親に殴られて記憶をなくす
中学2年生の頃に面白い経験をした。あるとき親と喧嘩になって殴られた挙句、自分は家を飛び出たのだった。家を出たところまでは覚えているのだが、その先に何があったのか今でも全く思い出すことができない。布団の上で夢から目が覚め、嫌な夢を見たものだと感じながら、もう朝になったのかと体を起こそうとしたとき、実は既に座った状態だったことにまず驚いた。しかし、そればかりか現在進行形で親と会話をしているではないか。「大丈夫?」と声をかけられていた。それに対して自分は何かしら答えて会話は続いていたようだった。そのとき「いま目が覚めた。あれ?もう朝?」と自分は親に聞いたのを覚えている。自意識としてはいまこの瞬間に起床したと認識しているはずなのに体は無意識で何らかの行動をとっていたようだった。その記憶のないしばらくの間について何があったのか教えてもらった。家にいつまでも戻らないことを不審に思った両親が隣の駐車場に見に行ったところ、立ち尽くしたまま何かを呟いていて明らかにおかしな挙動をしていたらしい。連れ戻しても変な応答をしているのでずっと「大丈夫?」と呼びかけていたそうだ。こんな記憶の飛ばし方はなかなかないと思う。