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医療概論 医療従事者の倫理

こんにちは。

本日もご覧いただきありがとうございます。

これまでアスレティックトレーナーとして、「医療」という分野を学び、医療に関係する場で働いておりましたが、現在の学校で学ぶ「医療とは」といった部分については学べば学ぶほどいかに自分が無知な状態だったのか日々知らされます。
今後は鍼灸師として、医療に関わる医療従事者として
もっともっと勉強せねば、、

さて、そんなこともあり今回は医療概論の「医療における倫理」についてまとめていきたいと思います。

医療従事者の倫理

倫理とは
倫理とは道徳の起源・本質・根拠に関する記述、またはそれらを明らかにする学問とされている。つまり、なぜ「○○してはいけないか」の理由・根拠に対する記述が倫理である。
倫理を学ぶという事は決して道徳や修身の教科書を丸暗記することでは無い。それは、実際の行動において自らが選択しようとしている行為が、どのような価値基準によっているか知ること、また逆に現実の行為選択において、自らの価値基準に照らして最も適切な選択はどれかを考えることである。

1)医療倫理

a.「プロ」とは何か
 元々はラテン語のproffessioに由来しており、「誓い」や「宣言」と
 いった意味であった。
 「プロ」とは神への誓いを前提にした専門職集団のこと。
  →この地位を与えられてきたのは、「医師」「弁護士」「聖職者
   の3つに限られていた。

b.ヒポクラテスの誓い
 ヒポクラテスは紀元前5世紀にエーゲ海のコス島に生まれたギリシャ
 の医師でそれまでの呪術的医療と異なり、健康・病気を自然の現象と
 して考え、科学に基づく医学の基礎を作った
ことで「医学の父」と称
 されている。彼の弟子たちによって書かれた「ヒポクラテス全集」
 は当時の最高峰であったギリシャ医学の姿が書き残されている。
 その中で医師の職業倫理について書かれた宣言文が「ヒポクラテスの
 誓い」であり、現代に至るまで語り継がれている。
 
この「誓い」では、
 ①徒弟制度
 ②健康保護
 ③平等の精神
 ④プライバシーの保護
 ⑤専門家としての尊厳

 などが主旨となる。

c.ジュネーブ宣言
 ヒポクラテスの誓いを現代的な言葉で表したのが「ジュネーブ宣言」
 である。

d.伝統的な医療倫理の問題点
・パターナリズム

 日本語では「父親」という意味である。ちょうど父親がまだ幼い子供
 の利益を考慮して、子供の自由を制限したり、何らかのことを強制し
 たりするのと同様にある人の利益になるという理由から他人がその人
 の自由を制限したり何らかのことを強制したりすることである。
 典型的には伝統的な医療者と患者の関係がこれに当たった。

2)医療者ー患者の倫理

a.ヘルシンキ宣言
 人を対象にした医学研究の倫理的原則を示した宣言。

b.患者の権利宣言 
リスボン宣言 医療の主体は患者であるとした宣言。
この宣言はインフォームドコンセント患者の自己決定権が二本柱になっており、これらを基軸に次のような患者の権利が盛り込まれている。

①医療上、最適且つ適切な治療やケアを受ける権利
②人権を尊重される権利
③プライバシー保証の権利
④医療上、情報・説明を受ける権利
⑤それに基づいて、医療内容を選択したり治療を拒否できる自己決定の
 権利
⑥関係法規と病院の諸規則などを知る権利

 医療の主体はあくまでも患者である。

 この考え方が上記の権利宣言に表現されている。

c.インフォームド・コンセント
 インフォームド・コンセントとは、全ての医療行為において医師が患
 者に対して受ける治療行為の方法、意味、効果、危険性、その後の予
 想、費用などを患者が理解できるように十分にわかりやすく説明し、
 その上で、患者の自由な選択としての同意を得なければならない事

3)医学ー社会の倫理

a.バイオエシックス
 バイオエシックスとは、バイオ(生命)+エシックス(倫理)の合成語で
 あり、「生命科学と医療の領域における人間の行為を、この行為が道
 徳的な価値と原則に照らして検討される限りにおいての体系的研究」

 と定義される。

b.SOLかQOLか
 ・SOL(Sanctity of Life):生命の尊厳
  人間の生命はそれ自体で神聖であり、尊厳を有するという考えのこ
  と。要するに、人間にとっては生命がある。生きているということ
  が最も重要な事であって、死んでしまっては元も子もないという事
  である。こうした考えは生命至上主義とも呼ばれる。
  これを前提にすると、治療の使命とはとにかく患者の生命を少しで
  も長くする事だということになる。

 ・QOL(Quality of Life):生命の質
  重要なのは生命がどれくらい維持されるかというよりも、人間がど
  のような人生を送るかだという考え
。つまり、単に生きているより
  もどのように生きるのかを重視するわけある。この考えは1950年代
  から普及しており、生命至上主義的であった従来の医療に異議を申
  し立てる原動力となった。

4)施術者としての倫理

a.医療制度
我が国の医療に関する法律、制度で、制度的医学として認められているのは、近代医学だけであり、近代医学の医師だけが「医行為」「医業」をすることができる
しかし、あん摩マッサージ・指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師は、近代医学の医師と並んで「医業の一部」を業となすことが国家資格において許可されている存在である。

b.患者の自己決定
「施術者も医療者と自己決定すべきである」
という事は「患者を知らしむべからず、依らしむべし」とした近代医学の古典的医師像に真似ることでは決して無い。現在から未来に向けて求められている医療者とは、「患者の自己決定」を前提とした「援助者としての医療者」である。

鍼灸師が「鍼のひびき」を大事にするように、全ての医療者は病人の病から解放を求める気持ちを一つ一つ拾い上げていかねばならない。

以上、今回は医療概論 医療従事者の倫理についてまとめました。

間違っている点や、気になる点があれば気軽にコメントしてください。

本日もご覧いただきありがとうございました。


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