【方向音痴克服(予定)記】方向音痴に関する書籍紹介
方向音痴を克服するため、先行研究をざっと知っておこうと5冊ほど書籍を見てみました。
それぞれの特徴を紹介したいと思います。
どんなに方向オンチでも地図が読めるようになる本
地図が読めないなら初手はこれ。あと大きな駅構内で迷う人や、電車の乗り換えをミスる人もこれ。というか、待ち合わせに遅れるレベルの方向音痴さんはまずこれ。
地図から迷いづらいルート取りをする方法や、周囲の情報から現在位置を特定する方法(これができれば待ち合わせの時の最終手段「迎えに来てもらう」もしやすい)など、方向音痴の困りポイントにピントが合っています。とくに、本書で紹介されている「固有の情報」の概念は抑えておくとハッピー。
また、最近はリアル書店での陳列が激減していて選ぶのが難しくなっている紙の地図の選定方法や、Googleマップ以外の地図アプリの特徴なども教えてくれます。
方向音痴って、なおるんですか?
エッセイ枠として念のため手に取ったこれも結果としてかなり番参考になっりました。こういうことがあるから面白い。
さんたつ(散歩の達人)というサイトの「Googleマップを使っても迷子になってしまうあなたへ」という連載記事が書籍化されたもの。加筆修正されていますが、内容はだいたい同じなのでまずはサイトを見てもいいと思います。(気に入ったら書籍版を買おうね!でも画像はサイト版のほうが圧倒的に見やすい!)
タイトルのとおり、著者はGoogleマップを使っても迷い、駅の中でも迷う方向音痴。最序盤のパワーワードは「目的地が動く」。
そんな著者が、地図読みが好きな人や地形が好きな人、絶対方位もちの人などさまざまな方向感覚のエキスパートにコツを訊いて方向音痴をマシにしていく…という流れです。
私が思う"良い"エッセイ系の書籍の十分条件のひとつは「『エウレカ!』または『ウォーター!』に相当するシーンがある」なのですが、この本は『ウォーター!』のほうがあります。けっこう感動しました。
この本でわかるのは「方向音痴は複数要因がからみあって発生する」「どの要因で方向音痴になっているかはひとそれぞれ」「要因は本人の能力を鍛えるしかないものもあるが、自分に合うツールをうまくつかうことで劇的に改善するものもある」ということです。
取材対象の専門家がさまざまで得意分野もさまざまなため、多様な観点から「なにが方向感覚がいい状態をつくりだしているのか(逆に、方向音痴の人には何が足りないのか)」を知ることができます。
網羅的かはともかくとしてひとつは思い当たるものがあるでしょうし、克服のヒントももらえます。
方向オンチの科学―迷いやすい人・迷いにくい人はどこが違う?
「方向音痴って、なおるんですか?」よりはやや小難しいですが、これもたいへん参考になります。
サブタイトルの通り、道に迷いやすい人とそうでない人の「認知の違い」を多くの実験から導出している本です。
迷わないは、「道を覚えて」と指示されなくても道を覚えるのに必要な情報を拾うクセがついていることや、ほれぼれするほど確実に曲がり角でランドマークを抑えているという例をみることができます。
2001年初版なのでぜんぶを鵜呑みにするにはちょっと古いですが、理論的にトレーニング方法を検討したいなら読んで損なし。
方向オンチの謎がわかる本 人はなぜ地図を回すのか?
方向音痴⇔方向感覚に優れた人について学術よりの観点から考察した本。
著者はオリエンテーリング全日本選手権15連覇という、方向音痴マンからしたら神とあがめるのも恐れ多いレベルの方向感覚ガチ勢です。そんな人でもたまに「迷った…?」となることはあるようなので、ちょっと安心しました。
方向感覚レベル0みたいな方向音痴にとってすぐにヒントとなるような内容は少ないですが、子供・老人、視覚障碍者、都市部以外の地域、GPSをもちいたハイテク機器などいろんなスケールで「ナビゲーション」というものを見られるのが面白い本です。知識・教養枠。
地図をグルグル回しても 全然わからない人の 方向オンチ矯正読本
大本命ってかんじのタイトルですが、私には若干合わなかったです。
最近の読みやすいノウハウ本らしい構成で、1/3は前提知識の話でイラストや写真も多いので、トレーニングに役立つ知識はちょっと薄いかな~という印象。
私は地図アリならルート取りができる軽度の方向音痴なので、地図読みに関するノウハウは「もう知ってる」状態だったのも一因かと思います。
「手取り足取り」に近い内容ではありますので、自分でトレーニング方法を考えるのが面倒ならこれを一冊目にしても悪くない。読み味かるくてハードル低いし。
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