鍼灸師とリーダーとしての葛藤
2024年9月。
鍼灸パルシェは大きくなりました。
と、いってもまだまだ小さな鍼灸院ですが、
多くの方の目にとまる場所へ移動できたことは、
私にとっての大きな第一歩となりました。
「移転大変だったでしょ」
パルシェの優しい患者さんはいつもそう声をかけてくださいます。
場所も変わったし、
値段も変わったし、
『正直、前のままでよかったのに』
と思っている方も、きっと多くいるだろうなと思いながらも、
私の理想の鍼灸院の形を思い求めることを優先にしたわがままに
ついてきてくれた皆様に、心からの感謝しかありません。
本当に本当にごめんなさい。と、ありがとうを。
実は、移転自体が大変だったかというと、
大変だったけど、
私の大変さはそこではなくて…
この苦悩はきっと、
女性が活躍する時代において、
多くの女性が同じように感じている苦悩なのではないかと思い、
この大変さを書き留めておきたくて、久々にブログを書きたくなりました。
右脳と左脳をコントロールする大変さ
今現在も抱える私の苦悩はこれ。
2024年。
移転の準備を始めた段階から少しずつ感じていた難しさでしたが、まさに今、目の前に大きく立ちはだかっている大きな壁は、脳のコントロールです。
「え?…」って思いますよね(笑)
右脳は、感性の脳です。
イメージ力や記憶力、想像力。そして、五感を司るもの。
左脳は、計算力や論理的思考、分析力など
物事を冷静に判断するためのもの。
勘のいい方は、もうお分かりですね。
鍼灸師として、女性の患者さんとお話するということ。
五感(主に手の感覚)を使って、鍼を打つということ。
抽象的な概念の東洋医学を操るということは、
主に右脳をよく使います。
しかし、
経営的な部分、
仲間を指導したり、教育したりするということ。
患者さんの安全面を守るためにも、
冷静に課題点を見出し、指摘し、売上や経費と向き合う数字的要素は、
主に左脳がメインに。
この脳の往復が、非常に疲れる…
左脳と右脳を間違えると、
女性が苦手をする、理路整然と論づめする男性的要素が強く現れ、
相手に威圧感をあたえ、時に追い詰めてしまうことに。。。
よくある夫婦間の問題で、
「話しを聞いてもらいたかっただけで、解決策はいらないの!」
というのは、女性的な右脳と男性的な左脳のどちらで物事を考えているかによるものです。
どっちがいいとか、悪いではなく、
右利きか左利きか の違いくらい。
ずっと、右脳優先で仕事をしていた私ですが、
元はリケジョ。
数学が好きて、女の子より男の子を遊ぶ方が好きだった私は、
利き脳は左脳。
東洋医学でいうと、「陰中の陽」といった所でしょうか。
(女性というグループの中での、男性的要素が強いということ)
だから、鍼灸師という仕事につき、
全然向いていないことに気が付き、
(今でも向いていないと思っているくらい)
一生懸命、右脳を鍛えてきたように思います。
経営は、完全なる左脳。
見える課題と今見えないけど将来危ない課題を冷静に見極め、
課題解決を早急に行うことが求められます。
元々利き脳であった左脳のパンドラの箱を開けてしまった私…
必然と左脳がよく働くようになってしまったのです。
しかし、人は感情の生き物です。
正しさばかり押しつけられると、反発しか生みません。
論理的思考は、接客業に向いていません。
9月のオープン以来、
実は、全然患者さんとうまく心を交わせていない感覚がすさまじいんです。
鍼も、全然うまく打てている感覚がない。
これはきっと、
キャリアを重ねる女性は感じているであろう、
自分への違和感に繋がっているのではないでしょうか。
仕事で必要とされているのは、問題解決能力。
男性の上司とお話したり、何か分からないことにぶつかった時、
左脳を使い問題に立ち向かいます。
しかし、自宅に帰ると妻になり、母になり。
女性的なものが求められます。
左脳のまま家に帰ると、取っ散らかった自宅にイライラしたり、
抱えている問題にモヤモヤしたり。
右脳の自分であれば、母性として受け入れられることも、
左脳の自分は、受け入れられないことも。
2025年は、
私なりの右脳と左脳のコントロール方法を試し、
脳の安定を学ぶ1年にしようと決意したところです。
いろんなことがあり、
思考も行動も、あっちにいったりこっちにいったり。
迷ってしまうこともあるけれど、
立ち返るところは、パルシェのvision
「女性の月イチをごきげん時間にかえること」
そのために、ホスピタリティをもって患者さんに寄り添う鍼灸を。
私が一番寄り添えていない毎日ですが、
こんなときこそ、皆様から頂いた温かい口コミを見返して、
いつも原点に立ち返っています。
集客のためというより、
私の心の安定のために口コミがあるようなもの(笑)
2024年、皆様はどんな1年でしたか?
ガソリンが値上がりしようとも、
雪が降ろうとも、2025年はやってきます。
どうか少しでも、皆様のお役に立てていたのであれば。
そして、鍼灸のすばらしさを多くの方に知って頂ければ。
鍼灸のイメージが変わった!と言って頂けるのであれば。
私は大満足です。
皆様に寄り添いつつ、論理的でもあるリーダーを目指して。
来年も良い年になりますように…