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大阪→東京キャノンボールに挑戦しました(②実走編)
①準備・出走編はこちら
大阪 → 東京キャノンボール(伊賀・箱根越)、23時間45分での完走記です。
序盤 (130km地点まで / 大阪~桑名)
11/3(日・祝) 06:32、スタート地点である大阪市道路元標をスタート。
国道2号に挑み西に進んだ2年前。
まさかここから東に進むことになるとは思ってもいなかったので、不思議な感覚が過りつつ都市部特有の信号峠に若干苦しみながらも、焦らずに。
桜宮橋を通過する際、charincoskyさんに迎撃いただきました。
慣れない信号峠に不安を覚える中、激励の言葉がありがたかったです。
そのままR163に合流、寝屋川→四條畷と順調に進み、清滝峠は進行ミスによるロスが懸念されたので、トンネルではなく峠を通すことに。
奈良・生駒で1時間が経過。1時間5分で23km。
序盤は「5時間で125kmを通せば勝ちパターン」の意識があったため、ここから4時間で平均26km/hが求められます。焦る気持ちをぐっと堪え、京都の山城まで一気に駆け抜け…!
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ここからがじわじわと登りがかかる区間。実は国道163号→25号は以前沼津まで自走で通した時に走行経験があったので、途中の名阪国道横を通す道も難なく通過。唯一の懸念は亀山市入りした後の酷道を含むダウンヒルと砕石工場周辺の道荒れ。
前日の雨もあったので一層気を引き締めて臨むも、幸い路面濡れもさほどなく、道の荒れようも以前通過した時よりは軽かったのが救いでした。
新しく道が出来ていたのか(そもそも知らなかった可能性大)、ちょっと分岐で躓くも、無事国道1号に復帰。
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ここから1時間が序盤の勝負、補給を怠らずひたすら前を目指す…!
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直近まであまりロングを走りこんでおらず、前月のツール・ド・佐伯(190kmコース)でボロ雑巾。このペースを出せるか不安でしたが、ここに来て一気に精神面が楽になりました。
ここでボトルの水が切れたので、セブンイレブン四日市白須賀店 (128.7km地点)で第一エイド。
補給食をかじりつつ水分補給、用意が終われば足早に先へ進みました。
中盤戦① (274km地点まで / 弥富~磐田)
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スタートから6時間。愛知県境を通過。
ここからは名古屋の信号峠に懸念を抱えながらひたすら国道1号を直進。
6時間経過時点で走行距離は144km、何とかグロス24km/hを維持…!
名古屋市に入り、ちょいちょい信号峠にかかりペースが若干ダウン。
大丈夫かと過る不安を何とか進むことでごまかしていました。
迂回路から抜けて国道1号に再びかかったところ、みかん色を纏う見覚えのある方が…!
共に一桁国道キャノンボール制覇に挑戦されているむらちさんが迎撃に…!
目指す先が同じで、私よりも遥かに走力のあるロングライダー。ここ一番で気合を入れなきゃと思っていたところ、本当に心強かったです…!
そこから続けて名古屋市内であまとうさんが迎撃に。
同じ果南推し、2月のあわしまマリンパークを共にした戦友。
補給食やお水までいただけ、本当にありがたかったです…!
志を同じとするお二方からしっかり背中を押していただき、もう退けない、しっかり期待に応えねば…!と改めて気合を入れ直し前進。
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名古屋を抜けてからは国道1号を引き続き走行、そしてここからは追い風区間。
信号峠も緩くなるため、ここで一気に攻めに出ました。
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400km(沼津ー三島ライン)を17時間と想定していたので、ここまでと同様のペースをキープできるかが不安に。箱根に日付変更辺りで差し掛かるよう、やむなく少し想定ペースを変更。
静岡は三島までは通したことがあれど、三島以東はほぼ走行経験がないため、殆どが未知数。
この判断で大丈夫か…と不安も抱えつつ前進。
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何気に2度の通過経験があるもスルーしてしまっていたキャノンボウルも納められました( ˘ω˘ )
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豊橋からの県道を通して静岡県入りも難なくクリア。
↑の看板で県境看板の見落としに気付きました/(^o^)\
夕方にかかり渋滞が懸念される中、浜松市入り。
浜名湖から天竜川も難なく通過、ここで丁度折り返しとなる260km地点。
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残り13時間で260km。
ここに来て要求グロスを20km/hまで落とし込めていたことが分かり、心構えが一気に楽になりました。
ただ、ここからは夜間走行。日の入りが普段よりも早いことに違和感を覚えながらも、気を引き締めて。
そして274km地点のファミリーマート 豊田町弥藤太島店で第二エイド。補給兼夕飯を摂り小休憩。10分ほどして再スタートしました( ˘ω˘ )
中盤戦② (400km地点まで / 磐田~三島)
リスタートしてすぐに掛川入り。
ここでガナさんが行路で待っていてくださいました…!
