでの最高値を更新しました。

2022年以降も、アップデートやICOプロジェクトの増加により、価格の上昇を期待する声が高まっています。

ビットコインの(BTC)の価格推移

2016年5月、初めて法律に暗号資産に関する規制が明記された「改正資金決済法」が成立しました。

ビットコイン(BTC)が活発に動き始めたのも2016年5月以降です。1月に4万5,000円だった価格が、12月には約11万円まで上昇しました。

仮想通貨元年と呼ばれるほど盛り上がりを見せた2017年、ビットコイン(BTC)は4月時点で約12万円だった価格が、12月には約200万円まで高騰し話題を集めました。

しかし、2018年は1月時点で価格は約110万円まで急落。その後も価格が回復することはなく、12月には30万円台まで下落しました。

2019年4月、上昇トレンドに乗ったビットコイン(BTC)は、6月までに約150万円まで価格を戻すものの、その後の下降トレンドによって年末には約80万円まで下落しました。

下降トレンドを抜けたのは2020年で、2月には約100万円まで価格が上昇。一度落ち込みはしたものの、11月後半には2018年以来となる約200万円まで価格を戻しています。

2021年、暗号資産市場は年間を通して拡大傾向にあり、2021年11月には約780万円(※)に到達し、これまでの最高値を更新。その後、2022年は下降トレンドにより400万円台まで落ち込みました。

※SBI FXトレード暗号資産CFDにおけるBID最高値(2021年11月10日)

2022年以降は、デジタル資産が広範囲に採用される過程から、上昇を予想する資産家やアナリストがおり、動向から目を離せない状態となっています。

イーサリアム(ETH)の将来性

イーサリアム(ETH)の将来的な価格に影響するといわれているのが、イーサリアム2.0へのアップデートです。

「Serenity(セレニティ)」と呼ばれる大型アップデートは、イーサリアム(ETH)のネットワークや処理速度が強化され、より多くのトランザクションを処理できるようになるといわれています。

また、イーサリアム2.0へのアップデートでは、マイニング方式がPoWからPoS(Proof of Stake)へと移行する予定です。

PoSは、PoWよりも環境に配慮された高速の取引検証プロセスとして利用されています。ブロックチェーンのセキュリティに貢献するため、イーサリアム(ETH)を一定期間ステークすることで、ネットワークから報酬を得られるという仕組みです。

イーサリアム財団は、PoSシステムに移行することで、検証プロセスに消費されるエネルギー量を従来の99.95%削減できるという予測もしています。

イーサリアム2.0へのアップデートにより、イーサリアム(ETH)の利便性が向上し、需要拡大する可能性があることから、「将来的に価格が上昇するのでは?」という声も少なくありません。


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