アスレティックトレーナーの現状(コロナ情勢を絡めて)
みなさんこんにちは。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
世の中は相変わらずコロナによる感染拡大がおさまらず、その上、先日の九州地方では台風10号による災害が起こるなど、どこも大変な状態です。
こういった状況に社会全体は適応し始め、最近ではテレワークやオンラインでの仕事が増えてきているように感じます。
そんな中アスレティックトレーナーも同様に、様々な制限のもと日々活動しています。
今回はアスレティックトレーナーとしての仕事における現状を少しでもお伝えできたらと思います。
現在私自身、個人事業主として活動しており、大学のトレーニング施設や中学校の会計年度任用職員として部活動の指導などに関わっています。
なので、一アスレティックトレーナー、一指導者として働いている私を例にお話ししていきます。
まずは大学での、働き方や対策・実際について
大学ではトレーニングセンターという施設で、様々な部活(男女ラグビー部、アメフト部、男女サッカー部、チアリーディング部、野球部、洋弓部、ラクロス部、バスケ部など)の部活生を対象に指導を行なっています。
主な業務内容としては
①怪我をした選手を復帰に向けてサポートしていく段階的なアスレティックリハビリテーションの作成・指導や医師との連携
②更なる競技力UPをサポートする為のストレングス&コンディショニング指導
③選手が安全に競技に取り組めるようにスポーツ現場の安全確保・管理
④テーピング・物理療法(超音波治療や電気治療)
⑤データ集計(怪我発生率の算出やトレーニング数値のデータ化)
などなど、、上記の内容以外にも様々な業務があります。
これまではトレーニングセンター施設内にて、上記のような業務を行う事がほとんどでしたが
コロナの影響後は、施設内で業務を行うことはめっきり減りました。
じゃあ、どこで働いているかというと、グラウンドや体育館といったいわゆる
「現場」での業務が中心となってきています。
なので業務の全体を占める割合も少しづつ変化しました。
③選手が安全に競技に取り組めるようにスポーツ現場の安全確保・管理
↑
現在はこの部分に一番注力してサポートしています。
そのため、コロナ流行後から選手が練習に参加できる為には、
・活動する直近の2週間にかけて発熱や咳、味覚異常といった諸症状が出ていない
・家族や知り合いに感染者が出ていない(濃厚接触者で無い)
他にも細かい条件は多々ありますが、こういった条件をクリアした選手のみが練習に参加することができます。
なのでトレーナーは、選手の安全を確保するため
選手が毎朝記入したこれらの項目を日々チェックし、体調に気になる選手がいた場合は監督や大学側に連絡し保健所への連絡を促す
といった業務から1日は始まります。
そして練習時間中は、グラウンドや体育館に常駐し体調不良者が出た場合や怪我人の対応に追われます。
これまでは、怪我をした場合はすぐに我々トレーナーが駆け寄り応急処置を行なっていましたが、今ではフェイスマスク・手袋などの着用が必須になります。
どこが感染経路となり人への感染に繋るかなどは分からないので、こういった細かいところにも気を配った上で対応しなければなりません。
現在、現場で一番難しいと感じるのは、
「この症状は熱中症による症状なのか、コロナによる症状なのか」
といった判断です。
明らかな高体温などで重度の熱中病症状を疑う場合は直ちに体温を下げるための処置をとり対応することができますが、
「頭がボーッとする、ちょっと倦怠感や吐き気があります」
「実は最近少し熱っぽくて、、」
「昨日バイトで全然寝れてないんでしんどいです」
といった様々な訴えをしてくるので判断にとても迷います。
もし軽度の熱中症症状や単なる寝不足であれば体温を下げる・休ませるよう対応し回復に努めさせますが
コロナ感染による症状であれば、部の共有場所(クラブハウス)や共有備品(アイスバス・イスなど)を用いて長時間他の選手と滞在させることはよくありません。
いち早く隔離できるスペースを確保し、最適な対応をしなければなりません。
