代替品
僕は代替品に恋をしてしまった。
傷ついた体躯。
ただの場つなぎとして無下に扱われたのだろう。
真っ白な心。
人の手を離れる度にデータを消される。
時間付きの関係。
本物が戻ってくるまでの偽り。
代替品は僕の手をするりと抜けていった。
名残惜し気もなく、
振り返りもせず。
僕はあっけにとられ、そして、笑う。
代替品。
それはしがらみに囚われることのない、
何よりも自由な存在なのかもしれない。
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