霊柩車
がたがたと揺れる。
だけど、乗り心地は悪くない。
さっき、皆とお別れをした。
僕は黙ったままだったけど。
花の匂いに包まれて、暗い車内で僕はじっとしている。
ここで僕が動いたら、きっと、大騒ぎ。
そんなことを考えながら、声に出さずくすくす笑う。
厳かな車。
僕を乗せて、どこへ行く?
いや、この車の行先は決まっている。
変えることはできない。
向かう先は火葬場。
それが僕の運命。
ならば受け入れよう。
さあ、霊柩車よ。
僕をあるべき場所まで連れて行って。
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