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生理学 心臓の構造と働き

こんにちは。

本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

久しぶりの投稿になります。
東京に続き、大阪も新型コロナウイルスの感染者が増加傾向になってきました。
恐らく近々に緊急事態宣言が発令されそうですね、、
ですが日々の勉強は怠らずにコツコツと進めていきます。
ただ、仕事への影響も大きい為、前回と同様に給付金をセットで発令して欲しいものです。泣


さて今回は心臓の構造と働きについてをまとめていきたいと思います。

1)心臓血管系

a.大循環(体循環)と小循環(肺循環)

肺循環;右心室→肺動脈→肺毛細血管→肺静脈→左心房
→肺循環によって血中のCO2が肺より呼気中に排出され呼気中のO2が肺より血中に取り込まれる
体循環;左心室→大動脈→各器官→大静脈→右心房
→体循環によって組織へのO2や栄養素の供給、組織からのCO2や老廃物の除去が行われる

★心臓から流出した血液が心臓に戻るには、安静時の成人の場合約1分を要する。また、体循環系の動脈の血圧は高いが、肺循環系の動脈の血圧は低い。
★血液循環の分布割合
脳(15%)、心臓(5%)、肝臓(26%)、腎臓(25%)骨格筋(17%→運動時は80%を超える)

b.動脈と静脈

心臓から出る血液を運ぶ血管は全て動脈と呼ばれ、心臓へ血液を送り込む全ての血管は静脈と呼ばれる。一方、O2に富む鮮紅色の血液は動脈血と呼ばれ、CO2に富む暗赤色の血液は静脈血と呼ばれる。つまり、体循環系の動脈は動脈血を、静脈は静脈血を運ぶが、肺動脈は静脈血を、肺静脈は動脈血を運ぶ。

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2)心臓の構造と働き

・心臓の構造・働き
心臓は握り拳ほどの大きさで心筋と呼ばれる特殊な横紋筋により構成される。右心房と左心房の間は心房中隔、右心室と左心室の間は心室中隔、右心房と右心室の間は3枚の弁膜から成る三尖弁によって、左心房と左心室の間は2枚の弁膜から成る僧帽弁(2尖弁)によって隔てられる。さらに、左心室と大動脈の間には大動脈弁、右心室と肺動脈の間には肺動脈弁が存在する。

a.心筋の特性

心筋は収縮に適した固有心筋と、興奮の発生と伝導に適した特殊心筋に大別される。心筋細胞は枝分かれをしており、しかも多数の心筋細胞が互いに介在板によって吻合している。介在板にはギャップ結合という特殊な構造があり、電気的な興奮が1つの細胞より隣の細胞に容易に伝わる。ただし、心房と心室の心筋は結合組織によって隔てられており、刺激伝導系によって飲み興奮が伝えられる。そのため多数の細胞から構成される心房と心室は各々があたかも1個の細胞のように機能する。心房・心室の心筋細胞を全体として機能的合胞体と呼ぶ。
また、心臓が大量の血液で充満して心筋が伸展されると、心筋はその伸展の度合いに応じて大きな収縮力を発生する。これをスターリングの心臓の法則と呼ぶ。
→この心筋の持つ特製により、右心房に流入する静脈血の量(静脈還流量)が多いほど心臓の拍出量が増加することになる。
(※下図では、「心室」に血液が満たされればされるほど〜、と記載されていますが正しく言えば、まず初めに「心房」への静脈還流領が増えれば増えるほど〜です)

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b.刺激伝導系

心臓は体外に取り出しても自動的に拍動を続ける。この規則正しい律動的拍動のリズムは大静脈(上大静脈)と右心房の境界近くにある洞房結節の細胞で発生する。ここを歩調とり(ペースメーカー)あるいは歩調とり細胞(ペースメーカー細胞)と呼ぶ。洞房結節の細胞に発生した興奮(電気的活動)は心房筋に伝えられて心房を収縮させる。心房筋の興奮は右心房の下方で右心室との境界近くにある房室結節の細胞に伝えられ、さらに心室中隔を走るヒス束に伝播する。ヒス束に伝えられた興奮は、右脚左脚、さらに枝分かれしたプルキンエ線維を通って心室全体に伝えられて心室を収縮させる。
※洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚/左脚→プルキンエ線維は特殊に分化した心筋(特殊心筋)によって構成されており、刺激伝導系と呼ばれる。

