洗い張りのこと
洗い張りとは1度仕立てた着物をほどいて綺麗に洗って一反の反物に戻すこと。
もちろん切れている所はミシンでザックリつなげてます。
きものは最小限しかハサミを入れてないし、縫い代を切り落とさないので反物に戻ります。
で、その状態にしてうちにやってくる。
反物を開ける。
前の人がどうやって仕立てたかなんとなくわかる。
裁ち目がキレイだと少し安心。
キレイじゃないとボロボロ糸がほつれてたり、切り揃えないとならなかったり手間が結構かかるから。
それで気になるのが「切り目」
どうしてもミミがつってて切り目を入れないと仕立てられないものもあるんだけど、入れなくても良い切り目がよく見られる。
袖口の下のところ。↓
縫い代を反対側に倒す所。
洋裁では(NHKのすてきにハンドメイドを見てると良く出てくる)こーゆー箇所は切り目を入れるけど和裁では切らずに笹割りとゆうやり方で切らずに仕立てる。
切るやり方しか教わってない人もいるかも知れないけど。
でも切るとそこが弱くなるし、洗い張りして袖巾を広くしたい時に切り目のせいで出せない時もある。(今まで何度もあった)
確かに切る方が簡単だし早い。
昔、ある講習会で袖口を縫っていたらベテラン和裁士に笑われた事がある。
バカ丁寧だねー!切ればいいのに〜アハハ〜
と、何故か得意げに。
あとで聞いたらその方は仕立てがひどくて有名な和裁士だった。
で、今回うちにやってきた着物はガッツリ切れてた。↓
1.5cmも切れとる😮💨
ここから裂けていきそうでコワイ。
なのでしつけ糸で補修。↓
もちろん表には出ないよ。
こんなに切られてると縫い目は内側にしないとならない。幸運な事に袖巾は出せるので良かった。
こちらの生地は正絹のチリメンでしっかりしてて決してお安くないと思う。今回仕立てて、今後また洗い張りしてもまだまだ着れると思われ、次の和裁士さんに余計な手間はかけないように仕立てる。
と、カッコつけました😆
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