衛生学・公衆衛生学 産業保健(労働における環境や健康、災害とその対策)
こんにちは。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
緊急事態宣言が発令されるということで、現在私が通っている専門学校が今週から再度リモートでの授業となりました。
初めは、また自宅学習か〜、、
と少し落ち込んでいましたが後期テスト前ということもあり、逆に学校に行かなくても自分でテスト範囲をまとめたりする方が効率よく勉強できているな!
と実感しています。
学校が無いからと怠けずに、今できることを精一杯頑張りたいと思います!
さて、今回は産業保健(労働における環境や健康、災害とその対策)についてまとめていきたいと思います。
1)産業保健の意義・目的
産業保健の意義
人々が働く環境を適切なものにし、労働災害や職業病を防ぎ、いっそう健康に生きがいを持って働けるようにする学術や活動のこと。
※産業保健≒労働衛生≒産業衛生≒職業保健→様々な言い方があるがどれも同じ意味
産業保健の目的
①労働や職業に従事することによって生じる傷病を防ぐこと
②発生した傷病者を再び就業できるようにすること(リハビリテーション)
③労働者をその人に適した職場に配置して一層健康に生き生きと働いてもらうこと
・産業保健の直接の対象者
→労働力人口は6899万人(15歳以上人口のうち就業者と完全失業者を加えたもの)
2)労働衛生行政
労働衛生行政機構は
・国の厚生労働省労働基準局
・その直轄機関である47都道府県には労働局(労働基準監督署やハローワークの統括)
・その下に労働基準監督署(357箇所あり窓口的な第一線機関で、労働時間/賃金/労働災害の防止/健康診断などの状況について監督指導を行う)
といった各機構が設置されている。
■産業保健活動は、①労働基準法と②労働安全衛生法により定められている
①労働基準法(労働基準に関する活動);労働条件、労働災害補償が対象
例)15歳未満は就業禁止
18未満は時間外労働/休日労働/深夜労働禁止(22時~5時)/妊産婦の就業制限など
・労働条件
労働者の保護の立場から、労働時間/休憩/賃金など勤労条件に関する最低限の基準を定めており、労働者を使用する全ての事業所において適応される。
・労働者災害補償保険法(労災保険)
労働災害や職業病が起きた場合、その治療や休業補償、死亡した場合は遺族給付などがなされる。
②労働安全衛生法(労働者の健康管理に関する活動);健康診断・相談、産業医の研修・支援、職業性疾病が対象
→労働災害の防止を目的として、主に労働者の健康管理に関する活動を規定する法律である。
●産業保健の3管理(労働安全衛生対策の基本)
(1)作業環境管理;
有害要因を作業環境から除去する。
衛生基準(許容濃度、管理濃度)を定め、絶えずチェックする
(2)作業管理;
労働者の作業そのもの(内容•方法)を管理。
職業病予防の立場から、作業方法•姿勢•時間など作業自体を管理し、作業環境の悪化と労働者への影響を少なくすることを目的としている。
(3)健康管理;
健康診断と保健指導を行う。
健康診断などによって健康障害の早期発見に努め発生原因を見つけ取り除くこと。
※これら3管理に加え、更に(4)労働衛生教育、(5)総括管理の重要性が指摘されている。
3)労働環境と健康
労働環境
・昔の鉱山を掘る人の多くは石の粉塵を吸入して珪肺にかかり死んだ。
・製鉄業で働く人はよく熱中症で倒れた。
・板金工で働く人は酷い騒音の為、職業性難聴にかかっている人も少なくない。
住居や学校などの一般環境と比べると、労働環境は上記のように有害で危険な環境が多い。
■労働環境の要因は大きく4つに分けられる
①物理的環境要因 (主に職業病や職場の快適さに関係)
気温、気湿、音、照度、振動、気圧、放射線、赤外線など
②物的環境要因 (主に労働災害に関係)
道具、PC、機械、原材料、設備、建物、製品、商品など
③化学的環境要因 (主に職業病や職場の快適さに関係)
粉塵、ガス、ミスト、煙、ヒューム、金属、化合物、有機溶剤など
④社会的環境要因 (主に精神の健康や生きがいに関係)
人間関係、職場の組織と制度、労働団体、就業規則、医療保険など
★これらの環境要因を維持・改善するためには、それぞれの要因がどの程度その労働環境に影響しているのかを把握しなければならない。
まちまちの方法で測定したのでは比較が困難なので、作業環境測定法という法律を作って下記のような標準的な測定方法の普及がはかられている。
■労働環境の評価指標
・許容濃度(許容閾値)
労働者が有害物質に1日8時間、週40時間程暴露されても、この数値以下であればほとんどの労働者の健康上に影響がみられない濃度。
・最大許容濃度(天井値)
急性中毒の恐れがあるため作業中いかなる時点でもそれ以上の濃度になってはいけない値。
作業条件と時間
古くから1日24時間のうち、8時間働き、8時間睡眠し、そのほかを8時間とするのが望ましいとされている。中でも、深夜勤などは生理的リズムを乱すので心身に与える影響が増えてくる。このため少年(18歳未満)の深夜業は労働基準法によって原則として禁止されている。
心身の状態を多面的に評価する方法の一例として
・新職業性ストレス簡易調査 (下図)
・健康チェック票THI (The Total Health Index)
などがある。これらは個人の心身の状況、健康状態、生活習慣などを多面的にかつ客観的に知ることができる評価法の一例である。
4)労働災害とその対策
・労働災害(労働過程での事故による労働者の死亡や健康障害)の派生すうは行政、企業、労働者などの努力によって、死傷者は1980年以降急激に減少した。
労働災害は長期的には減少を示しているが今も全国で12万人を超える労働者が被災している。
・労働災害の多発する業種は、一般貨物自動車運送業、港湾運送業、林業、建設業などで、動力や人力を扱ったり動かしたりする時に墜落、転落、挟まれ、巻き込まれ、飛来、落下、店頭、衝突などで受傷する場合が多い。
以上、今回は産業保健(労働における環境や健康、災害とその対策)についてまとめました。
間違っている点や、気になる点があれば気軽にコメントしてください。
本日もご覧いただきありがとうございました。