「シャーロック・ホームズの回想」の感想
ゆっくり文庫化されていないけど個人的にお気に入りになったエピソードの感想です!
(ゆっくり文庫の2エピソードの感想はこちら)
グロリア・スコット号
ホームズの最初の事件、およびかつての親友のエピソードがとつぜん生えてきたのでびっくりしました。ヴィクター・トレヴァーはめっちゃ爽やかなイケメンでイメージしてます。
たぶん本作が掲載された週のpixiv、ものすごい数のホムヴィク・ヴィクホムが投稿されたと思います(幻覚)
あとホームズワトソンヴィクターの3人で葉巻吸ってるイラストとかもいっぱいある。
このエピソードの暗号は、シンプルなわりに使いやすくていいですよね。読み方知っていればコードブックなしでサッと読めるし、ちょっと覗き見されるくらいは大丈夫(あとで解き方がわかっても全文を記憶されていないかぎり流出はしない)。
ギリシャ語通訳
マイクロフト登場回!「ホームズよりも観察眼・推理力ともに優れているが、裏付けや追加データを取りに行く行動を億劫がるため探偵はやっていない」という盛りに盛られたキャラ付けですが、破綻せずにエピソードを走り切ってました。
本筋とは関係ないけど、ディオゲネス・クラブが陰キャコミュ障特化クラブすぎて爆笑しました。社交どころか私語すら禁止で、ただ居心地のいい椅子に座って最新の新聞雑誌を読む場所。
……これ、ネカフェじゃない?
マイクロフトの能力を示すシーンだと、ここがお気に入り。
ロイヤル版・クリーム色の便せん:誰でも一目でわかる
Jペン:ちょっと観察すればわかる
身体が弱い中年男性:観察力・推理力が高くないとわからない
観察・推理力の要求度がちがう3段階の情報を、すらりといっしょくたに述べてるんですよね。つまりマイクロフトにとってこれらは等しく「見ればわかる情報」という描写。
一般人の知覚がどの程度のものかうまく把握できてなさそうだなとも感じました。だから全部言ってあげてるのかなって…。
ホームズが上記の便せんを見せたなら、ロイヤル判やクリーム色である点はワトソンが地の文で述べ、ホームズがJペン⇒身体の弱い中年男性(+そうう考える根拠)、の順で指摘をする流れになったのではないかなと思います。
海軍条約文書
「緑柱石の宝冠(冒険)」に続き、社会人が読むと怖い系エピソード。
フェルプスが書類を出しっぱなしにして部屋を出なければそもそも思いつきさえしなかった犯罪なので、クリアデスクの重要性がひしひしと伝わる事件でしたね。
実際、セキュリティのための手順は良からぬことを考える輩に「盗むのめんどくせ」と思わせるのが一番の目的ですからね。あと、適切な取り扱いをして盗まれたら責任は軽くなりますし。
だからめんどくさくてもサボってはいけない…めんどくさいけど…頑張ろう…(自分に言い聞かせる)
シルヴァー・ブレイズといい、「回想」のホームズは若干度を超えたいたずらをしがちですね。神経の細い病人を驚かせるな。