この判断などは現場では判断することは不可能な問題なので、常に2、3歩先のことを考えて対応しなければなりません。
んん〜、ホントにとても責任重大で難しい仕事です、、
また、各部活団体における練習内容もSTEP1~3と段階付けられており、様々な厳しい制限がある中での練習なので
指導者・選手を含めたみんながむず痒い思いをしています。
なんとか腐らずモチベーションを保ち、怪我なく競技に順応していってもらいたいですね。
「いかに選手が安全にスポーツに取り組める環境を作るか」
この部分を考えて環境を整えていくことが今一番、トレーナーとして大学側から求められている部分だと思います。
次に、中学校での働き方や対策・実際について
中学校ではスポーツ再開するにあたり大学ほど細かな条件はありませんでした。
練習強度の設定や、コンタクト練習開始の時期など明確化されていないので、各部活の指導者の考えによって異なっていたのが実際でした。
私の指導している男子バスケットボール部ではJBA(日本バスケットボール協会)が出したガイドラインに沿って練習を進めていましたが
やはりコンタクト禁止の期間や細かな制限が多くとても歯痒い思いをしたのを覚えています。
生徒達からはよく
「バスケはコンタクトするスポーツなのに1on1も出来ないの?」
「大会も近いのにずっとシューティング?もっとゲーム形式の練習がしたいです」
といった多くの声が日々あがっていました。
飽きさせないような筋力トレーニングやスキル練習などを工夫させながら行い
段階的に練習させていましたが、これがなかなか大変です。
ここでは指導者として関わっているので、
「いかに生徒達が飽きずに、腐らずに競技そのものを楽しみながら基礎体力を戻していけるか」
この部分を考えながら指導に当たっていました。
これからの一番の指導における理想は
「指導者がごちゃごちゃと細かいことを言わずとも、生徒達が楽しみながら競技に打ち込み、どうやったら上手くなるのか考え、知らない間に競技能力や競技IQが上がっていました。」
くらいの感覚で良いのかな〜と僕は思っています。
全国1を目指すようなチームならまだしも
今の学校・保護者・生徒から求められる指導者の能力って、そういうものとは違うんじゃないかな〜
と感じています。
ここに関してはまだまだこれから考えていく必要がありますが。
とまぁ、無事に大きな怪我人なども出ずに、ステップアップすることができ今に至っています。
先日から秋季総体の予選が始まり、3年生の引退をかけた大会も迎えることができました。
なかなか悔いの残る試合でしたので
指導者としてはもっとやってあげれたことがあったな〜と終わってから反省。
3年間部活にかけていた思いは部員によってそれぞれで
「これまで日頃からもっとしっかり練習しておけばよかった。もっとみんなとバスケをしたかった」
と悔しい気持ちで目元を赤める3年生。
その姿を見て、
「俺たちは絶対来年同じ思いをしないぞ。明日から練習頑張ってやる。」
と目を輝かせながら今後について考える2年生。
「指導者として、常にチーム(部員全員)を同じ方向に向かせて引っ張る」
↑
これが正しい姿だと信じて疑っていなかったのですが
本当にみんな同じ方向を向かないといけないのかな〜
別に人それぞれ違う目標を持って競技に取り組んでも良いんじゃないかな〜
みんな別々を向いてても最終的な到達点が同じだったら良いんじゃないかな〜
なんて色々と深く考えれば考えるほど答えなんて出てこないのに悩んでしまいます。
でも、やっぱり考えて試行錯誤することが大事なんだと思います!
学生スポーツはやっぱり素晴らしいものです。
プロスポーツと違って競技に打ち込める時間が決められています。
中学・高校なら3年間。大学なら4年間。
とても長いようであっという間に過ぎ去る時間だからこそ
1日1日を大切にして何事にも挑戦していって欲しいですね。
少し話がそれてしまいましたが、一アスレティックトレーナー、一指導者としては現在このような形で日々仕事することができています。
また私自身、鍼灸師の資格取得を目指す学生でもあるので勉強も怠らず取り組んでいます!
以上、今回はアスレティックトレーナーの現状についてまとめました。
本日もご覧いただきありがとうございました。