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生物学 細胞の働きと構造の基礎1

こんにちは。

本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

さて今回は、細胞の働きと構造についてまとめていきたいと思います。


1)細胞の発見と細胞

a)細胞の発見

・1965年;フックが細胞を発見。
 自作の顕微鏡でコルクの破片を観察し、多数の小室でできていることを発見し
 その小室を細胞と呼んだ。フックが観察したのは死んだ細胞の細胞壁であった。
・1674年;レーウェンフックが生きた細胞の観察や細菌などの微生物を発見。
・1831年;ブラウンが核を発見。

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b)細胞説

細胞説
→生物の体は全て細胞から出来ており、細胞は生物体の構造(つくり)と機能(はた
 らき)の基本単位である。
・1838年;シュライデンが植物に関する研究から細胞説を提唱。
・1839年;シュワンが動物に関する研究から細胞説を提唱。
・1858年;フィルヒョーが全ての細胞は細胞から分裂によって生じることを解明。

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2)細胞の大きさと長さ

a)細胞の大きさ

・人の肉眼で観察できるもの  【1mm(ミリメートル)】
 ニワトリの卵、人の坐骨神経のニューロン
・光学顕微鏡で観察できるもの 【0.2μm(マイクロメートル)】
 人の赤血球、核、葉緑体
・電子顕微鏡で観察できるもの 【0.2nm(ナノメートル)】
 細胞の微細な構造(リボソーム、ウイルス、DNA分子)

b)細胞の長さ

・1mm=1000分の1m=10(-3乗)m
・1μm=1000分の1mm=10(-3乗)mm=10(-6乗)m
・1nm=1000分の1μm=10(-3乗)μm=10(-9乗)m

3)細胞を構成する物質

a)細胞を構成する元素 ※人の体の場合

○生重量
 酸素(O)→炭素(C)→水素(H)→窒素(N)の順に多い
○乾燥重量
 炭素(C)→酸素(O)→窒素(N)→水素(H)の順に多い

※生体の大部分は水(H2O)であるため生重量と乾燥重量とでは元素の割合が異なる)

b)細胞の科学組成割合

・細胞の科学組成で最も多いのは(H2O)である。
・次いで多いのは、動物細胞ではタンパク質、植物細胞では炭水化物である。

C)細胞を構成する物質

a)水

・構成する元素;H、 O
・溶媒としていろいろな物質を溶かし、物質の運搬や化学反応の場として働く。
 (生体内で触媒として働く酵素は水に溶けて初めて働く)
比熱が大きく、体温の急激な変化を防ぐ。※水 1cal/g℃、鉄 0.1cla/g℃
 (比熱とは、物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量)

b)炭水化物

・構成する元素;C、 H、 O
・ グルコース(ブドウ糖)などの単糖類と、それらが多数結合した多糖類などに分け
 られる。主としてエネルギー源になる。セルロースは細胞壁の主成分になる。

①単糖類
 炭水化物の最小の構成単位

②二糖類
 単糖類が2分子結合したもの

③多糖類
 単糖類が多数結合したもの

c)脂質

・構成する元素;C、H、O、(P)※リン脂質に含まれる
水に溶けず有機溶媒(エタノール、アセトンなど)に溶ける物質
 脂肪はグリセリンと脂肪酸とからなり、エネルギー源となる。
 リン酸化合物を含むリン脂質は細胞膜などの成分となる。

①脂肪 (中性脂肪・トリグリセリドともいう)
 1分子のグリセリンと3分子の脂肪酸が結合。

②リン脂質・・・脂肪酸の1個がリン酸化合物と置換。
 1分子中に親水部(水になじみやすい;リン酸化合物の部分)と疎水部(水となじま
 ない;脂肪酸の部分)がある。
 また、細胞膜や核膜、ミトコンドリアの内膜や外膜、ゴルジ体の膜、小胞体の膜
 など生体膜の成分となる。

③糖脂質・・・脂肪酸の1個が糖に置換。

d)タンパク質

・構成する元素;C、H、O、N、S(硫黄)
・多数のアミノ酸がペプチド結合によって鎖状につながった高分子化合物。
 原形質の主成分であり、酵素、ホルモン、抗体などの成分にもなる。
・アミノ酸はアミノ基(-NH2)とカルボキシ基(-COOH)を持つ比較的小さな分子。
 生体のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類である。

この20種類のアミノ酸は、からだの中でつくることのできない必須アミノ酸と、からだの中でつくられる非必須アミノ酸とに大きく分けることができます。

○必須アミノ酸(9種類)
体内では合成されず、必ず食物から補給しなければならないアミノ酸。
※覚え方(語呂合わせ;風呂場椅子一人占め)
 1、フェニルアラニン
 2、ロイシン
 3、バリン
 4、イソロイシン
 5、スレオニン
 6、ヒスチジン
 7、トリプトファン
 8、リジン
 9、メチオニン

e)核酸

・構成する元素;C、H、O、N、P
・塩基と糖にリン酸が結合したヌクレオチドが鎖状に多数結合した高分子化合物。

★DNAとRNAがあり、DNAは遺伝子の本体、RNAはタンパク質合成に働く。

○DNA・・・デオキシリボ核酸
・塩基;A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)
・構造;二重らせん構造AとT、GとCが対になっている (相補性がある)
○RNA・・・リボ核酸
・塩基;A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、U(ウラシル)
・構造;一本鎖構造。伝令RNA。転移(運搬)RNA。リボソームRNA。

※DNAとRNAの塩基はT(チミン)、U(ウラシル)のみ違いがみられ、それ以外の塩基
 は同じである。

f)無機塩類

・多くは水に溶けてイオンとして存在し、細胞の浸透圧や働きを調節したり、生体
 物質の構成成分となる。

①リン(P)    ;骨や歯の成分となる。
②ナトリウム(Na);pHや浸透圧の調節、活動電位の発生に関係
③カリウム(K)  ;膜電位の発生に関係。
④塩素(Cl)    ;浸透圧の調節に関係。
⑤マグネシウム(Mg);クロロフィルの成分となる
⑥カルシウム(Ca) ;骨や歯の成分、筋収縮、血液凝固に関係。
⑦鉄(Fe)     ;ヘモグロビンの成分となる。
⑧硫黄(S)    ;システイン、メチオニンなどのアミノ酸の構成成分となる。


以上、今回は生物学(細胞の働きと構造の基礎)についてまとめました。

間違っている点や、気になる点があれば気軽にコメントしてください。

本日もご覧いただきありがとうございました。

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