[魔法同盟] ゲームに登場する呪文のあれこれ
『ハリー・ポッター:魔法同盟』にはいろいろな呪文が登場します。その多くが本(原作小説)や映画に出てきたものですが、どこに出てきたか、どんな使われ方をしたかなど、気になる方も多いと思います。
そこで今回は、「痕跡の回収に使う呪文」「戦略呪文」「フィールド呪文」「その他の呪文」について
○ 魔法同盟以外のどこで登場したか
○ どんな性質の呪文か
を中心に紹介します。
また、ハリー・ポッター/魔法ワールド公式のYoutube動画をいくつか載せましたので、映画でどんなふうに使われていたかふり返ってみましょう。
[註:呪文の分類名は定まった日本語訳がないものも多く、その場合は仮訳で表記しています]
痕跡の回収に使う呪文
魔法同盟のリリース当初は12種類でしたが、2021年5月に「ウィンガーディアム・レヴィオーサ」が追加され、現在は13種類になりました。
アグアメンティ(Aguamenti)/水を出す呪文(Water-Making Spell)
杖の先から清浄な水を出す呪文です。
『謎のプリンス』で(6年生の)ハリーたちが呪文学の授業で教わっているなかなか高度な魔法ですが、初出は『炎のゴブレット』の本で、第一の課題でフラーが使っている場面とされています。
飲むための水を少し出すことも、火を消すためにたくさんの水を出すこともできます。魔法同盟では火を消すほかにファイアードレイクのコンファウンダブルを退治するためにも使われています(なぜ効くのかはよく分かりませんが、体内の火が消えると弱ってしまうような性質があるのかもしれません)。
アグアメンティはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のアトラクション「ワンド・マジック」で体験できる呪文のひとつです。
アレスト・モメンタム(Arresto Momentum)/低速呪文(Slowing Charm)
物が動く速度を落としたり、動きを止めたりする呪文です。
初出は『アズカバンの囚人』で、唱え方が分かるのは映画のほうです。このとき(クィディッチの寮対抗試合で、落下するハリーを止めるとき)ダンブルドアは杖を持たずに呪文を唱えています。狙いを定めるのも大変でしょうに、すごいですね。
ちなみに、相手の動きを止める呪文として「イモビラス」や「インペディメンタ」などがあります。
この呪文もUSJで体験することができます。
アロホモラ(Alohomora)/解錠呪文(Unlocking Charm)
扉などにかかっている錠前を開けることができる呪文です。魔法同盟では主に拘束具などを外すために使いますね。
初出は『賢者の石』で、ハーマイオニーがフラッフィーのいる部屋の扉を開けるときに使いました。
アロホモラを防ぐための反対呪文「コロポータス」や、同様の解錠呪文「アベルト」も知られています。
この呪文もUSJで体験することができます。
インセンディオ(Incendio)/火を出す呪文(Fire-Making Spell)
杖の先から火を噴出させる呪文です。魔法同盟では氷を溶かしたり、亡者を撃退したりするために使われます。
『賢者の石』でハリーが海の上の小屋でハグリッドと会ったとき、ハグリッドが暖炉に火をつけるために使ったのが初出とされています。唱え方が出てきたのは『炎のゴブレット』です。
この呪文もUSJで体験することができます。
ウィンガーディアム・レヴィオーサ(Wingardium Leviosa)/浮遊呪文(Levitation Charm)
物を浮かせる呪文です。
『賢者の石』での呪文学の授業で習うシーンはあまりにも有名ですね。
似た呪文として、人体を浮かせることに特化していると思われる「レヴィコーパス」があります。
ウィンガーディアム・レヴィオーサもUSJで体験することができます。
エクスペクト・パトローナム(Expecto Patronum)/守護霊の呪文(Patronus Charm)
魔法同盟では、吸魂鬼のファウンダブルを退治するために唱える呪文。
初出は『アズカバンの囚人』の本です。リーマス・ルーピンがホグワーツ特急を捜索に来た吸魂鬼を退け、後にハリーにも教えてくれました。
この呪文でつくり出す守護霊は、強力な呪文だと術者によって異なる動物の形をとります(ハリーの場合は牡鹿)が、そうでない場合や術者がそれを望まない場合は不定形になります。魔法同盟でも動物の形をとることはありませんね。
守護霊の呪文は吸魂鬼の他にもレシフォールド(「生ける経帷子」の別名で知られる魔法生物。魔法同盟では「許されざる者」のメンバーのコードネームとして登場)に対抗できる呪文です。
エバブリオ(Ebublio)/エバブリオの呪い(Ebublio Jinx)
相手を泡の中に閉じ込める呪文です。
初出は『炎のゴブレット』のゲームで、以降いくつかのゲームに登場しています。
ディフィンド(Diffindo)/切断の呪文(Severing Charm)
対象の物を引き裂く、切り傷を与える、亀裂を入れるなどの効果がある呪文です。
初出は『賢者の石』のゲームで、その後『炎のゴブレット』の本にも登場しました。
フィニート(Finite)/汎用対抗呪文(General Counter-Spell)
持続的な呪文・呪いを無効化する呪文です。
「フィニート・インカンターテム」の形で、『秘密の部屋』で初登場しました。
魔法同盟では、動物に変身させる呪いや双子の呪いを解くために使っています。なお、英語での発音は「フィニーテ(fi-NEE-tay)」に近いものになります。
