接着
僕は様々なものを接着していく。
今日はドア。
これで、ここには誰にも入ってこれない。
そのはずなのに、いつの間にか綻びができて、僕の部屋は違う世界と繋がる。
誰かがこの世界と、違う世界を接着してみたいだ。
だから、僕は仕返ししてやる。
隣の世界に入り込み、天と地を接着してやったんだ。
するとどうだろう。
天と地の間の世界は、ぺっちゃんこ。
僕はそれを見て、からから、と笑う。
くっつく、くっつく、すべてが、くっつく。
あらゆるものが接着され、身動きを封じられた世界を、僕は歩き回る。
とてつもない優越感に、僕はにんまりとした。