心理学 ストレスと病気の関連(総論:治癒論)
こんにちは。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
さて今回は前回の記事の続きで、心理学 ストレスと病気の関連(総論:治癒論)についてをまとめていきたいと思います。
3)総論(治癒論)
治癒の定義
①「治癒は内方による」(ヒポクラテス;医学の祖)
・内方とは自然治癒力(自然回復力、自然再生力、自然修復力、、)
・治癒は人の内側からわき起こる現象
②治癒の目的は内方の向上
・外力の薬などはその補助薬に過ぎないが現代も主役と思われている
a)リラックス論(プラナ論)
①ストレスとリラックスは反対である
・ストレス(陰) ;心→緊張(興奮;アパナ)、精神→弛緩
・リラックス(陽);心→弛緩(鎮静)、精神→緊張(興奮;プラナ)
※患者と治療者はヨコ型のリラックス型人間関係が重要となる
→これを林床で特にラポール(意味は信頼関係)という。
②治療者に必要なリラックスの2大姿勢
1、受容;高次のプラナ意識で患者の状態をそのまま受け入れる
2、共感;無心や虚心の境地の状態をただ感じ取る
同情はストレス感染になるため禁忌(タブー)とされる
b)2大治療法
・治療法を2大別すると①根本療法と②対症療法に分けられる
→根本療法は原因療法とも言われ問題を根本から解決する方法
・緊急の場合は対症療法から開始し、根本療法で仕上げることが理想とされる
c)心理カウンセリング論
①ストレスの多い生き方にリラックスを取り入れる指導・教育・訓練
→患者のカタルシス(心的浄化)を含む
②言葉を道具とする
→ムンテラ(独語で対話療法)ともいい治療者は言霊の認識が重要
③治療者には患者の治癒イメージを先取りして想像する役割がある
→リラックスが深まるほどイメージは明確化し実現力を持つ
→治療後半では患者自身にも治癒イメージの練習を指導
d)心理療法(カウンセリングの種類)
・カウンセリングには大きく、下記の2つの心理療法が存在する
①非指示療法クライエント中心療法(指示はしない)
・治療者は積極的な傾聴の姿勢をとり、患者は自己理解と自己洞察を深める
②指示療法
・患者に解説・助言・注意をする、ごく一般的で常識な治療法
・治療者と患者はタテ型が多い
・その他の代表的な心理療法
①精神分析療法
フロイトの創始、自由連想法や夢分析などによって無意識に抑圧されているトラ
ウマ(心的外傷)を発見し解消
②行動療法
パブロフやスキナーの条件付け・学習理論を用いて不適応行動(病気)を適応行動
(健康)に変容。最近は認知行動療法に変化
③森田療法
森田正馬の創始、絶対臥褥と作業用法、あるがままを基調とする
④家族療法
家族全員参加により家族システムを変化させる
⑤家族カウンセリング
ストレス家族(3型)をリラックス家族に成長させる。家族の誰が参加しても良い
e)心理カウンセリングの実際
・第1回(セッション)が重要(約2時間)
→家族図などを作成しながらラポール形成
→総評と解説、家族カウンセリングの検討、次回予定の確認
・第2回以降(約30分~1時間)
→初回以降の変化に合わせ実戦課題などの解説と指導
→家族カウンセリングの実施とリラックス方の指導
f)リラックス法 その1
リラックス法の意義と意味
・治癒の主役である内方を高める方法
・精神的に緊張し心的に弛緩した状態を作りストレスを軽減する
①腹式呼吸法
1、呼気を重視して1回2~3分、1日2~3回練習
2、イス姿勢か仰臥姿勢で目は閉眼か半眼
3、リラックス効果は中程度
②ナンソの法
1、呼吸法+心身浄化のイメージ法
2、白雲禅宗の随筆「夜船閑話」に記載
3、白幽から1710年に伝授された方法であり、これで禅病(肺結核、自律神経失調
症、うつ病)を克服している
4、最高のリラックス効果
③自律訓練法
1、独のシュルツが創始、東洋的健康観の頭寒足熱も含まれている
2、副交感神経を刺激することを目的とした7公式の自己暗示
3、リラックス効果は浅く眠気を伴いやすい(睡眠障害には好適)
④弛緩暗示
1、閉眼で呼吸を整えてから身体各部の筋弛緩を自己暗示する
行動療法の漸進的筋弛緩法(ジェイコブソン)の改善法
2、頭部から脚部の方にかけて体を小分けにして実践、1日4~5分間
〈実践例〉頭の力が抜けた〜、額の力が抜けた〜、まぶたの力が抜けた〜、
首筋の力がぬけた〜、・・・足の裏の力が全部抜けた〜
3、中程度のリラックス効果
⑤体幹呼吸法
1、瞼を閉じ呼吸を調整して身体各部を客観的に眺める感じになる
2、痛みや不快感なども他人事のように景色でも見るかのようにサラッと受入れる
患部付近については細かめに行う。1日4~5分間
3、リラックス効果は最高レベルで深覚醒が得られる
⑥バイオフィードバック法
1、知覚レベル以下の身体生理的な反応を工学的に測定し、視・聴・触覚的に分か
りやすく即時に表示しリラックスを促進すること
2、指標はGSR(ガルバニック・スキン・レスポンス;電気皮膚反応)や、皮膚温、
EEG(脳波)、EMG(筋電図)、血圧(BP)、心拍数(HR)、呼吸数()RRなど
f)治癒プロセス
①治る道筋は一律ではない
・治療はステレオタイプ(常同型)の作業にはできない
②治りやすさと性格との関連
・治りやすい人(プラナ人間);柔軟で素直
・治りにくい人(アパナ人間);意地っ張りで感情的
③理想的な治り方
・病前より病後はストレス・トラランスの増強が望まれる
→長所は再発の減少だが長期の試練を必要とする
・人間的にたくましくなり性格のカドが取れて丸くなる人も出る
→成長し一皮向けて他の人に貢献できる人までいる
・1回の治療で瞬間的に治癒したような場合は急激な悪化がありうる
以上、今回は前回に引き続き、心理学 ストレスと病気の関連(総論:治癒論)についてまとめました。
間違っている点や、気になる点があれば気軽にコメントしてください。
本日もご覧いただきありがとうございました。