経絡・経穴 十四経脈(足の太陰脾経〜手の太陽小腸経)
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今回は経絡経穴シリーズの正経十二経脈(足の太陰脾経〜手の太陽小腸経)までの範囲をまとめていこうと思います。
足の太陰脾経
足の太陰脾経は、足の陽明胃経の脈気を受けて足の第1趾内側端に起こり表裏の境目に沿って内果の前を通り、脛骨の後に沿って下腿内側を上り、足の厥陰肝経と交わって前に出て、膝を経て大腿前内側を上る。
腹部では前正中線外方4寸を上りながら、任脈、胆経、肝経に交わった後、脾に属し、胃を絡う。
さらに、横隔膜を貫き、胸部では前正中線外方6寸を上り、外に曲がって側胸部中央[大包]に至る。さらに上に向かい[中府]を通り、食堂を挟み舌根につらなり舌下に広がる。
また上腹部より分かれた支脈は横隔膜を貫き、心中で手の少陰心経に繋がる。
★取穴部位(重要穴)
・「三陰交」⇒ 脛骨内縁の後際、内果尖の上方3寸
・「陰陵泉」⇒ 脛骨内側顆下縁と脛骨内縁が接する陥凹部
・「血海」 ⇒ 内側広筋隆起部、膝蓋骨底内端の上方2寸
・「箕門」 ⇒ 膝蓋骨底内端と衝門を結ぶ線上。衝門から3分の1。縫工筋と長内転筋の間。大腿動脈拍動部
・「衝門」 ⇒ 鼠径溝。大腿動脈拍動部の外方
・「大横」 ⇒ 臍中央の外方4寸
・「天渓」 ⇒ 第4肋間=膻中、乳中と同じ高さ
・「大包」 ⇒ 第6肋間。中腋窩線上
★骨度
内果尖〜膝蓋骨尖 ⇒ 1尺5寸
恥骨結合上縁〜膝蓋骨上縁 ⇒ 1尺8寸
府舎〜腹哀 ⇒ 前正中線の外方4寸
食竇〜周栄 ⇒ 前正中線の外方6寸
手の少陰心経
手の少陰心経は、足の太陰脾経より脈気を受けて心中に起こり、心経(心臓、大動脈など)に属し、横隔膜を貫いて下り小腸を絡う。心中より分かれた支脈は上って咽喉をはさみ、目に繋がる。
本経は、心経から肺を経て腋下[極泉]に出て、上腕前内側、肘窩横紋の内端、前腕前内側、手掌を経て小指外側端に至り手の太陽小腸経に繋がる。
★取穴部位(重要穴)
・「極泉」⇒ 腋窩中央。腋窩動脈拍動部
・「少海」⇒ 上腕骨内側上顆の前縁。肘窩横紋と同じ高さ
・「神門」⇒ 尺側手根屈筋腱の橈側縁。手関節掌側横紋上
★骨度
極泉〜少海 ⇒ 9寸
少海〜神門 ⇒ 1尺2寸
手の太陽小腸経
手の太陽小腸経は、手の少陰心経の脈気を受けて小指内側端に起こり、手の内側、前腕後内側、尺骨神経溝[小海]、上腕後内側を上り、肩関節に出て肩甲骨を巡り、肩上から大鎖骨上窩に入り下って心を絡う。咽喉、食堂を巡ったのち、横隔膜を貫いて胃に至り小腸に属する。
大鎖骨上窩で分かれた支脈は顎をめぐり、頬に上り、外眼角に至り耳の中に入る。
頬から分かれた支脈は鼻を通って内眼角に至り、足の太陽膀胱経に繋がる。
★取穴部位(重要穴)
・「陽谷」 ⇒ 三角骨と尺骨茎状突起の間の陥凹部
※陽谷(小腸経)、陽渓(大腸経)、陽池(三焦経)は手関節背側横紋上に並ぶ
・「小海」 ⇒ 肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部(尺骨神経溝中)
・「天宗」 ⇒ 肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上。肩甲棘から3分の1にある陥凹部
・「秉風」 ⇒ 棘上窩。肩甲棘中点の上方
・「曲垣」 ⇒ 肩甲棘内端の上方陥凹部
・「肩外兪」⇒ 第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ。後正中線の外方3寸
・「肩中兪」⇒ 第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ。後正中線の外方2寸
・「天窓」 ⇒ 胸鎖乳突筋の後縁。甲状軟骨上縁と同じ高さ
※甲状軟骨上縁の高さで、胸鎖乳突筋の後縁に天窓、前縁に人迎(胃経)、中央に扶突(大腸経)が並ぶ
・「聴宮」 ⇒耳珠中央の前縁と下顎骨関節突起の間の陥凹部
※耳珠中央前縁と下顎骨関節突起の間に聴宮、聴宮の直上に耳門(三焦経)、聴宮の直下に聴会(胆経)がならぶ
★骨度
陽谷〜小海 ⇒ 1寸2寸
以上、今回は経絡・経穴 十四経脈(足の太陰脾経〜手の太陽小腸経)についてまとめました。
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