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c.心機能の調節

 (1)心周期

心拍動の周期を心周期という。心周期は心室の収縮・弛緩に従って収縮期と拡張期に分けられる。
・収縮期→等容性収縮期駆出期
・拡張期→等容性弛緩期充満期

・等容性収縮期
心室の収縮が始まってから動脈弁が開くまでの期間。房室弁と動脈弁の両方が閉じている状態で心室が収縮する。このため、心室内容積は一定心室内圧が上昇する。
・駆出期
心室内圧が動脈圧を超えると動脈弁が開き、血液が動脈に駆出される。心室収縮が終わると心室内圧が低下し始め、動脈圧よりも低下すると動脈弁が閉鎖する。
・等容性弛緩期
動脈弁が閉鎖してから房室弁が開くまでの期間。房室弁と動脈弁の両方が閉じている状態で心室が弛緩する。このため、心室容積は一定心室内圧が下降する。
・充満期
心室内圧が心房内圧より下降すると房室弁が開き血液が寝室に流入する。この時期には動脈弁は閉じており、血液は心室に充満する。

心周期は約0.8秒(心拍数75回/分の場合)である。この内収縮期は約0.3秒、拡張期は0.5秒持続する。 

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 (2)心音

胸壁に聴診器を当てると心臓の拍動ごとに発生する音を聞くことができる。これを心音という。

・第1心音
収縮期の開始時に発現するやや低い周波数のやや長く続く音で、心尖部(心臓の下部尖端)で聴取される。主に房室弁の閉鎖により生じる。筋の収縮音、動脈内の渦流なども関係する。
・第2心音
拡張期の開始時に発現するやや高い周波数の短い持続性の音で、心底部(心臓上部の大血管が出入りする部分)で聴取される。主に、動脈弁の閉鎖によって生じる。動脈壁の振動なども関係する。
・第3心音
心房から心室への血液の流入によって生じる音で第2心音の後に心尖部でかすかに聞こえることがある。

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(3)心拍数

1分間の心臓の拍動数を心拍数という。正常成人の安静時の平均心拍数は約70回/分(60~90回/分)である。心拍数が正常より高い場合を頻脈、低い場合を徐脈という。

(4)心拍出量

一回の心臓拍動によって左心室から拍出される血液量を一回拍出量という。正常成人の安静時で1回拍出量は70~80ml程度である。
1分間の拍出量を毎分拍出量といい、1回拍出量×心拍数で求められる。一般に心拍出量といった場合には毎分心拍出量を示す。
例えば心拍数が70回/分の場合、心拍出量は70ml×70回/分で約5ℓである。
激しい運動をすると、毎分拍出量は約25ℓにも達しうる。


d.心電図

●心電図の波形
心筋は収縮に先行して活動電位を発生する。心筋の活動電位の総和を体表から記録したものが心電図である。心電図は、興奮の電動の異常期外収縮などの不整脈心筋虚血などの心臓の異常の診断に広く用いられている。
また、心電図にはP、Q、R 、S、T波と呼ばれる波が心拍動を伴って規則正しく出現する。
P波=心房興奮QRS群=心室興奮開始T波=心室興奮消退の過程を表す。

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(1)心電図の記録方法
心電図の記録には通常、標準肢誘導(3誘導)増幅単極肢誘導(3誘導)単極胸部誘導(6誘導)からなる合計12誘導が用いられる。

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(2)心筋の電気現象と心電図
洞房結節に発生した興奮(活動電位)は、まず心房筋を興奮させて心電図上のP波が形成(脱分極)される。次いで、活動電位は房室結節に伝わり心室筋が興奮してQRS群(脱分極)が現れる。QRS群はP波に比べて波形が大きい。続くT波心室筋の再分極に一致する。


e.心臓の神経支配

心臓は自律神経が分布しており、自律神経には交感神経副交感神経(迷走神経)がある。
自律神経は①心拍数②興奮伝導速度③心筋収縮力を変えることによって心臓の活動性を調節する。

★交感神経が亢進 (上部胸髄→心房→洞房結節→房室結節→心室へ分布)
①心拍数;増加 ②興奮伝導時間;短縮 ③心筋収縮力;増大
★副交感(迷走)神経が亢進 (延髄→洞房結節と心房へ分布)

①心拍数;減少 ②興奮伝導時間;延長

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以上、今回は心臓の構造と働きについてまとめました。

間違っている点や、気になる点があれば気軽にコメントしてください。

本日もご覧いただきありがとうございました。

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