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諸々補給を持ち寄っていただいており、ありがたくいただくことに。(ガナさんのバナナをありがたく…)
ここから先にかかる中ボス・金谷峠に向けて気を引き締めるところ、しっかり背中を押していただけ、本当に力になりました…!
8月にガナさんが福岡に自走で来られた際は私のホームで、今回はガナさんのホームで。
違和感はあれど、こうやってロングライダーの輪が出来ることの凄さもしみじみ感じていました。
まるで試合中に全力の激励を背に受ける学生を思い出すほどの力強さをいただけ、受け取った想いを乗せて再度スタート。
ここからは先に控える沼津に向け、私の大好きなラブライブ!サンシャイン!!の楽曲をお供に、全身全霊で…!
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次に控える登坂セクションは大一番、箱根峠。
『大丈夫、この一年は特にヒルクライムを頑張ったけん』まだ見ぬ不安を拭うために心を落ち着かせつつダウンヒル。
ここから箱根までは大きな登りもないため、ひたすら垂れる手前のペースで前進。
島田市内を走行中、ふと呼び止められたので一旦止まると、なんとなるさんご夫妻が待ってくださっていました…!
キャノボもウルトラディスタンスもこなされている屈指のロングライダーから激励をいただけ、本当にありがたかったです…!
一方、絶対24時間を切って走りきるぞ…ここまで想いを受けたからには退けないぞ…!と、覚悟とプレッシャーを半々に抱える節も。要求グロスに余裕があったゆえ、不安は徐々に和らいでいきました。
そこからは藤枝市を通過、宇都ノ谷峠も難なく通過でき静岡市入り。
由比にかかる手前の興津での迂回路入りも、走行経験があったため難なくクリア。ここまではほぼほぼ想定通り…!
…と、由比の踏切を抜け県道に入る手前の信号でお一人のローディーの姿が。
時刻にして21時を過ぎた頃、走行されるとすればキャノンボールかブルベか、はたまた近場の方の夜練か…。
ただ、同日の大阪発キャノンボール挑戦者は私よりも1時間近く前にスタート、追い付く可能性はないと頭にあったことや、沼津に着くまでの要求グロスが頭を先行していたので話しかける余裕もなく…
(ここで私に話しかける余裕があれば、後の展開がもっと激アツになっていたろうな…と反省。キャノンボールに挑戦中のミルさんだと分かったのはその数時間後…)
由比の県道を抜け、富士川大橋を通して国道1号に復帰。
草木が生い茂っており通りづらいという前情報もありましたが、幸い整備後か綺麗にされていたので反対側の通路には回らず、そのまま通過。
初めて沼津自走をした際には静岡の迂回地獄を熟知しておらず、偶々ここを歩道で通していたことを思い返していました。
そのまま東に直進、そして沼津市の看板を通過。
千本松原を潜り抜け、市街地に。
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23:30、393km地点の沼津駅着。
箱根峠の前、何としてもラブライブ!サンシャイン!!要素は入れ込みたいと思っていたので、一番分かりやすいランドマークとなる沼津駅を通すことにしていました。
何とか400kmで17時間に大きくは遅れを取ることなく来れていたので、深夜帯に備え最後の補給をするべく、397km地点のローソン 沼津大岡店で第3エイド。
…ここで身体の異変に気付く。
走り込むことに集中しすぎて、補給が疎かになり胃が固形物をほぼ受け付けなくなっていました。
ここでの補給が一番肝心なのに、よりによって…と焦りを覚えながらも無理やりおにぎりを水で押し込み、補給食も無理やりに。
良くないとは分かっていれど、摂らないと後がもたない。
(お味噌汁やうどんなど、胃に優しい温かいものの選択肢を、こういう時は時間が押してでも摂るべきというのは後ほど学んだ教訓)
ましてやここからは800m upのヒルクライム。いくら登りに慣れているとはいえ、400kmのダメージは軽くない。
…と、不安が一気にかかる中、興津で追い抜いたローディーが同じコンビニにピットイン。
ふと見ると、朝にXで見かけた大阪の元標に立たれていた姿とバイクが一致。
お互いに大阪発のキャノンボール、しかも同じく箱根越のルートに挑まれるミルさんと判明しました。
大阪発の時刻、要求グロスは抑えられていれどここからは走行経験がなく諸々未知数など、お互いの状況をシェアしたところ、ミルさんがビハインドの状況を認識。
お互いを激励しつつ、お先させていただきました。
正直なところ、ミルさんと同じ状況だと私であれば時間内完走は難しいと考える場面。
大丈夫かな…と(お節介ながら)心配をしておりましたが、その考えは間もなくひっくり返されることになりました。
終盤戦 (箱根~終点・日本橋まで(525km地点))
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箱根峠ヒルクライム、開幕。
ここまで必死にマージンを稼いできたのは、ここで1時間はかかるであろう想定をしていたため。
3倍程度で、なるべく無理なく。
…と、勢い良く突き進むミルさんの姿が…!
