このご時世、愛を語れば変態ですか
ここ数日、我が家の離れの屋根の上に瓦屋さんがいます。
雨が降ったり止んだりの天気なので、雨が降っては事務所で休憩してもらい、やめば登って作業してもらうという感じなので当初より日数がかかっています。
事の始まりは二年ほど前…
台風の影響で、離れの瓦が数枚吹っ飛んだんです。
一般家庭と同じくらいの高さの建物なのででっかい脚立に登って、鉄板と余ってた瓦で修復しました。
素人がやった修復なので、瓦屋さんにいい加減みてもらおうということでこの度、来てもらったというわけです。
自分の家の屋根に登る経験ってあんまりないですよね。
そこから見える景色は、ふだん自分が目にしている景色となんだか違う景色のように見えました。
目線が高くなるだけでこんなにも景色って変わるんだなと思ったことを思い出します。
作業は終わってるのにしばらくボーッと屋根の上にいました。
こんな文章を書きながら、先日夜中に一人で見た映画にも、登場人物が屋根の上で語るシーンがあったなと思い出しました。
『愛を語れば変態ですか』です。
当該のシーンは、黒川芽衣さんとチャンカワイさんのシーンですね。
この映画のタイトル最高じゃないですか?
私はタイトルに惹かれてこの映画を観ました。
結論から言うと、万人におすすめできる映画ではありません。
登場人物みんなちょっとおかしいです。
1時間ちょっとの短い映画ですが、冒頭から中盤までは少し我慢しなければなりません。少々イラッとします(笑)
それでも、この映画の主人公であるあさこさん(黒川芽衣さん)が素晴らしいです。
パワーワード連発で共感はできないけど、痛快です。
[あらすじ]
すべての男を愛す女、あさこ(人妻)。
翻弄される男たち。
ストーカー、ヤクザ、フリーター、夫、店員…
みんなあさこに魅了され、関係を持ってしまう。
夫、浮気相手、ヤクザ、憧れの存在…
あさこの本当の狙いとは…
いや、まじであらすじ短かっ(笑)
肩肘張らずに気軽に観てみるかくらいがちょうどいいのかな…と思います。
私は好きですけど、苦手な人は苦手だと思います。
以下、少々ネタバレになりますが劇中のあさこさんの印象に残った言葉たちです。
ざまあみろ!そこで愛に目覚めてろ!!
一瞬でも世界変えてみろ!!
みんなが愛を馬鹿にしている。
この時世、愛を語れば変態ですか!!!
愛を、私とオサムくんの二人だけでくくらないでくれないかな?
私が愛をばらまいて世の中丸ごと幸せにしてくるからさ!
私そこそこ美人だもん。美人とキスしたら幸せになれるでしょ?
私さ…もうとまんないんだよね!!
ねぇ、ずっとそこにいる気なの?
あさこさんのしていること、しようとしていることは共感できないけれど、視点を変えれば崇高なことなのかもしれないと思えてくるから不思議です。
「愛を語り行動にうつす人」ということには間違いはないんですが、やっていることは「愛を語る変態」に変わりないわけで…
ふだん目にしている景色が一変するような、そんな劇的な出来事はなかなか起きないけれど、少し目線を変えてみれば、案外といつも目にする景色が違った景色に見えるかもしれないよと、そんなことを屋根に登った思い出とこの映画から思いました。