フリペンド(Flipendo)/押し返しの呪い(Knockback Jinx)
衝撃を与えて相手を向こうに押し飛ばす呪文です。
初出は『賢者の石』のゲームで、以降いろいろなゲームで初歩的な戦闘呪文として使われてきました。本や映画でははっきりとは出てきません。
ボンバーダ(Bombarda)/爆発の呪文(Exploding Charm)
対象を爆発させる呪文です。
初出は『アズカバンの囚人』の映画で、ハリポタの本にはっきりとは出てきていません。
魔法同盟では、ガラス瓶などを割る、水の球を壊す、大蛇を撃退するといった使い方をしています。大蛇には他の呪文(フリペンドとか)のほうが有効だと思うのですが……。
同じように爆発させる呪文として「コンフリンゴ」「エクスパルソ」が知られています。「レダクト」は外からの力で対象を粉々にするという点が違うようです。
メテオロジンクス・レカント(Meteolojinx Recanto)
魔法によって引き起こされた雷雨やつむじ風を止める対抗呪文です。
『死の秘宝』の本(魔法省に侵入する場面)で初めて言及されますが、それより前の『炎のゴブレット』の映画でも出てきたものと思われます。
なお、USJでは「メテオロジンクス」を唱えることで雪を降らせることができるアトラクションがあります。杖の動かし方はメテオロジンクス・レカントと左右が逆になっています。
リディクラス(Riddikulus)/まね妖怪退治呪文(Boggart-Banishing Spell)
『アズカバンの囚人』で初めて登場しました。
まね妖怪(ボガート)の姿を、自分が恐ろしいと思うものから可笑しいと思うものへと変えることができる呪文です。
戦略呪文
戦略呪文は魔法使いチャレンジを有利に戦うための呪文で、3つの職業(闇祓い・教授・魔法動物学者)で異なる呪文を使うことができ、全部で11種類あります。
コウモリ鼻糞の呪い(Bat-Bogey Hex) - 闇祓いが使用可能
唱え方は不明です。『不死鳥の騎士団』の本で初めて登場しました。
相手の鼻糞を大きなコウモリに変身させる効果があります。ジニー・ウィーズリーが得意とする呪文のひとつです。
修復の呪文(Mending Charm) - 魔法動物学者と教授が使用可能
「レパロ(Reparo)」と唱えます。壊れた物体を元通りに直すことができます。
派生形である「オキュラス・レパロ」が『賢者の石』の映画に登場したのが最初です。ホグワーツ特急のコンパートメントで、ハーマイオニーがハリーの眼鏡を直した呪文です。
他に「パピルス・レパロ」が『ファンタビ:黒い魔法使いの誕生』に登場しました(ニュートが、ティナからの絵葉書をつなぎ合わせる場面)。
蘇生の呪文(Reviving Charm) - 魔法動物学者が使用可能
「リナベイト(Renervate)」と唱えます。
『炎のゴブレット』の本で初めて登場しました。
「ステューピファイ」で失神した人や生物の意識を取り戻させることができます。
混乱の呪い、衰弱の呪い、集中力の呪文、スタミナの呪文、勇敢の呪文、退歩の呪い、防御の呪文、熟練度の呪文
これらの呪文や呪いは、本・映画・他のゲームに登場せず、魔法同盟が初出です。
似たような呪文が別に知られているものもあります(混乱の呪いと錯乱の呪文(コンファンド)、防御の呪文と盾の呪文(プロテゴ)、など)。
フィールド呪文
セレセレ(Celescere)/温室の呪文(Greenhouse Charm)
トリビュオムナス(Tribuomnus)/宿屋の呪文(Inn Charm)
パリオ・ヴェスティジウス(Pario Vestigius)/痕跡の呪文(Trace Charm)
3つとも、魔法同盟が初出の呪文です。
その他の呪文
アクシオ(Accio)/呼び寄せ呪文(Summoning Charm)
宿屋で食べ物(≒呪文エネルギー)を入手するときに唱えている呪文です。
初出は『炎のゴブレット』の本で、ハリーが苦労の末に習得し、第1の課題で箒を呼び寄せてハンガリー・ホーンテールと渡り合いました。
映画では「アーキオ」と発音されることが多く、他にも「アーシオ」「アッチオ」と発音されることがあります。
ハービヴィカス(Herbivicus)/Gardening Charm
温室で栽培するとき、収穫量を増やすために唱える呪文です。
初出は『炎のゴブレット』のゲームで、その後も複数のゲームで登場しています(本・映画には出てきません)。
魔法同盟以外のゲームだと、植物を急速に成長させ、花を咲かせる魔法として描かれています。
プロテゴ(Protego)/盾の呪文(Shield Charm)
敵との戦闘で、敵の攻撃によるダメージを軽減するために唱える呪文です。
初出は『不死鳥の騎士団』の本で、「ダンブルドア軍団」の会合でハリーが仲間たちに教えています。
「プロテゴ・トタルム」「プロテゴ・ディアボリカ」などの派生形が知られています。
攻撃呪文(Offensive Spells)
魔法同盟ではどの呪文を使って敵を攻撃しているのか明言されていませんが、本や映画では「ステューピファイ」がよく使われていました。
おわりに
ここまで、現時点で魔法同盟に登場している(おそらく)全ての呪文を紹介してきました。こうやって見てみると、本・映画には出てこないものの過去のゲーム作品に登場した呪文がけっこう出てきていたり、実はあの呪文を唱えていたり(「アクシオ」など)することが分かりますね。
魔法同盟で唱えることができる呪文は今後も増えていくことでしょう。どんな呪文が出てくるのか、楽しみですね。