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新型コロナウィルスの影響は、私たちの生活にすさまじい影響を及ぼしました。実際に罹患された方、もしくは罹患された方の近しい人は特に多大なる影響が出たと思われます。
身体的な影響も、もちろん計り知れませんが、意識の部分での変化も大きいと思います。
今までの生活様式を変えていかなければならない必要に迫られ、仕事のあり方、人との接し方、関わり方が大きく変化したと思います。
そうした状況の中で、現在は少しづつ以前の生活に戻りつつあり、安心はできませんが、戻りつつあることへの安堵感があります。
しかし、そういう思いがある一方で、以前の生活様式のまま、そのまま戻ることに少し違和感があることも事実です。
組織というのは、大なり小なり人が集まって形成されていくものです。
何かしら行事なりイベントをするとなると、ある程度の「形」ができあがってきます。
それが長年積み重なってのものもあれば、まだ日が浅いものもあります。
組織である以上、その「形」を変えていくことは本当に難しいことです。
現在の様な非常時においては、とまどいつつも変化の必要に迫られて、変わっていきます。
では、この状況が収束した時、そのまま元の状態に戻してもいいんでしょうか?そのまま戻していい場合とそうでない場合があると思います。
私がひっかかるのは、そうでない場合の方です。
組織が行うこととして、明らかに不合理な部分があるとします。
旧態依然として、変えていく必要がある部分があるとします。
じゃあ変えなさいよと思うかもしれませんが、簡単には変わりません。
変えることの労力よりも、不都合を理解しておきながらも、そのままにしておくことの方が、楽だからです。
組織が大きくなればなるほど、変わることは難しいです。
携わる人間が多ければ多いほど、変えることは困難になります。
変えること全部が全部、正義であると言いたいわけではありません。
問題なのは、考えることを放棄することです。
長年続いているやり方が必ずしもダメと言うわけではなくて、検討する、考えることをしないことこそが危険な状態だと思うわけです。
変わることを迫られた世の中で、果たして以前の状況に戻った時に、そのまま戻ることに私は危機感を感じずにはいられません。
様々な組織に属している身分として、
「このまんまでいいじゃん、無理に変えようとしないで去年と同じやり方でいいじゃん」とするよりも、変わる必要があるのか、変わる必要がないのかを検討し、議論を重ねる必要があるなとこの非常時の中で考えさせていただきました。