灰の境界線~第十二話~
「北の方角に強い気配を感じた」
ベルゼブブが告げる。それがボティスか、それともトルソに呪いを与えた悪魔かはわからない。
とにかくその方角に向かうことにした。
向かった先は、商店街だ。ここには、武器屋ミモレットもある。しかし、今はミモレット以外、開いている店は無い。廃れた商店街の中を歩けば、ねずみが走る。
「この下だ」
ベルゼブブが足を止めて言った。
アルマは立ち止まって見渡した。ここは商店街の中心だ。地下へと通じる場所は見当たらない。
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