エイド時に見かけた脚の仕上げ具合から、登りに長けているであろうことは何となく察しはついていましたが、ここまでの行程をこなしてからの迫真のクライムに驚きつつ(ついていったらまずもたないなと諦めつつ)、その後ろ姿に力をいただいていました。
とはいえ、ペースを崩す訳にもいかず、淡々と足取りを進めていきました。
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箱根峠、完。
約15kmのヒルクライム、想定通り1時間で攻略。
ここから登り返しがあり、国道1号最高地点に。
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深夜のヒルクライム、いくら国道とはいえ暗所が多くなる。とはいえゆっくり下るわけにもいかず…
葛藤を抱えつつ、安全最優先で可能な限りのスピードでダウンヒル。時に路面濡れがあったので、細心の注意を払いつつ。
(いつかはデイタイムの箱根と芦ノ湖に足を伸ばしたいな…)
箱根の下りを抜けて小田原市に。
ここからはほぼほぼ平坦、ごまかしがきかない…
先ほどの胃のダメージがじわじわと来ている状況。
とはいえ、止まるわけにもいかず、水と補給食を少しずつ、アミノバイタルでごまかしつつ。
…信号停止中、背中に一台の原付が近付いてきており。
やけに距離が近い。何だろう、深夜帯だからかな…と考えていると、横から見覚えのある方が…!
あっちゃんが迎撃にきてくださいました…!
近くとは伺っていたものの、時間帯も遅かったので迎撃はあってもゴール地点と構えていたので、驚きつつも嬉しかったです。
奇しくも胃に優しい補給や推しのグッズまでいただけ、しっかり背中を押していただけました…!
かつて内浦400で初対面なのに前を牽いていただいた強さを思い返ししみじみしながらも、その先に足を進めていきました。
それからはR134を通して江ノ島方面に。内浦400で通したルートと重なり、思い出補正が前に進む力になっていました。
平塚→藤沢と淡々と進み、信号峠の懸念所、横浜入り。
幸いまだ管制信号が変わる時間ではなかったか、そこまで思うほど足止めはされず。
東神奈川を通過するところでびいよんさんから迎撃をいただけました…!
ここで驚いたのが大阪ー東京キャノンボールのコンテンツ力。ここまでは知っている方々からの迎撃でしたが、初めましてな方からも迎撃をいただける、人を引きつける凄さを痛感しました。
懸念の横浜を抜け、夜明けにかかる前に川崎へ。
徐々に近付くタイムリミットを気にかけながら、最後の県境を目指す。
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残り1時間14分で東京都入り。
あとは日本橋までの残り16kmを走りきるだけ…!
決して無理ではない要求ペース、とはいえ油断大敵。
しっかりと夜明けの道と増えていく交通量に注意を向けながら前進。
ここでまた一人ローディーの姿が…!
先日大阪ー東京キャノンボールを達成されたkatsumiさんに迎撃いただきました…!
初対面だったのと終盤で思考がほぼ停止していたのか、お名前を伺い忘れる上に、
『(ほとんど残っていないのに)まだ脚あるんで少し停まるくらい大丈夫ですよ(`・ω・´)b』
と、ドヤってしまう始末…お恥ずかしい限りです/(^o^)\
とはいえ、本当の最終局面。
最後のひと押しをいただけたことが本当にありがたかったです…!
今まで見たことのない夜明けの都心の風景。
人通りが殆どない中を走るのは少し違和感がありつつも、徐々に近づいていく日本橋に向けて、心は躍りつつありました。
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大阪をスタートして、23時間45分後の11/4 6:17。
東京・日本橋、日本国道路元標に到着しました。
全行程:525.6km
獲得標高:3,208m
ゴールでは金継さん、つぼやきさん、酔猫庵さんがお出迎えくださいました。
朝早い中動いていただけ、ここでは書ききれないほど感謝しております…!
そして、箱根峠で迫真の走りを見せたミルさんとも合流!
無事24時間を切って完走されたということで、本当に良かったです…!
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ヒルクライムの御守りです\(^o^)/
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キャノンボールを知ってから一つの大きな目標であった、
『大阪ー東京キャノンボール』、無事24時間切りを達成しました!
あとがき
今回は一つの目標としていた『大阪ー東京キャノンボール』で24時間切りに挑戦。何とか一発クリアができました。
ただ、沼津までの迂回路を実走していたことや補給をいただけたこと、その他にも走行中にリアルタイムでルートに関する助言をいただけたり等、色んな方々からお力をいただけた故と思っており、それがなければ達成は難しかったと思っています。
とはいえ、今まで一桁国道で複数チャレンジをしてきた経験値は確かに活きており、今回の良かったところも反省点も今後に繋げていきたいと考えています。
拙筆ではありましたが、ここまでお読み下さりありがとうございました。
次戦、国道8号(京都ー新潟)キャノンボール。
一桁国道も後半戦。
来秋の挑戦とかなり先ではありますが、引き続き時間内クリアを目指します!