Ver3 GT-Rは普通に走らせることが難しいって? BNR32購入記

我が家にやってきたBNR32。

「どんなもんじゃい!」と、とりあえず乗ってはみたものの、フィーリングはボヤっとしてて、いまいちピンと来なかった。「これがGT-Rか…思ったほど速くはないな…」まあ10万キロ走ってヤレてるからこんなもんかなと自分を納得させ、「リフレッシュしてガンガンに飛ばしてやるぜ!」そう意気込んでいた。

まずは健康診断ってんで、チューニングガレージに持ち込むことになっていた。そのチューニングショップまで行く道すがらRの洗礼を浴びることに…。

家を出て10分くらいだったろうか。急にクルマが「ガクン!」と言って前にも後ろにも進まなくなってしまったのだ。「?」エンジンは掛かっている、クラッチも繋がってるけど進まない。バックもできない。何かが抵抗になってるな…。恐る恐るクルマを降りて周りを一周してみる。

すると前輪が外れているではないか!!

ホイールナットの締めすぎだったのか、ボルトが5本とも折れてタイヤがホイールハウスの中で遊んでしまっていた。最初は何が起こったのか全く分からなかった。そりゃパンクなら無理矢理走らせて路肩に駐車することもできたが、ナットが折れてしまったら三輪車状態。にっちもさっちも行かないわけだ。

右フロントが着地した状態でレッカーが来るまで、待つ時間が長かったこと…。国道の真ん中で立ち往生し、押して移動させることもできない。ぺこぺこ頭を下げながら後続の車両を誘導した。もう笑うしかない…。

タイヤがない車両はレッカー移動も難しい。駆けつけてくれた苦笑いのスタッフに平身低頭、レッカー車の助手席に載せてもらいショップへと向かった。このときは助けて貰えるアテがあったからいいようなものの、これが普通の人でヤフオク辺りで買って来ていたら、レスキューを頼むにも、途方に暮れたであろうトラブルだ。民間のレッカーを呼んで修理工場に入れるとなれば、レッカー代と自分の足代はもちろんのこと、費用は待ったなしなので、自走して引き取れるレベルまでは直さなければならない。どんなに高い部品代だとしても支払って直して貰うしかない。

もともとタイヤはツルツル、ホイールはガリガリにキズが付いていたので交換する予定ではあったのだが、交換前に外れるとは思わなかった。「高速道路で一発試してみるか!」なんてことをしてなかったのが幸いだ。もし行っていたら…と思うと背筋が凍る。

結局、修理のついでにチューンアップすることに。タイヤ&ホイールは16から18へインチアップ。扁平35タイヤは高いけど見栄えもするしBNR34と共通になるので何かと便利だと思ったのだ。アドバンRGにネオバの265・35・18。ブレーキパッドも何を使っているか分からなかったのでプロジェクトミューのオールマイティタイプに交換。工賃の問題として、リフトアップしてタイヤホイールを外す作業になるのでブレーキパッド&フルードは同時にやった方がベターだろうと判断した。部品を1カ所ずつちまちま交換していると、共通の工賃が何度もかかってしまうので、やるときはまとめてヤル!ってのがセオリーだ。

これだけで60万以上吹っ飛んだ。「走れるようにした」だけで。

もちろん、どうせ修理するなら高性能品にということで、元々の部品ではなくチューニング予定だったモノを先に入れてはいるのだが、クルマ本体を80万で買って、初日に60万円が瞬殺されるとは…。(蛇足だけれど、これを純正ホイール&タイヤ、パッドにしても似たような費用だったと思う)


だが、このGT-Rという悪女はオーナーを苦しめる手を緩めることはなかった… 


つづく




かつて自分の血を沸騰させたスポーツカーと界隈の人間。その思い出を共有していただきたい、知らない方に伝えたいと、頑張って書いております。ご支援いただければ幸いです。